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Candy Time  作者: こじ
2/6

二話

「そして更に4日後、男性が同じように心臓を貫かれ、右腕、左足を切断されていました。その日は別の場所で、今度は女性が獣のような牙で死んでいるのを発見されました。この事件について大きな特徴は、女性は噛まれて殺されているのに対し、男性はできるだけ傷付けないように殺されている点です。さらに男性は死後、目的は分かりませんが、その肉体の一部を切断し、現場には残っていない……という点がこの事件のグレゴリを排除するヒントだと思われます。」

「なるほど。で、陰気メガネ、お前の推測は?」

ロンは「グッ」と言いながら

「ボクの見解では、リオの言った通り、2体以上のグレゴリが関与していると思います。そして昨夜、こちらにいるデカち……い、いや、エリザが複数いた狐のグレゴリに襲われています。そのことから女性を噛み殺しているのはその狐のグレゴリ、そして複数いることから集団のボスがいることも推測されます。そのボスがライフルなような物を所持し、男性を殺していると思われます。そして男性の遺体を切断し、現場に残されていないことから人体収集家コレクターの可能性もあります。」

「うむ。まぁ、合格点だ」

リオは飴を食べ終え、新たにもう1本出した。

「今回の事件については、こんなもんだな。で、大体の目星はついているのか?」

「はい。」

エリザが新たに写真を取り出し、リオに見せた。

「ほぅ。」

リオはエリザの谷間を見ながらうなずいた。

「きゃっ///ったくこのエロガキ……ι」

エリザは胸を腕で隠しながら

「恐らく何らかの形でこの写真の男が関与していると思われます。名前はニール・ロック、酒屋の店員です。昨日単独で尾行していると急に姿を消し、狐のグレゴリに囲まれたので間違いありません。」

「なるほどね。それで、か。それじゃ、行こうか。」

リオは「よっ!」と立ち上がった。

「署長、コイツ等連れて行くけど?」

「どうぞどうぞ♪むしろ私を連れてって〜///」

リオはそれを無視し、「ところで陰気メガネとデカ乳は戦闘は出来んのか?」と飴でそれぞれを指した。

「もちろん!」

「これでもニグレよ!」

と強気で返事した。

「でもエリザちゃん、昨日殺られそうじゃなかった?ι」

「うるさいわね!あの時は武器がなかったからよ!」

ロンは「はいはい」と言いながらエリザ が蹴ろうとするのを両手を挙げてなだめた。

「んじゃ、乗り込むか。」

リオは八重歯を見せながら笑い、飴を噛み砕いた。





「イイか?グレゴリは普段は人間に化けながら生活している。そして今回は複数犯だ、気を抜くなよ。」

「ところで、こんな小さな身体のリオも戦闘は出来るんですか?」

店の前でロンは再びリオを挑発し出した。

「お前は陰気メガネから腹黒メガネに変更な。まぁ、冷静に考えて出来なかったらお前達の上司にはなれんだろ?」

リオは嫌味ったらしくロンに反撃した。

「バカばっかりねι」

「うるさい、デカ乳!取り敢えず入るぞ。」

リオは店の扉を勢いよく蹴り飛ばした。



「あの男か。」

リオはエリザに確認しながらモヒカンの男性を睨み付けた。

「えぇ。」

「まだ開店前ですよ!!?」

店のオーナーは慌てながらリオ達を止めた。

「ニグレだ。あのモヒカン男に用がある。邪魔するなら殺すぞ?」

「どちらが悪者か分かりませんよι」

ロンは呆れながらニールに近付いた。

「来るな!」

ニールは眉間にシワを寄せ、大きく口を開けた。そして次第に鋭い牙が生え出した。

「へぇ〜やっぱりグレゴリだったか。」

リオは腰から緑色の袋に包まれた棒付きの飴玉を舐め、「あ、言っとくけど、よっぽどじゃない限り手は出さんぞ?」

「そのつもりよ!!昨日の借り、返させてもらうわよ!!!」

エリザは太ももからナイフを取り出し、ニールに向かって一直線に投げた。

『アノ女カ!!!』

ニールはみるみる内に人間より一回り大きな狐に変貌していった。その姿は2足歩行で、両手の自由が利き、右手には大きな大砲のような形をしていた。そして向かってくるナイフを払い除けた。

「うわぁ!!!化け物!!?」

店のオーナーは腰を抜かして倒れた。

『邪魔スル奴ハ殺ス!!!』

ニールはそう吠えると後ろから10体の灰色の狐が現われた。

『マズハ女カラ!!!』

ニールが指揮を取り、3体の狐がエリザに向かって飛び付いた。

「昨日とは違うって言ったでしょ?」

エリザはしゃがみ込み、飛び込んできた3体の狐の腹に冷静に、かつ適格にナイフを飛ばした。そして刺さったナイフの柄に向かって蹴りを繰り出し、狐の腹を貫通させた。

『グギャ!!!?』

悲鳴にも似た声を挙げ、3体の狐は煙のように消えた。

『グッ!!!』

ニ ールは今度は一気に5体の狐に指示し、もう一度エリザに飛び掛からせた。

「ボクの相手もしてくれないか?」

ロンは眼鏡を外し、先頭で飛び掛かってきた狐の顎に右の掌で思いっ切り突いた。次に飛び込んできた狐を左膝で、その反動を使って、3体目の狐に回し蹴りを、4体目には裏拳で、最後の狐には再び掌で狐の顎を振り抜き、一瞬で煙のように消えていった。その華麗な動きによってロンの三つ編みはしなやかに揺れていた。

「ふ〜……!!!」

一息つき、ロンは眼鏡をかけた。

「人間、ナメるなよ?」

『畜生ッ!!!ナラアノガキダケデモ!!!』

ニールは残り2体の狐と共に突っ込んだ。

「何だ?………オレに来るのかよ。」

リオは掌を向かってくるニール達にかざした。

「まぁ、それぞれの実力も分かったし、イイか。」

『甘イナ!!!』

ニールは何かあると察知し、先に2体の狐を突っ込ませた。

『(攻撃シタ瞬間ニ殺シテヤル!!!)』

「あぁ、悪い……そのまま飛べよ。」

その声と同時にリオの掌から突風が吹き荒れた。

『何ィ!!!?』

2体の狐は煙と消えたが、ニールは大砲のような手で全体を隠し、耐え抜いた。

「へぇ。」

リオは素早く移動し、ニールの頭上へと飛んだ。

『空中ジャァ避ケキレネェヨナ?』

ニールは頭上にいるリオに大砲を向けた。

『喰ライヤガレ!!!』

大砲は光を帯び、上空に向けて放たれた。その威力は凄まじく、天井に大きな穴が開いていた。

「「リオ!!!?」」

「発射までのタメが長いな。」

リオはニールの懐に潜り込んでいた。

『クソ〜!!!?』

リ オは思いっ切り拳を握り締め、脇腹に放り込んだ。その威力でニールは入り口の方まで飛んでいった。

「しまった!」

エリザは店のオーナーが危ないと走り出した。

「止まれ!!!デカ乳!!!」

リオは大きな声を挙げた。

「──え?」

エリザが止まろうとした瞬間、店のオーナーはニヤリと笑い、エリザの太ももに噛み付いた。

「アッ!!!?」

エリザは痛みに耐えながら、ナイフを目に差した。

『グギャ〜!!!?』

既にオーナーも狐へと変貌しており、目を押さえていた。

「エリザちゃん!」

ロンはまだ煙になっていない狐に蹴りを入れ、とどめを刺した。

「チッ……肝心のモヒカン狐には逃げられたか。」

リオも入り口から外へ出て、辺りを伺うももうそこには既に誰もいなかった。

「大丈夫?エリザちゃん」

ロンはエリザに肩を貸し、支えになっていた。

「ありがとう。またミスしちゃった」

苦笑いしながら、顔をしかめていた。

「処置が必要だ。取り敢えず戻るぞ。」

「「はい。」」





『クソ……クソクソクソクソクソ!!!!!!』

ニールはリオに殴られた脇腹を押さえながら、裏路地で喚いていた。

『クソガキメ……何テ威力ナンダ。』





署長も連絡を聞き、医療室へ駆け込んだ。

「エリザは!!?」

「骨は大丈夫ですが、ヒドい怪我です。」

ロンはエリザの怪我の具合を説明した。

「すいません。オレの監督責任です。」

珍しく、リオは謙虚な姿勢だった。

「大丈夫よ。私なら平気!」

エリザは上半身を起こし、笑顔を見せた。

「あぁ。悪いな。」

リオは腑抜けた返事で、その部屋から出ていった。

「何よ!デカ乳くらい言いなさいよ……。」

「そうだね……。」

ロンも言葉が見つからず部屋を出ていった。

「みんな、アンタが心配なのよ。この罪な女ね。食べちゃうわよ?」

「いや、止めてくださいι」

エリザは苦笑いするしかなかった。



「リオ!」

ロンは後ろ姿のリオに声を掛けた。

「どうした〜、腹黒メガネ。」

「捜査、するんでしょ?」

「何だ、人の心まで読む趣味あんのか?」

「ありませんよ。ボクも油断してました。自分が情けない!もう誰も目の前で傷付かせないと誓った筈なのに!!」

「……なら、行くぞ、腹黒メガネ!」

「はい。」





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