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102.苦しまないで

 家に帰ってお風呂に入り、夜ご飯を食べ終わって部屋に戻った時には、すでに眠気に襲われていて、どうにか起きていようと椅子に座って目を擦っていると、スマホが鳴り私は慣れたように電話に出る。


『夢依、今日もお疲れ様。すぐ寝ちゃったら、ごめんね』


「綾、私もですよ。今日は疲れました」


『ふふっ。夢依、すっごく眠たそうな声してるね。ふぁ~、ねぇ夢依、今ベット?』


「い、いえ、少し待って下さい……今ベットです」


 綾さんの言葉に、私は電気を消してベットに寝転ぶ。


『なら、私と同じだね……ヤバい、夢依、愛してるよ』


 いつもなら電話の最後に言う言葉を、今日は綾さんも相当眠いらしく物凄く早いタイミングで言って来る。それに私もウトウトしながら、愛を囁く。


「私もです、綾。愛してます」


「ふふっ」


 私の返事に綾さんは柔らかい笑い声を出し、少し間を開けた後、


『夢依、明日さ……指輪とネックレス、付けて、きて……』


 二人っきりで遊ぶ時は必ず付ける、お互いに贈ったプレゼントの事を言われたので、


「はい……綾……」


 私は途切れそうな意識の中で返事をし、なんとか眠気に負けないでいると、


『ねぇ、夢依……』


 凄く何かを言いたくて、でも我慢しているか弱い声で私の名前を綾さんは呼んできて、私は冴えない頭の中で、いつか我慢せずに言ってくれる事を願いながら、意識が途切れる前に頑張って口を開く。


「綾……信じて下さい。私、綾の全部が、好き、だから……」


 そしてそのまま私は、


『夢依……ずるいよ……』


 綾さんの心が揺れ動いていると分かる、震える声を聞きながら、意識が暗闇に落ちた。


 ◆


 朝、いつもと同じ時間に目を覚まし、ベットから降りて伸びをする。そして、電話が繋がったままのスマホを手に取り、


「綾」


 好きな人の名前を呼ぶと、


『夢依、おはよ。話しながら、一緒に準備しよ』


 寝落ち電話をした時、いつも言ってくれる言葉が返ってきて、私は頷き言葉を返す。


「はい。綾、今何してますか?」


『メイクしてるよ。夢依は?』


 それから綾さんが電車に乗る前まで話した後、朝ごはんを食べ指輪とネックレスを付けて家を出て、いつもの場所へ。


「夢依、今日も可愛いね」


「綾も可愛いですよ。世界で一番」


「ふふっ。夢依……行こっか」


「はい!」


 そして、私達はいつも通り学校へと向かい教室へ入ると、いきなり絵音さんが、


「夢依ちゃん!メイクしてあげるよ!」


 いつもよりも可愛い音々さんと由依さんを連れて、そう声を響かせた。

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