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答案用紙

作者: こまこつ
掲載日:2016/04/27

僕は赤色が嫌いだ。

答案用紙いっぱいの赤いバツ印。

頭の悪い僕にとって、赤色は「自己否定」の色。

「正しい」と思って書いた「答え」は、「間違え」だった。

誰かに否定されるのが怖くて、間違えることが恥ずかしくて、僕は青いペンで正しい答えを書いていた。


あぁ、今日もまた0点だった。

隣から返ってきた小テストを見て溜息を吐いた。

手元の紙は赤色のペンでいっぱい。

こんなに頑張っているのに。

泣き出しそうなのをグッと堪えていると隣の席から、「大丈夫?」と声がした。

フッと顔を上げると、心配そうな顔をしている委員長がじっと見ていた。

「顔色悪いよ。」

委員長は続けて言った。そんなに顔色悪いのか…

「うん。大丈夫、だよ。…うん。」

なんとかその場を取り繕う。すると、委員長は「あ、そう。」と一言、前を向いてしまった。


それから毎日、隣の席同士の僕と委員長は小テストを交換しては採点しあった。

だけど返ってくるのは赤いバツ印でいっぱいの解答用紙。

頑張っているのになぁ…。

しばらくそんな日が続いた。


ある時、いつものように委員長から答案用紙が返ってきた。

その日の点数もおまんじゅう。

僕は正しい答えを書くために、ペンケースから青いペンを取り出したその時、ある一点に目が止まった。

点数の横に小さな赤い文字で、「頑張って」と書かれていた。

驚いた僕は隣を見た。委員長は澄ました顔をしていた。


次の日も0点だった。同じところに「やれば出来るよ。」と書かれていた。委員長は同じようとに済ましていた。

また別の日はちょっと頑張って4点だった。「やれば出来るじゃん」と書かれていた。隣のあの子は僕の方を見て親指を立てた。

さらに別の日、気を抜いちゃって2点だった。あの子から「頑張って。君は出来るよ」とあった。彼女は僕に向かって「ファイト」と小声で言った。


彼女の一言が書かれた頃からか、僕は今以上に勉強するようになった。

何時からか、あの子からの一言を楽しみにしていた。

彼女の赤い文字を貰ううちに、いつしか赤色が好きになっていた。

いつの間にか、答えを直すのに青ペンを使わなくなっていた。


そして、一ヶ月。ついに僕は小テストで満点を取った。

隣の彼女はふふっと笑って、「やったね」と答案用紙を渡してきた。

そこには赤いペンで「よくできました」の文字と大きな花丸が書かれていた。

読んでいただきありがとうございます。

歩いている時に思いついたままを書いてみました。

突貫工事だったので、話の流れがおかしい事になっていたかもしれないです。すみません。

また、会う時まで。

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