103.二日目
今日のメイド喫茶の接客は私と綾さんが午前で、絵音さんと由依さんが午後。
なので、綾さんと二人っきりで文化祭を回れる。
でも、それ以上に大切な事があって私は今日の朝、一段と強がっていた綾さんの事を必死に考える。綾さんはずっと何を我慢してるんだろう?私が何かしたのか、それとも……
「夢依ちゃん!完成!」
絵音さんの楽しそうな声が響いてきて、私は考えるのをやめて目を開ける。
すると、由依さんが昨日貰っていた熊さんの手鏡を渡してくれたので、私は自分の顔を見てみる。
そこには今まで見た中で一番可愛い私がいて、思わず微笑みながら、
「凄いですね、絵音さん」
顔を上げてそう言うと、絵音さんは嬉しそうに笑って、胸を張って自慢してくる。
「えへへ。でしょ!私は凄いからね!」
「綾、どうですか?」
私は絵音さんを尻目に、自分を見て欲しくて表情を変えずに綾さんの方を向く。そうすると目を見開いた後、綾さんは少し照れる様に笑って、
「本当、すっごく可愛いね、夢依」
頭を撫でて褒めてくれ、そこで初めて皆の前なのに、さんを付け忘れていると気が付くけど、もう私は気にすることなく、
「ありがとございます、綾」
笑ってお礼の言葉を返した。
◆
理科室でメイド服に着替え、綾さんと少しイチャついた後、教室へと戻る。
その頃には、文化祭の二日目が始まるまであと少しで、絵音さんにエールを送られる。
「夢依ちゃん、頑張ってね!」
「はい!」
「それじゃ私達は行くか」
「そうしよっか。また後でね、綾、夢依ちゃん」
「うん、バイバイ」
仲良く手を繋いで行った二人に私と綾さんは手を振り返し、見送ったタイミングで、
『名月女子高校文化祭、開幕です!』
高らかなアナウンスが流れ文化祭二日目が始まりを告げ、違う高校の生徒や保護者なんかがちらほら現れ初める。
「おかえりなさいませ、ご主人様!」
それからすぐ、綾さんの出迎えと共に私達の教室も賑やかになっていき、
「注文お願いしまーす」
「はい!」
お客さんの声と可愛いメイドの声が互いに響いて、あっという間に全部の席にお客さんが。そうなるともちろん色々と仕事が増えるわけで……
「綾は二番と三番テーブル〜、夢依ちゃんは六番テーブルに~、指名だよ〜」
絵音さんと由依さんがいないので、綾さんが集中的に、時々私が指名され始め、
「美味しくなーれ、萌々キュン!」
綾さんの微塵も恥ずかしさのない、どこを取っても可愛い美味しくなる呪文に凄いというか可愛過ぎて抱きしめたいなと思いながら私も、
「お、美味しくなーれ、萌々キュン!」
一日目と比べて恥ずかしさがあまりないので、少し笑みを浮かべながら呪文を唱えて、少しずつ時間が過ぎていった。
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