トライ 2
「明日に会うことになった。」
これが天野から戻って来たメールだった。早速、メールを返した。
「よかったね。まだ会ってくれるんだったら、脈あるよ」
よかった・・・そう思った携帯を閉じようとした。その時、目に入って来たのは時間・・・そう・・・毎晩のようにかけている時間帯だった・・・かけようか?ふと拓海の言葉が甦ってきた。
「あとでかけるから・・」
その言葉を最後に仲直りの電話は終っていた。いつもならかける私だったが・・・今日は、電話を待つことにした。しかし、いくら待っても拓海からの電話は来ない。時刻も25時・・・
「どうしたのかな?」
携帯を枕元に持っていき、じーっと見ているが全く鳴る気配がない・・・こうして知らぬうちに私は眠りについていた。
翌朝・・・私を叩き起してくれたのは携帯だった。拓海からの電話と思っていた私は何も考えず
「もしもし?」
「・・・・」
相手からの返事がない・・・・もう一度話しかけると
「もしもし?拓海なの?」
「・・・・」
まだ返事がない?どういうこと?拓海にしてはおかしい・・・けど、拓海からの電話と信じていた私はもう一度聞いてみた。
「拓海?どうしたの?」
するととんでもない声が耳に入って来た。
「拓海ですって?あんた誰よ!!」
それは女性の声だった・・・しかも、相手は激怒していた。そして、暴言を私に浴びせてきた。思わず携帯を切った私・・・驚きのあまり・・・最初の一言しか覚えていなかった・・・すると再び携帯が鳴り出した・・・どうしよう・・そう迷っているとそこには拓海の文字が・・・怖いけど・・・とることにした。
「も・・・もしもし・・・」
「あ・・・さとみ?どうしたんだ・・・なかなか出ないで・・」
いつもの拓海の声がしてきた。