春一番・・・1
舞の爆弾発言を聞いてから家に着いた私は、まとまらないジレンマに忙殺されていた。―――今更どうしろって言うのよ・・・だいたい、天野が悪い・・・だってそうでしょう・・・どう考えても、最初の時は・・・お互い針路が決まった後よ・・・確かに受験もあったけど・・・文化祭が終ってしばらくしてくらいで言ってくれれば・・って・・・思わず枕を抱きしめていると・・・失敗だったのかな・・・チラッとよぎる後悔の影に思わず首を横に振った。そうよ・・だいたい・・この間なんか、振られたばっかりの私にあんなこと言う?しかもいきなり付き合わないかなんて・・・そんなグダグダした考えが脳裏を永遠と駆け巡っていた。
そして、翌朝、春一番がふいた。その強烈な雨風が私にも容赦なく襲い掛かってきた。会社に着くと、ずぶぬれで・・・下着までぬれて・・・どうにもならない・・・とりあえず制服に着替えたけど・・・気持ち悪い・・・そんな状態で午前中を何とかこなして、迎えた昼休みに再び春一番が私を襲ってきた・・・別な意味で・・・
「そういえば・・・」
弾む会話の中、最近の彼氏との動向を私に振るのは禁句・・・そんな同僚の会話が途切れた瞬間、同僚達は思い出したかのように会話をやめた・・・・・・微妙な空気が流れている・・・変に気を使って、目の前の一人は、隣の人を肘でつついた・・・遅いって・・そう思った私が
「いいわよ・・・別に・・・終ったことだし・・・」
「あ・・・さとみ・・ごめんね・・」
謝れる方がよっぽど惨めなんだけど・・・と言いたいけど・・・それをにこやかに引きつった笑顔をしている私の目の前から何故か一人・・・また一人と席を立っていった・・・どうしたんだろう?そう思っていると最後の一人が席を立った。
「さとみ・・・ちょっと用事があるから・・・」
「あ・・そう・・・」
そんな彼女を見送ることもなく、私が目の前の食事に目をやった瞬間だった。
だん!!
机を叩く大きな音と共に目の前の食器が数ミリ宙に浮いた・・・そんなことに驚いて、その手の主を見るとそこには
あ・・・あまっち?
声に出せないでいたが・・・ふと見ると顔は天野に似ているけど・・・よく見ると女性?だよね・・・・そう・・そこには、天野に似た姿の女性が立っていた。
「ここ・・・あいている?」




