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110.溢れる幸せ

 

「美味しいね、綾」


「うん。夢依、あーん」


「……お返し、あーん」


 綾と仲良く会話をしながら和風カフェで和菓子を食べて、あまり長居する訳にもいかないので食べ終わって少し休憩した後、会計をして教室を出る。


「ありがとうございましたー」


「夢依、次はどこ行く?」


 相変わらず人の多い廊下を歩き始めながら、綾に聞かれて私は考える。


 でも正直、もう回る所がない気がして、


「えっーと……もうお腹いっぱいだし……」


 必死に考えながら悩んでいると、綾が私の頭を撫でてくれて、優しく言ってくれる。


「やっぱりないよね。昨日ほとんど回っちゃったから。ねぇ、面白くないかもだけど、一緒にただ歩かない?」


「もちろん良いよ、綾」


 ちょっとだけ不安そうな綾に私はぎゅっとくっ付いて頷くと、綾も私にくっ付いて行く宛もなくただただ歩いて行く。


 それがなんだかとっても楽しくて、普段行かない階や教室を一つずつイチャつきながら回って行く。


 そうして全部の教室を回り終えて、最後にと綾に言ってみる。


「ねぇ、綾。せっかくだから、屋上にも行ってみよ?」


「うん、行ってみよっか。絵音と由依と四人でお弁当食べた時ぶりだね」


 私の言葉に綾は手を引いてくれ階段を上り屋上の扉の前へ。そして、ガチャと扉を開けてみると、誰一人屋上に人がいなくって冷たい風が襲ってきた。


「意外と寒いね、ここ。夢依大丈夫?」


「綾にくっ付いてるから、全然大丈夫。それよりも、見て」


「わー、凄いね」


 綾の心配を笑って流し屋上の端っこへ。そこからは、賑やかなグラウンドと冷たい空の中輝く太陽があって、お互いにくっ付きながらその光景を眺める。


「綾、来年も二人っきりで絶対に回ろうね」


「うん。絶対に回ろ、約束するよ。ふふっ、私もう夢依がいなきゃ生きられないよー」


 物凄く無邪気に笑って約束してくれた綾が、いきなり私に抱きついて来て甘えるように首筋に顔を埋めてくる。


 そんな行動に私は驚きながらも、思いっ切り抱きしめ返して答えは分かっているけど、生で聞きたくて言葉を返す。


「私も綾がいないと生きれないから、傍にいてね」


「うん、もちろん……ねぇ、夢依。私今すっごく幸せ。夢依、本当にありがとう」


「綾、こちらこそありがとう。私もすっごく幸せ」


 お互いに首筋に顔を埋め合って、太陽がほんのりオレンジ色になり始めた頃、私達はどちらからともなく離れて、


「そろそろ文化祭終わるし、教室に帰ろっか」


「うん」


 手を繋いで一緒に歩き始めようとした時、いきなり頬に手を回されて、


「夢依大好き……んっ♡」


 綾に不意打ちでキスをされる。それがとっても嬉しくて、


「「んむっ♡……んんっ♡……ぷはぁ♡」」


 舌を入れ返して少しの間キスをして、


「行こっか、夢依」


 綾がいつものように私の手を引いてくれ、屋上を出た。

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