プロローグ 3
い・・・痛すぎる・・・その言葉・・・私の表情からは一瞬で笑顔が消えた。そんな私を見てか見てないか・・天野は、何のためらいのもなく・・・突っ込んできた。
「だから・・彼氏くらいいるんだろう?」
「え・・・」
言葉に詰まった私は思わず生唾を飲んでしまった。
「どうしたの・・」
この間、別れたの・・・なんて言える訳もなく・・・言葉が出てこない・・・
「わ・・・私・・・」
やっぱり言おう別れたと・・・そう観念した時、天から救いの手が伸びてきた。
携帯が鳴ったのだ。
「あ・・ごめん・・」
そう言って携帯を見ると驚いた。それは別れたばかりの拓海の文字が目に飛び込んできたからだった。
「とらないの?」
天野の言葉に促されるように私は携帯をとった。
「もしもし・・」
「さとみか・・・」
「あ・・うん・・」
「この間は・・・ごめん・・・どうにかしていた・・・」
「ううんうん・・・わたしこそ・・」
こうして私は彼と仲直りをした・・・携帯を両手に挟んで前を見ると頬杖を付いて私のほうを見ている天野しかもその笑みは?と聞きたくなるほど・・・けど、私のほうも満面の笑みがこぼれていたに違いない・・・
「ふ~ん・・・うまくいっとるんや」
「あ・・・それは・・・」
私が再び言葉に詰まった時、今度は天野が合掌をしてこう言って来た。
「頼む・・・俺にその秘訣を教えてくれ・・」