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変な夢を見た

作者: フェル

 私はこれといって信心深い訳ではなく、占いやオカルト要素なども含めて『都合の良いものだけ信じる』という立場だ。

 さて、自宅に神棚があるという人は多いだろう。私は数年前から、神棚に向かって、自分の家族と家の存続・繁栄を願掛けしている。ただし、その際の文言は


「我が一族を繁栄させろ。ただし、この私にその代償を払わせるな。貴様が本当に我が家の守り神だというのなら、『願いを叶えるためには代償が必要』などとケチくさいことを言うな」


 と、『お願い』というよりは『命令』している。といっても、この願掛けをし始めるより前から、身の回りで幸運な出来事が起きることはよくあった。

 例えば、会社で上司の「うわ、こいつってこんな奴だったのか」という嫌な側面を知ってしまった次の日には、その上司が異動させられていたり、という具合だ。


 話を戻して、先ほどの願掛け、いや、命令についてだが。

 最近、私も「代償を全く払うつもりはない」という態度を軟化させ、


「どうしても代償が必要な場合は、生活に実害の無い範囲で受け入れてやる」


 神棚への命令にこの一言を追加した。それ以降、睡眠中にちょっと嫌な夢、というか、変な夢を見ることが増えたような気がするのだ。

 偶然で済ませればそこまでなのだが、『都合の良いものだけ信じる』という考え方にもとづき、ちょっと信じてみるのも面白いかも、と思い始めている。


 そんなある日、『ちょっと嫌な夢』の度が過ぎた、悪夢の入口という感じの夢を見た。しかし、その夢の中で、私は『嫌な夢を見せる悪魔』を捕まえ、返り討ちにしてボコボコにぶちのめしていたのだ。


「精霊の一種である貴様を完全に滅することは不可能だ。だが、貴様より私のほうが力が上だ。分かったら今後このような悪夢を見せるなよ」


 私が命じるが、悪魔はなおも抵抗する。

 抵抗する悪魔に、私はさらなる攻撃を加えて黙らせる。


「聞こえなかったのか? もう一度言うぞ」


 結局、悪魔が折れるまで私は攻撃を続け、言うことを聞かせた。

 ……と、夢の内容はここまでなのだが、過日、私が神棚へ下した『命令』の内容から推測すると、もしかしたらこの悪魔は神棚におわす神である可能性がある。


 所詮は夢の話なので深い意味など無いのだろうが、私は神すら従える力を持つ、と考えていたほうが楽しいので、そういうことにしておこう。

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