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「星中これからバケーション!」
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おふくろが縫い付けそびれたっていう"金のボタン"を探し西極に旅をする俺の脇。
一陣の風巻き起こし、一斉に"大きな船"が東に向かって空海原駆ける。
「東に何があるんだい!?」
"操舵士"は船から乗り出し、ニィと笑い、こう言った。
「しばらく夏弓月だろ、明星の地点に戻りゃー、倍々バケーションってヤツだ」
……「お、お」
「俺も…!」
「乗せてくれ!」
俺は…。
"夏休み"とかいうのに負けた。
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金ボタン探しに西極の地まで旅する“俺”の物語の断片です。こういう切れ端を書きちらかしてる間に長編のアイデアが生まれます。