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第十四章
「大丈夫よ」
ライファは呟く。
その瞳は何者も恐れない。
強い、強い光。
「私は…いいえ、私たちは一人じゃない」
鵺は、戦った。
そして今はきっと幸せだ。
笑っているはずだ。
そう確信していた。
ライファは鵺の半身だっかたら。
「だからもう大丈夫」
フローの手を取り、ライファは微笑む。
「あなたを取り戻しに行きましょう?」
びくりと、彼は震える。
ライファには分かっていた。
ここに居るフローは『フロー』ではないと。
理由など必要ない。
感覚がそう告げていた。
これは『本物』ではない、と。
「彼を返して頂戴」
ライファの言葉が鋭く響く。
そして。
「それなら俺を殺さなくちゃ」
フローは冷たい笑みを浮かべた。