六話
『屈辱的、ダワ……!!!』
クライオスは肩を押さえながら立ち上がった。顔の表情は仮面で分からないが、辺りの空気がビリビリとし始めた。
「下がってろ。」
「え?」
「これからがアイツの本気らしい。」
「でも!!!」
「大丈夫だ。オレもとっておきを出すから!」
リオはポケットに手を突っ込んだ。
「使うぜ、ジジイ!」
そしてポケットから老人から渡された飴を取り出した。その包み紙の色は虹色だった。
「この情報は知らねぇ、だろ?」
その虹色の飴をクライオスに見せた。
『何ヨ、ソレ!デモモウ遊ブノモ止メ!!!』
クライオスは一気にリオに飛び掛かった。
「今これを知ってるのは、デカ乳だけか?」
「?」
リオは包み紙を破り、口に咥えた。が、目の前にクラ イオスが立ちはだかっていた。
「リオ!!!?」
「……甘ぇ」
リオの身体が徐々に大きくなり、クライオスの剣を楽々と受け止めていた。
「ウソ……?」
エリザの目の前には少し白みがかった長い髪に、自分の身長よりも大きくなったリオの姿がいた。
「王子……様?」
「正解だ。」
リオはニヤリと笑い、クライオスの腹に蹴りを入れ、一気に吹き飛んだ。
「リオ……?」
ロンも驚いていた。
「これがオレの真の姿だ。だが、この姿じゃいつグレゴリになるかわからねぇ。だから特別な飴で成長を抑制させてたんだ。」
「あ……甘い香りは飴の匂いだったのね!」
エリザは昨日のことを思い出していた。
「さてと……さっさと立ち上がれよ。」
リオはクライオスの方に目線をやった 。
『ス、素敵ダワ♪ソノ顔ヲ切リ取ッテ完成ヨ!』
クライオスは軽く飛び跳ねて起き上がった。そして両手に剣を持ち、一気に飛び掛かった。
「さぁ……本当の甘い甘〜い時間《Candy Time》を教えてやるよ。」
リオは腰から大型の拳銃を取り出した。そして2発、クライオス目掛けて放った。
『玩具ナンカデ!!!』
その銃弾を切り裂こうと剣を振りかぶった。
『甘イノハ、リオネェ〜♪』
銃弾を切ったと核心し、嬉しそうな声色になっていた。
「どうかな……?」
『エッ!!!?』
しかしよく見ると両方の剣が真っ二つに折れていた。
『ソンナ……!!?』
クライオスは折れた剣を捨て、ライフル型のマラカスを手にした。が、今度は立場が逆転しており、目の前にリオが立ちはだかっていた。
『ソンナ顔デ見ツメナイデ〜♪』
いち早くライフルを手に取り、引き金に指をかけたが、リオはその腕ごと拳銃で貫通させ、クライオスの腕が地面に転がり落ちた。
『イ゛ヤ゛ァ ァァアアア』
泣き叫ぶクライオスの仮面に拳銃を突き付けた。
「必死こいて生きてる人間の──邪魔すんじゃねぇよ。」
そして銃弾を積める所に赤色の飴を入れた。
「林檎味の弾丸《紅蓮の悪魔》」
リオはそのまま引き金を弾いた。銃口から小さなリオが出した炎とは比べ物にならない程の炎が噴射され、そしてクライオスの全身に炎が行き渡った。
『イ゛ヤ゛ヨ……私ハ完璧ナ存在ヨ……死ヌ、ナン……テ……』
その言葉を残し、クライオスは灰になって消え去った。
「ふ〜……。」
リオは残った棒を口から吐き出した。と、同時に再び小さな身体に戻っていった。
「リオ!!!?」
「大丈夫だ……ちょっと、疲れただけだ。」
と言い残し、意識を失った。
「ちょっ!」
エリザは倒れそうになるリオを支えた。
「リオは──?」
「ね、寝てるわι」
「全く……ι」
ロンも「やれやれ」と言い、座り込んだ。
「こうして見ると本当に子どもみたいなのにね」
エリザは今日のセクハラの数々の仕返しでリオの頬をつねった。
「全くだよ。これからどんどん振り回されそうだけどねι」
「有り得る……ってか私の王子様がこんなガキんちょだったなんて……私の王子様はドコにいるのよ〜!!!!!!」
‡
事件の解決から数日後──
「何モタモタしてんだよ、デカ乳!」
「待ちなさいよ」
「デカい乳ぶら下げてるからだろうが!揉むぞ、コノヤロー?」
「止めなさいよ///」
「2人共……相変わらずですねι」
「何だと、腹黒メガネ?」
「イイから行きますよ。」
3人は扉を蹴破った。
「「「ニグレで〜す。」」」
「グレゴリを排除しに来ました〜!」
完




