表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/55

セバスリーにいさま。

「一人でお出かけ? それは流石にわたくしがお父様に叱られそうですし。あ、そうだわ、セバスリーをお供につけましょう。彼なら護身術もそれなりに使えますし護衛としてもバッチリだわ」


 はう。そんなふうに言ってセバスリーにいさまを呼びつけるお婆さま。

 この家に代々仕えている家令執事のセバスチャンのお孫さん、セバスリーにいさまは長身で武術にも長けている。

 子供の頃からずっとそばにいて色々助けてくれたから、気心も知れているし。

 っていうか二人っきりの時はにいさまにいさまって呼んで本当のお兄様みたいな気がして甘えてたっけ。

 三年も会ってなかったけど素敵になってるかな?


「お呼びとお伺いしましたが」

 そうさっとリビングに現れたセバスリーにいさま。

 はあ。

 黒の執事服を颯爽と着こなし、こちらに向けて会釈をする彼。

 短めの黒髪、黒縁の眼鏡をかけて、もう完全に一人前の執事って雰囲気で。

 すごくかっこよくなっています。にいさまったら。


 着痩せして見えるのでしょうか?

 武術が得意なにいさまは、その体もしっかりと鍛え上げていましたから、きっと今でもスーツの下は筋肉がすごいのでしょうね。

 ふふ。眼鏡も伊達なのはわかっています。

「こういうのはまず形から入るものだから」

 っておっしゃって、まずはお爺さまお父様の後を継ぐべく完璧な執事を目指してお勉強なさっていたのも知っています。

 努力家なのです。にいさまは。


「ああ、セバスリー。あなたは今日からしばらくアナスターシアの護衛についてくださいな。この子に何かあったらわたくしがサイラスに叱られてしまうもの」


「わかりました。奥様」


 そうこちらをみて微笑むにいさま。

 わたくしも、

「それではお願いいたします」

 と、そう淑女っぽく笑みを返します。


「お嬢様はもうお年頃なのですから、子供の頃のようにお転婆はいけませんよ?」

「ひどい、セバスリーったら。わたくしはもう立派なレディなのですよ? 聖女のお仕事だってちゃんとこなしてきたのですから」

「ふふ。そうですね。お嬢様、お手をどうぞ」


 真っ白の手袋。

 そんな右手をさっと差し出し礼をするにいさま。


 わたくしは、そんな彼の手をそっととって。


 エスコートされるまま、エントランスに向かいました。


 ♢ ♢ ♢


 ファフナは一応ちゃんと猫らしく自分の足で歩いてついて来ています。

 流石にみんなの前で飛んだり喋ったりは自重しています。

 今までもずっとそうしてきましたし、彼女も普通の猫のように振る舞うのも上手なので。


「お嬢様、今日はファフナも一緒です?」


「そうなのにいさま、だめ?」


「いいですよ。この子は賢いですからね。馬車の中でもおとなしいですし、人混みでも勝手にどこかに行ったりしませんから」


「にゃぁ」


 ファフナも昔からセバスリーにいさまをよく知っているから、もうちゃんと猫らしく甘えて返事をしています。


 にいさまの足元に頭を擦り付けて媚を売るのも忘れません。


「はは。ファフナ、僕のことちゃんと覚えててくれたのかい?」


「にゃ〜」


 にいさま、そんなファフナの返事に嬉しくなったのか、馬車の手前でさっと彼女を抱き上げて頬擦りをしてくれました。


 あは。ファフナもまんざらじゃない様子。


 ごろごろ鳴いて、そのまま馬車にポンと飛び乗って。


 わたくしはにいさまに手を借りながら馬車に乗り込み。


 さあ。街まで出発デス!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ