107.束縛弱め
私の胸の中でこれでもかと甘えた後、少しだけ満足げないつもの顔で綾は私から離れて立ち上がる。
「綾、もう良いの?」
「その言葉はずるいよ、夢依。そんなの本当はもっとしたいけど……文化祭、夢依と一緒に回りたいから」
綾が離れて寂しかったので甘え返すように言うと、綾は名残り惜しそうに笑って相反する本音を言ってくれる。
それを聞いて、もうちょっとだけと私は可愛い綾の両頬を両手で挟んで、またぎゅっとくっ付く。
「本当に可愛いね、綾。分かった、夜まではこれで我慢するね……んっ♡」
そして、今まで沢山してきたキスをして、綾の中にすぐ舌を入れると、綾は嬉しさと興奮とが混ざった顔で舌を入れ返してきて、口の端から唾液が垂れながらも激しいキスを数分間し続ける。
「「……んっ♡……んんっ♡……ぷはぁ♡……はむっ♡……んふっ♡……んっ♡……ぷはぁ♡」」
何回も何回も舌を咥え込んでは甘い唾液を飲んで、お互いに満足して舌を出したまま唾液が糸を引いてプツンと切れる。
「夢依……これ以上は、我慢出来なくなっちゃうから……」
「うん……綾、行こっか」
うっとりした顔で見つめ合って呼吸を落ち着かせた後、綾と手をぎゅっと繋いで歩き始める。
でもどこかお互いに話すような雰囲気じゃなくって、綾の手の温かさを感じながら少しずつ大きくなる文化祭の賑やかな声や音に耳を傾けていると、
「ねぇ、夢依。その、私、絵音とか由依とか、それ以外の人とも、あんまり関わらない方が良い?」
綾が私の告白の前に言った本心を気にした様に思い切って聞いてきて、私はちょっと驚いた後首を横に振って答える。
「ううん、全然良いよ。だって綾の一番は、もうずっと私でしょ?」
我ながらよくもまあこんな言葉が口から出てきたなと思いながらも、首を傾げて笑うと綾は一瞬目を見開いた後、ふふっと優しく笑って聞き慣れたいつもの綺麗な声に少し寂しさを混ぜながら、
「夢依……なんか本当に、ずるい女の子になったね」
残念がられてるのかと思ってしまう言葉をかけられて、
「嫌でし……」
私はドキッとしながら思わず口調を元に戻して聞こうとすると、綾に人差し指で唇を押さえられて言葉を遮られ、次いで真正面から優しく覗き込まれて目が合い、カウンターを喰らう。
「そんな訳ないよ。どんな夢依も、すっごく可愛いから。敬語の夢依もタメ口の夢依も、どっちも大好き」
「えあっ……」
ニコッと笑う綾の顔はとても無邪気で可愛くて、悲しさとか苦しさとか目の奥まで何一つ暗いものがなくって、私は改めて綾にドキッし馬鹿な声を漏らす。
可愛い。ああ、凄く可愛い。どうしようもないぐらいに可愛い。
大好きな綾のそんな顔に声に私は思わず照れ笑いが溢れ、綾の人差し指にチュッとキスをして跳ね除けて、
「私だって、時々ずるくていつも可愛い、綾が好き。大好き。どんな綾も心の底から愛してるよ」
手を更にぎゅっと握って愛を返した。
面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、
☆☆☆☆☆
↓↓↓
★★★★★
広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンもポチッと!
よろしくお願いします。