答案用紙
僕は赤色が嫌いだ。
答案用紙いっぱいの赤いバツ印。
頭の悪い僕にとって、赤色は「自己否定」の色。
「正しい」と思って書いた「答え」は、「間違え」だった。
誰かに否定されるのが怖くて、間違えることが恥ずかしくて、僕は青いペンで正しい答えを書いていた。
あぁ、今日もまた0点だった。
隣から返ってきた小テストを見て溜息を吐いた。
手元の紙は赤色のペンでいっぱい。
こんなに頑張っているのに。
泣き出しそうなのをグッと堪えていると隣の席から、「大丈夫?」と声がした。
フッと顔を上げると、心配そうな顔をしている委員長がじっと見ていた。
「顔色悪いよ。」
委員長は続けて言った。そんなに顔色悪いのか…
「うん。大丈夫、だよ。…うん。」
なんとかその場を取り繕う。すると、委員長は「あ、そう。」と一言、前を向いてしまった。
それから毎日、隣の席同士の僕と委員長は小テストを交換しては採点しあった。
だけど返ってくるのは赤いバツ印でいっぱいの解答用紙。
頑張っているのになぁ…。
しばらくそんな日が続いた。
ある時、いつものように委員長から答案用紙が返ってきた。
その日の点数もおまんじゅう。
僕は正しい答えを書くために、ペンケースから青いペンを取り出したその時、ある一点に目が止まった。
点数の横に小さな赤い文字で、「頑張って」と書かれていた。
驚いた僕は隣を見た。委員長は澄ました顔をしていた。
次の日も0点だった。同じところに「やれば出来るよ。」と書かれていた。委員長は同じようとに済ましていた。
また別の日はちょっと頑張って4点だった。「やれば出来るじゃん」と書かれていた。隣のあの子は僕の方を見て親指を立てた。
さらに別の日、気を抜いちゃって2点だった。あの子から「頑張って。君は出来るよ」とあった。彼女は僕に向かって「ファイト」と小声で言った。
彼女の一言が書かれた頃からか、僕は今以上に勉強するようになった。
何時からか、あの子からの一言を楽しみにしていた。
彼女の赤い文字を貰ううちに、いつしか赤色が好きになっていた。
いつの間にか、答えを直すのに青ペンを使わなくなっていた。
そして、一ヶ月。ついに僕は小テストで満点を取った。
隣の彼女はふふっと笑って、「やったね」と答案用紙を渡してきた。
そこには赤いペンで「よくできました」の文字と大きな花丸が書かれていた。
読んでいただきありがとうございます。
歩いている時に思いついたままを書いてみました。
突貫工事だったので、話の流れがおかしい事になっていたかもしれないです。すみません。
また、会う時まで。




