弐 相手が攻撃しやすい所に自爆装置つけるのはよくないよ?
題名ギャグっぽいですが全くギャグありません。
(…着いた。見張りは…)
空技は速くつくため、ジョギングのスピードを少し上げて、走ってきた。
(2体…)
超井の入り口には全長300センチほどありそうな巨体のロボットと200センチ程の少し小柄なロボットで二体だった。
(さっき倒したロボットには停止ボタンついてたんだよなあ。)
空技が先刻八重斬で倒したロボットの後頭部には停止ボタンが付いていた。
(賭けだな…あるかないか50%…ま、俺の直感信じよ!!)
空技は刀を鞘から抜いた。左手に持って。
空技は地面を蹴って自分の全力のスピードを出す。小柄のロボの方へ。
ロボットから二メートルほどの地点で上に跳ぶ。そのまま三回回り、ビルの壁に着地する。
空技は壁からずり落ちない程の速さでロボットの後頭部に視線を移す。(有った。停止ボタン!!)
空技は頭を下にする形で壁を蹴る。(/これの右上が脚みたいな)
(ボタンに、全力集中!!)
刀を持っていない右腕でボタンを叩く。
そうして小柄な方は止まった。
(動くだろ。もう一体!!)
今の動きで警戒したためか大柄な方は絶対に背後を取らせせないように、空技を見て、走り出す。
(斬ってやるよ)
空技の着地の瞬間に右ストレートが飛んでくる。だが空技はそれも想定内だったため、後ろに跳ぶ。それでもギリギリ。
(こんな速いのか…当たりそうだったなあ)
空技は今の動きを見て、
(AIの癖に頭いいな。攻略難し…てかそっちの方が、面白い!)
ドラゴンOエストだって敵の種類が多いから面白い。(当然ストーリーも面白いよ!)スライムだけなんて最悪だろ?
(もっと色んな動き試したいけど…)
そして大柄ロボットの頸を斬って…
「でも今は、時間がない。」
空技はロボットを二体とも一分足らずで倒してしまった。
「んじゃ、乗り込みますかね。」
何かいかにもロボアニメで出てきそうな厳重な扉の前に空技は立つ。
(こういうのってカードキーとかあるよな…)
空技の妄想虚しく、厳重そうなだけで普通に自動ドアであった。
「は?」
超井の本拠地に入り、目の前にモニターが有った。
『お、やっと来た。』
(やっと来た…!?こっちが見えてる?)
モニターの上に極小カメラが付いていることに気付く。
なんとその画面に映っているのは超井の主であった。
『どうも…超井に一人で攻める、身の程知らずの刀使い。死して俺の、実験台となれ』
「死ぬのはお前らだよ」
と、すかさず言い返したがもうモニターは切れていた。
話が終わった瞬間に空技は辺りを見回し始めた。
(右から来てるな)
「おいおい」
右から来ていたのは、いかにも戦隊ヒーローにありそうな空飛ぶ腕であった。空技の上に落ちてくる。
(これ現実でできるのかよ…!!てか当たっちゃだめだ。)
銃弾のようなスピードで飛んでくる腕を空技は後ろに跳び、間一髪で避ける。
(何であんな大きさの物をこんな速くとばせんだよ…)
腕の着弾と同時にロボットが走ってきた。
(またロボットか…)
空技は相手の殴りを右に首を曲げて避け、頸を斬る。
そこで斬ったはずだが切った感触が無い事に気付く。
(幻…!?)
そいつに殴られても何も当たった感覚がない。
周りを見渡すと、同じロボットが沢山いた。
(こん中に本物一体ぐらいいるだろ。全部斬ろ。)
「天之流刀法」『弐』 八重斬
50体近く居たロボットをすべて斬り、
「お前で最後じゃ!」
最後のロボットにも同じように頸を狙った。
鉄と鉄の不快なこすれる音がし、最後の一体が本体ということだ。
半分ほどが斬れた時、ボタンが押された音がなる。
(ボタンの音!!何が起きる?!)
「やべ。」
とてつもない轟音、言わば爆発音が鳴り響く。
別のカメラで状況を見ていた超井の主は…
「終わりかな死体回収準備――」
(は??)
超井のモニターに映るものには、ボロボロで立っている空技がいたのだ!
(あの爆発を生身で喰らって、生きているだと!?)
空技は爆発に巻き込まれた。
(うっ、これは死ぬ…刀で少しでも軌道を逸らす…)
爆発が終わった。
(身体がやばい…死にそうだ…立つのも辛い…)
「もう終わりか?こんな雑魚国攻めて無駄だったなあ」
空技はでまかせに嘘をばらまく。主や他の者達に焦りや動揺を誘うためである。
奥の廊下から足音がする。新しい刺客だ。
相手を視認した瞬間、
(コイツ…中に人が入ってるような気配だけど、そうじゃないような…)
「遅すぎて逃げたかと思ったぜ。」
(とりあえず待って相手の動き出しを待つ!!)
相手は空技の待ちに気付いたのか空技に向かって走り出した。
空技は相手が動くと同時に走り出す。
(俺は…魂斬に全てをかけるだけ…)
ちなみに空技の身長は162cm。成長期真っ最中。