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1人の青年と仲間達の物語
もし過去に戻って、未来を変える事ができるなら、どれだけ苦労せずにすむのだろう。そんなことを、毎日考えているのはきっと俺だけだ。やせ細った体をベッドからゆっくりと起こした1人の青年は、窓の外をちらりとながめ、やがて深いため息をつき、こう言った。「生きてる」。
明日、明後日、その後の日々。俺は生きているのか、わからない。いつ、何が起きるのかわからないこの時代、目が覚めたら天国!という事になっていてもおかしくはない。本来起こりうるはずのない戦争がはじまってから、やがて季節は秋を迎える。俺が住むこの国は、憲法のもと、戦争は二度としないと誓ったはずだった。 だが、その誓いは、ある一つの事件によりいとも簡単に破られた。その事件を、人々はこう呼ぶ。「世界の終わり」と。