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Candy Time  作者: こじ
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五話

『ニグレ支部署長、カッペリーニ・ギルダーはグレゴリじゃ!しかもお前と“同じ”、グレゴリと人間の混合種じゃ。道化師、クライオスと名乗っておるらしい。ヤツはかなりの偏食家じゃ。男ばかりを狙うのもそれでじゃろうな。』

「どうしてニグレに潜入出来たんだ?」

『言いたくはないが、お前が完成してから、倫理上計画は排除されたが、ごく一部では未だにグレゴリと人間の混合種の製造が行われていたらしい。その2作目がクライオスじゃ。クライオスも人前では人を襲わなく、前例がお前じゃったから安心して署長を任せておったんじゃろな……。』

「バカヤローばっかりだな……!!!」

『そして今夜、襲うのはお前たちニグレみたいじゃ!頼んだぞ、リオ!!!』





『リオ〜 ……アナタノ情報網ヲナメテタワ♪確実二エリザハ殺セルト踏ンデタンダケドネ。アナタタチノ歪ンダ顔ガ見タカッタワ!』

クライオスはリオの手を振りほどき、手首の動きを確認していた。

「エリザちゃん!」

ロンは倒れたエリザを抱え込んだ。

「腹黒メガネ、デカ乳を連れて広い場所へ行け。」

「で、でも……!」

エリザはロンを押し退けて加勢しようとしたが、「分かりました!」とロンが言葉を遮り、エリザを抱えて窓から飛び降りた。

『良イ判断ネェ』

「あぁ。今回は3人殺すのが目的なんだろ?だったら易々と同じ場所に固まる必要はねぇからな。」

リオは黄色の飴を舐めた。

『見テタワヨ……♪アナタノ能力、ソノ飴二秘密ガアルミタイネ』

「──さぁ?」

リオは一気にクライオスに近付き、顔を裏拳で当てようとした。

『黄色ハ異様ナマデノ速サ……♪』

クライオスはそれが見えているかのように、緩やかに躱した。そして拳を入れるために伸ばした腕を掴み、ロンが飛び降りた窓に向かって投げ飛ばした。

「──ッ!!!?」

投げ飛ばされたリオは一瞬で地面を確認し、着地の態勢をしようとした。が、その瞬間をつかれ、クライオスは更にリオの腹に蹴りを入れた。

「がはっ……!!!?」

バランスが崩れ、そのまま地面に叩き付けられるように落ちた。その大きな音にロンは振り向いた。

「リオ!!!?」

「大丈夫だ。あの狐よりも遥かに強いがな──」

リオの口から血が垂れていたが、腕で拭き取った。その光景を見下ろすように、クライオスはゆっくりと降りてきた。

『 アラァ……ゴメンナサイ、キレイナ顔二傷ヲツケテシマッテ……♪』

「ボクたちを騙してたんですか!!?」

『ロンンンン〜♪マダイテクレタノネ。騙シタワケジャナイワ……言イソビレテタダケヨ』

クライオスは一瞬にしてロンの目の前に現われ、顔面を掴んだ。

『アナタノコノ引キ締マッタ身体ガ欲シイノ♪』

そう言い、爪で喉元を切り裂こうとした。

「はぁああ〜!!!」

エリザは太ももの痛みを堪えながら、ナイフをクライオスの腕に突き刺した。

『小娘ガァ!!!!!!』

クライオスはロンを突き飛ばし、腕に刺さったナイフを抜いた。そしてそのナイフをエリザに向かって投げ返した。

「エリザちゃん!?」

「お前の好き勝手にはさせねぇ〜ぞ!!!」

リオの言葉が聞こえた瞬間、エリザに向かって飛んでくるナイフが炎の渦によって灰になった。

『赤色ノ飴……ツマリ、炎ヲ司ル能力ネェ〜♪』

クライオスは炎の出所に目をやり、納得したように観察した。

『チナミニ、サッキノワープハ紫色ノ飴ネ……影カラ影ヘノワープッテトコロネ』

「解説が好きなようだな。」

『エエ……アナタガ私ノ兄ダト聞イタ時二能力モ調ベタカラ───リオノプロフィールハ完璧ヨ〜!!!』

「「………兄!!!?」」

ロンとエリザは言っている意味が分からなかった。が、ロンは先程リオから聞かされた話からある仮説が浮かんだ。

「造られた……?」

『正解〜♪リオ二聞イタノ?』

クライオスはロンの右腕を足で蹴り飛ばし、その右腕を踏んだ。

『私タチハ運命ナノ♪言ワバ同種ヨ』

「違うね。」

『ハァ?』

「リオはアンタのように下衆くねぇよ!」

ロンは左の拳で踏まれている足を殴った。一瞬緩んだ隙に身体を転がし、距離を取った。

「リオはその力を守るために使ってる。アンタみたいに自分の快楽のために使ってるわけじゃねぇよ!」

『ロン……残念ダワ。』

クライオスは背中からマラカスのようなモノを3本取り出した。そしてそれをジャグリングし始めた。

『マズハ、動カナイヨウニ……』

空中に2本のマラカスが浮かび、残りの1本を掴み、ロンに突き向けた。

「避けろ、腹黒メガネ!!!」

「!!!?」

その言葉で倒れ込むように避けた。と、同時にロンの後ろにあった太い木の幹に小さな穴が貫通した。

「それがアンタの武器か。」

リオはクライオスの背後に現われ 、右手には炎が纏ってあった。

『コレモ、ネ♪』

マラカスをチェンジさせ、今度は2本を両手で持った。するとマラカスの先から刃物が飛び出し、2本の剣になった。そしてその剣をリオの腹に切りかかろうとした。

「ッ!!!」

リオはそれに気付き、バックステップを取ったが、その剣先に服が擦れて破けた。

『良ク分カッタワネ、ライフル型ノ武器ト剣ガアルコトヲ』

「被害者の傷跡から判断できたよ。男の死体はライフルのようなモノで心臓を貫通──」

『ニールカモ知レナイジャナイ』

「確かにアイツにも射撃能力はあった。が、銃口の広さが違い過ぎる。」

「あっ!!!?」

ロンはその時初めて気が付いた。

「仮にアイツが撃ったなら、遺体ごと消え去ってるよ。そして切断部分は明らかに獣の歯形じゃなく鋭利な刃物──アイツを見た瞬間にコイツじゃねぇなと核心したよ。」

『サスガネェ〜♪』

クライオスはゆっくりと拍手した。

「アンタは2作目なんだろ?まだ研究は続けられてるのか?」

『イイエ、私ガ完璧ナ作品ナノヨ?他二完璧ナ作品ハイラナイでしょ?ダカラ、私ガ署長ニナッタ時点デ消シチャッタ♪』

クライオスは空中に浮いていたマラカスを手に取り、『ダカラ、リオォォオオ!私ノ中デ眠リナサイ!!!』

ライフル型のマラカスをリオに向け、発射した。

「断るッ!」

リオもまた、ライフルの軌道を読み、確実に躱していた。



「ねぇ、ロン君──造られた……ってどうゆうこと?」

エリザは太ももの傷口を服の切れ端でキツく縛っていた。

「エリザちゃんはこんな噂知ってる?ニグレでは対グレゴリ用の肉体を造り出そうとする人体研究が行われてる……って」

「都市伝説の部類でしょ?」

「ボクもそう思ってたんだけどね……リオが、その伝説らしいよ。」

「──そんな!!!?それじゃいつかは署長みたいに変貌するってこと?」

「それは……リオ自身が一番恐れていることらしい。自我がなくなり、本能のまま動くことがあるなら、恐らく──って言っていたよ。そしていつも飴を舐めているのも、特注らしくてグレゴリ化を押さえるらしいよ。」

「それじゃ……安心してリオの加勢に行けるね!」

エリザはゆっくりと立ち上がった。

「……あぁ!!!」

ロンもメガネを放り捨て、首をボキボキ鳴らした。



『イクラ避ケテテモムダヨ〜!!!』

クライオスは更に激しい速度で連射した。

「弾切れもなし……か。」

『エエ!ダカラ死ニナサイ!!!』

再び剣に持ち替え、リオに切りかかった。リオはクライオスの手を狙い、炎を出そうとした。

『ムダ、ヨ♪』

クライオスは狙っていたかのように炎を剣で切り裂いた。

『オシマイ……♪』

その反動に身を任せながら、リオの腕を切ろうとした。が、「ナメるなよ!」とロンが飛び蹴りを喰らわした。

「まだまだ!!!」

ロンの背中に飛び乗ったエリザが靴先にナイフを仕込み、もう一発クライオスに蹴りを入れた。その衝撃でクライオスに当たったナイフは折れたが、肩から血らしき液体が噴き出した。

『ギャァァアアア!!!?私……私ノ肩ガ……!』

「やった!」

「あぁ。」

エリザとロンは息を切らしながら、 クライオスを見つめた。

「バカヤローが、ムリしやがって。」

「リオこそ!」

「へっ……うるせぇよ。とっとと片付けて帰るぞ。」

「「はいッ!」」








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