オーパーツ拾ったら人生変わった
道に、何かキラッとしたものが落ちていた。
拾い上げてみるとそれは、骸骨の頭を模したキーホルダーのようだった。
そういえば俺も子どもの頃は水晶のドクロをめぐる冒険映画が好きだったな、と思いながらドクロをポケットにしまう。別に、ネコババしようと思ったわけじゃない。交番にでも届けようとは思ったが、俺は今から職場に向かうのだ。仕事が終わって帰る時に届けても、別に問題ないだろう。
そう、軽く思っていたのが間違いだった。
「井出丈二さん。本当にこのドクロに何もしていませんか?拾ってから職場以外にもどこか行きませんでしたか?」
もう何度目になるかわからない問いに、俺は不安を募らせながらも頷く。
職場に警察から連絡があり、任意同行を求められたのが三時間前。それから俺は代わる代わる現れた男たちに、これでもかというほどみっちりした取り調べを受けていた。
目の前に座っているのは、大人を子どもにする薬を開発してる組織やどこかの地下帝国で働いていそうな黒服の男。こんなヤツ本当にいるんだな、と思考が現実逃避を始めた俺の前で男は静かに口を開いた。
「申し訳ありませんが、あなたには消えてもらいます」
物騒な言葉の登場に立ち上がろうとした瞬間、別の黒服が俺の体を押さえつける。目の前の男は哀れむように、俺をじっと見つめる。
「あなたは、拾ってはならないものを拾いました。あれは我々が管理するオーパーツで、宇宙の秘密を秘めたものなのです。それを落とした我々の組織のうつけ者も悪いですが……すぐに届け出なかったあなたにも非はあります。それではちょっと、失礼して——」
男が俺の顔を覗き込む。
そこで、俺の意識は途切れた……。
◇
僕の名前は太田。最近、転職したばかりのしがない会社員だ。
新しい職場ではとても人間関係が良く、今日は職場の先輩とともに外でランチを取っていた。
「太田、見ろよこれ。拾ったんだ」
言いながら先輩が僕に、金色のロケットのようなものを見せた。
……なんでだろう、すごく嫌な感じがする。
「どうしようこれ、貰っちゃおうかな」と笑う先輩に僕は大声で「駄目です!」と口にする。その場にいる人たちがみんなびっくりしたような顔で僕を見るが、めげずに僕は先輩に言った。
「落とし物は、すぐに届けなきゃ駄目です。絶対、駄目なんです」
自分でもなぜそんなに頑なになるのかわからない。けれど先輩は僕の剣幕に押されたのか、戸惑いながらロケットを道に捨てた……。