【参考】主要登場人物紹介【ネタバレ+後日談(一部)あり/命名由来付き】
■主要な登場人物紹介■(ネタバレ+後日談(一部)あり/命名由来付き)
―凡例―
・【 】内が名前(固有名詞)です。
・『』内は、命名由来となった各文字(共通ルーン文字/オガム文字)などです。※ブラウザ設定などによっては表示されません。
★[ ]内の数記号は、表示用unicode(3.0)です。
★《 》内は、各文字のラテン文字転記表記や日本語表記、意味などの解説文です。
・◎記号以下の文が、各キャラクターの紹介文です。< >内は作中の役職・職位など。
★本編内外でのネタバレ・設定解説を大いに含みます。ご注意ください。
★【登場人物紹介/用語・季節・単位など】で既出のものは省略されています。
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【アンスーズ】
:第四ルーン文字『ᚨ』[16A8]
:《ラテン文字転記「a」、ansuz、「神」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<隊長>、元・第四軍団第四大隊長。ドルヴィ・ヤーラの消失に関与したとして内密降格され守備隊に配流。今回の軍団兵暦は約10年。
◎「盟約の神々」の一柱。盟約の履行者。<還元と変容の御方>。もとより姿も名も持たず、神々の盟約を遂行し管理する「履行者」として存在していたが、100年ほど前に人間スーリザスに“捕まって”姿と名を得る代わりに「神」としての力を分かち合うことになった。以降、スーリザス(ソーン)の願いを叶えるため、ルーニック王国を基盤に活動。
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【ソーン】/【スーリザス】
:第三ルーン文字『ᚦ』[16A6] *アイスランド語の文字としては『þ』[00FE]
:《ラテン文字転記「þ」、thurisaz/thorn、ルーン文字としては「怪物」古英語では「茨」や「棘」を現す文字》
★ルーン文字の内、現代言語(アイスランド語)で使用される唯一の文字。
◎東北国境守備隊第25隊<隊長付き補佐官>。アンスーズ大隊長と共に降格配流。今回の軍団兵暦はアンスーズと同じ10年で、ずっと彼付きの補佐官。異動配転がないのは、軍上層部に彼らの真実を知る者(かつての部下)がおり、内密に采配していたため。
◎「盟約の神々」の一柱の<覡>。100年ほど前、<還元と変容の御方>を捕らえ、【アンスーズ】の名と姿を与えて神の力の代理人となった。その強大な力を振るい、ルーニック王国建国に寄与。だが、力を行使した結末に愕然とし、力を封じた。別名<茨の怪物>。“人間を、神の力から解き放つこと”を唯一の願いとして、アンスーズと共に活動中。
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【フェフ】
:第一ルーン文字『ᚠ』[16A0]
:《ラテン文字転記「f」、fe/fehu、「財産」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<副長>。【能力者】。元・第十六軍団付きのドルヴィであったが、表向きは能力不適の評価で守備隊へ配流、実際は彼の養母ドルヴィ・ヤーラの願いを受け、アンスーズとソーンが招聘した。
◎「盟約の神々」の一柱である<呼び迎えの御方>オスク神より異能の力を与えられた異能者。オスク神の覡となり得る素質を秘めており、それを危惧したソーン(とアンスーズ)により過保護なまでに「人間として生きること」を叩き込まれた。最終的には神の力を自分自身の意志で拒絶した。ナウディーザは、一目惚れの初恋の相手。
★能力者の造語は「ドルイド僧」由来。「dru-vid」(良く知る者)の意。
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【イース】
:第十一ルーン文字『ᛁ』[16C1]
:《ラテン文字転記「i」、isa、「氷」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第一班の班長>。元・第四軍団第四大隊第一小隊長。降格配流されたアンスーズ達に付いて行くため親友ラーグと共に命令違反&独自行動をとり、晴れて降格。
◎本編終了後、第九軍団第一大隊の小隊長に異動。その後、南方戦線を中心に戦果を重ねて順調に出世。最終的にルーニック国軍の<軍団司令>(現場担当将官の第一位)まで上り詰めた。
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【ラーグ】
:第二十一ルーン文字『ᛚ』[16DA]
:《ラテン文字転記「l」、laukaz/laguz、「水」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第二班の班長>。元・第四軍団第四大隊第二小隊長。イースの親友。
◎本編終了後は、第十六軍団本部付き小隊長に異動。本人も意外なことに、南方戦線で兵站を始めとする後方支援に才能を開花させた。「軍の能力者」達の理解者・支援者として尽力。最終的にルーニック国軍<軍団副司令(兵站担当)>(現場担当将官の第二位)として、イースを支えた。
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【ティール】
:第十七ルーン文字『ᛏ』[16CF]
:《ラテン文字転記「t」、teiwaz、「雷神・軍神」「勇気・勝利」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第一班所属軍団兵>。元・第一軍団市警隊の特務部隊・副長。(市警隊は都市警護メインの警察機能、特務部隊は公安部隊として防諜機能を果たす)
◎ルーニック貴族。文門の名家ライディン家出身。密かに心を捧げた相手が、よりによって実兄の妻となったため、家出中。本編終盤で実家との縁を復活させた。
◎本編終了後、第八軍団参謀長付き第三補佐官に異動。軍有数の参謀長の下でしごかれ、その才能をさらに磨き上げた。最終的にルーニック国軍<軍令部総司令>(軍全体の第三位、軍事行動を管轄する軍令部の第一位)に出世。第25隊在籍中に「猫」(ルーニックの間諜の隠語)であるハーガルにとっ捕まって、腐れ縁。
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【ハーガル】
:第九ルーン文字『ᚺ』[16BA]
:《ラテン文字転記「h」、haglaz、「雹」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第三班所属軍団兵>。元・第四軍団第四大隊の中隊長付き補佐官。
◎本来の所属は軍令部管轄の調査部の<猫の耳目>(諜報担当者)。優秀な猫。
◎本編終盤で「猫」に本格復帰。「外飼い猫」として、主に南方コノルド使国担当の対外諜報部員を長く務めた。最終的に<猫の王>。(調査部の第一位、軍全体の位置づけでは第四位) ティールを「陽」と仰ぎ、彼の行動を陰日向に支えた……が、それ以上に“有効な結果をだす迷惑”を一杯かけているとか。
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【ナウディーザ】
:第十ルーン文字『ᚾ』[16BE]
:《ラテン文字転記「n」、naudiz、「欠乏」を現す文字》
◎フリジア使国内の古人の一族に発現した<愛し子の異能者>。“呼び迎えの御方”オスク神の愛し子。最終的に神の力を拒絶、フェフと共に生きる道を選んだ。お互いに初恋同士で結ばれたが、どことなく共依存であることは確かだろう。
★一族での敬称「ディフソング」は二重母音のこと(※オスク語は二重母音が多いことに由来)
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以上、作中主要人物でした。
■その他、登場人物■(命名由来付き+一部にネタバレ後日談付き)
◆軍団派遣兵◆
【エイワーズ】:第十九ルーン文字『ᛖ』[16D6]《ehwaz、「馬」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第三班長>。七年前に采配ミスで自隊を半滅させたことがトラウマ。本編終了後、地方兵へ所属変更。第25隊で骨を埋める覚悟を決めた。
【ラド】:第五ルーン文字『ᚱ』[16B1]《raido、「乗り物」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第一班所属軍団兵>。本編終了後、元部隊に戻った。
【ウルツ】:第二ルーン文字『ᚢ』[16A2]《uruz、「野牛」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第二班所属軍団兵>。本編終了後、元部隊に戻った。
◆軍属、ドルヴィ◆
【ケーン】:第六ルーン文字『ᚳ』[16B3]《cen、「松明」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<主任事務官>。優秀な事務方。普段は大人しいが、怒ると慇懃無礼になる。後年、軍監査官の推薦で軍政経理部に引き抜かれた。上司はインガ。
【インガ】:第二十二ルーン文字『ᛜ』[16DC]《ingwaz、「豊穣」を現す文字》
◎軍政軍監査部所属、東北地区担当の<正監査官>。ルーニック貴族。最終的に軍政経理部長官まで出世。結局、家督は継がなかった。
【オーセル】:第二十三ルーン文字『ᛟ』[16DF]《othalan、「故郷」を現す文字》
◎軍政軍監査部所属、東北地区担当の<副監査官>。定年退任時にケーンを引き抜いた。
【ヤーラ】:第十二ルーン文字『ᛃ』[16C3]《jeran、「年月」を現す文字》
◎軍令ドルヴィ部所属【軍の能力者】。ルーニックでも歴代有数のドルヴィ。フェフの養母。オスク神からの干渉に無意識のうちに抗い続けていたが、アンスーズとソーンによって解き放たれた。同様にドルヴィでなくなった者達と共に、西南「大森林」近くで隠棲中。本編終了時、突然「初恋の君」を連れて飛ばされてきた「息子」に、さぞかし驚いたことだろう。
◆オガム地元兵◆
【ストライフ】:オガム文字『ᚎ』[168E]《straif、「リンボク/浄化」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<兵営長>。本編終了の数年後、退役して叔父ファゴスの補佐→引き継いでアラグレン町長。予定通り!(byファゴス氏)
【ウリヤンド】:オガム文字『ᚗ』[1697]《uilleann、「スイカズラ/秘め事」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<所長>。ディングルでも有数の名家(オガム併呑前の支配階級)出身。ストライフ退任後は<兵営長>。第25隊の裏実力者。
【クワート】:オガム文字『ᚊ』[168A]《ceirt、「リンゴ/治癒」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第一班所属地方兵>。元々軍団兵に憧れていたが、後年出世したティールの手配で軍団本部に出向。軍令部所属となり、いつまでもティールの玩具で終わった。あわれ。
【ネテル】:オガム文字『ᚍ』[168D]《ngeadal、「アシ/行動」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第二班所属地方兵>。旧家出身。最後まで25隊所属。
【ゴート】:オガム文字『ᚌ』[168C]《gort、「ツタ/自己探求」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第三班所属地方兵>。幼馴染み三人衆の一人。制止係。
【オウン】:オガム文字『ᚑ』[1691]《ohn、「ハリエニシダ/おしゃべり」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第二班所属地方兵>。幼馴染み三人衆の一人。発端係。
【エイリム】:オガム文字『ᚐ』[1690]《ailm、「モミ/よい眺め」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第一班所属地方兵>。幼馴染み三人衆の一人。加速係。
【デューア】:オガム文字『ᚇ』[1687]《dair、「カシ/謎への入り口」を現す文字》
◎東北国境守備隊第25隊<第二班所属地方兵>。目指せ、兵営長!の人。
◆アラグレンの町衆◆
【コール】:オガム文字『ᚉ』[1689]《coll、「ハシバミ/直観」を現す文字》
◎フェフの友人。最終的にティンネと結婚しました。ストライフの渋面が目に浮かぶ。
【サイリャ】:オガム文字『ᚄ』[1684]《sail、「ヤナギ/女性性」を現す文字》
◎元ティールの恋人。本編中にベイスと結婚。遣り手の商売人として名を挙げた。
【ベイス】:オガム文字『ᚁ』[1681]《beith、「カバノキ/新しい始まり」を現す文字》
◎サイリャの“婿殿”。完全に尻にひかれているが本人は幸せ。結局、勝ち組。
【ファゴス】:オガム文字『ᚙ』[1699]《phagos、「ブナ/古い知識」を現す文字》
◎アラグレン町長、ストライフの叔父。最後まで狸親父で大往生。
【ティンネ】:オガム文字『ᚈ』[1688]《tinne、「ヒイラギ/戦い」を現す文字》
◎ストライフの次女。コールの幼馴染み→恋人→妻、という王道コース。
◆フサルク神殿関係者◆
【ウィアド】:ブランク・ルーン《wiad、「空白/白紙の運命」を現す空白文字》
◎フサルク神殿の<【神力者】>。ヨーラ貴族出身。作中で神力を奪われ、一から出直し。なんのかんので、フサルク神には愛されているらしい。趣味悪。
★神力者の造語は、現実世界で最も有名なルーン石碑彫刻師の名前(Öpir)に由来。ウプサラ石碑群が有名。
【ファーン】:オガム文字『ᚃ』[1683]《fearn、「ハンノキ/神託・守護」を現す文字》
◎フサルク神殿兵。ウィアド付き専任護衛兵。オガム出身→ヴァンダル王国移住→戦争捕虜としてコノルド使国→神殿兵へ、という実は哀しい過去あり。でも同情の余地無し。
【ケニング】:古ノルド語『kenning』《「迂言法」を現す単語》
◎フサルク神殿の正神官(位階はかなり上位)。実体はコノルド使国の「間諜」。神殿勢力を用いた対外活動の実行者。本編中では謝罪係しかやっていなかったが、密偵としてはかなり優秀。一時失脚したが後に復活。ハーガル猫のいい遊び相手となった。
■神・地名など■
◆神々◆
・フサルク神…<束縛と抱擁の御方>、人の庇護者。ルーン文字アルファベット呼称「フサルク(ゲルマン共通ルーンの最初の6文字fuþark)」由来。
・オスク神…<呼び迎えの御方>、盟約の神々の一柱。オスク語に由来。
◆国名は西欧の死言語・死文字名から採っています。
・ルーニック…ルーン文字。ゲルマン共通ルーン(エルダー・フサルク)由来。
・オガム…オガム文字(ケルト語の文字)由来。
・その他の国々…コノルド使国(古ノルド語)、フリジア使国(古フリジア語)、ファリスク使国(ファリスク語)、ヨーラ国(ヨーラ語)、ヴァンダル王国(ヴァンダル語)は全て印欧語族の死言語に由来。
◆オガムの地名は「オガム石碑」のあるアイルランドの実在地名に由来。
・アラグレン…ブランドン山の「アラグレン・ストーン」が有名。
・ディングル…西部の半島名。数多くのオガムストーンがあることで有名。
※設定考案時(10年以上前)段階での知識・学説に則っていますので、最新知識と異なる解釈もあります。