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落し物  作者: Seabolt
22/35

憂鬱な日々   2

あの日から何回か拓海から電話があった。けど・・・私は一度もそれをとらなかった。メールが入ってきても見る気も起きなかった。しかも、月曜日からその回数は徐々に減っていき、木曜には電話自体も掛かってこなかった。そのことが私を余計に惨めに感じさせた・・・拓海にとって私ってこの程度だったんだ・・・バタバタとした日常に追われ家に帰ってくると、抜け殻のようになった私、何もする気もなく、ただ、ベットの上で、BGMのように流れているテレビをその内容も分からないまま、呆然と眺めていた。そんな金曜日、携帯の着信を見て目が点になった。そこには舞の文字が・・・もう・・・どうでもいいや・・・そんな思いが結局とることすらなかった。携帯が鳴り止んだかと思うと再び舞の文字が・・・もう一度ほっておくと・・・また鳴り出す・・・そんなことを数回も繰り返された私・・・いい加減に頭にきた。


「いい加減にしてよ!!舞!!」


取った瞬間に私がはなった一言・・・次の瞬間、舞は倍返しで叫んでいた。


「何言ってんのよ!!この裏切り者!!人の彼氏を盗っておいて!!」


その叫び声に思わず携帯を耳から遠ざけたけど、そんな舞の態度にぶち切れの私は思わず叫び返してしまった。


「そっちこそ何言ってるのよ!!盗ってないわよ!!大体何よ、浮気していたくせに!!」


「え?」


舞の言動が一瞬で止まった。これ幸いに私は


「言いがかりはよしてよ!!わたし・・・あなたの相手している暇ないから!!」


そう叫んで携帯を切った・・・・ったく・・・一体なんなのよ!!本当に頭にくる!!そう思った私だけど、半分舞に八つ当たりで来たことが、少し冷静さを取り戻させた・・・そういえば、舞・・・変なこと言ってたわね・・・人の彼氏って・・・天野あまっちのこと?を私が?全く理解できない・・・ま・・・彼女も浮気していたんだから自業自得よ・・・そうよ・・・手に握っていた携帯を机の上において、風呂に入った。


しばらく、久しぶりにゆっくりと湯船に浸かっているとこの一週間の疲れがどっと出たのだろうか。気付かないうちに寝ていたんだとおもう。そして、夢の中、暗闇の中に遠のいて行く拓海と見知らぬ女性の姿を追いかけていた。次の瞬間、水の中で溺れた・・・


な・・・なんなの?体をじたばたさせているとゴンという鈍い音共に肘に激痛が走った。


ぶはーーー!!


そう・・・眠りこけていた私は、風呂の中で溺れていた・・・情けないことに・・・


憂鬱な気分が再び私を襲ってきた。そんな気持ちのまま、部屋で横になっていると再び携帯が鳴り出した。表示を見ると拓海からだった。・・・けど・・・まだ・・・この電話を取る気持ちになれない・・・しばらく、鳴り響く携帯をじっと見つめているとやがて鳴り止んだ・・多分、留守電になったんだろう・・・でも・・・今まで拓海は留守電に言葉を残したことがなかった。活動をやめた携帯を手にした私、何気なくとって開いてみたら・・・着信だらけ・・・って?あの舞との喧嘩の後、その数、約40件、その大半は舞からだった・・・そして、さっきの拓海と・・・えっ?天野あまっち?と驚いている時に再び携帯が鳴った。


わ!!


しまった・・・


急になった携帯に思わず、通話ボタンを押してしまった。


「もしもし?俺だけど・・」


た・・・拓海からだった・・・


「・・・・」


「さとみか?」


「・・・・」


何も答えることが出来ない・・・震える手と・・・何を言っていいのか・・・脳は膠着状態でその機能を全く発揮してくれないというか、拒絶反応全開!!で・・・


「なぜ・・・何も言わない・・」


「・・・・」


「一体どうしたんだ!!」


「・・・・」


「いい加減に答えろよ!!!」


拓海の大声にビクッとなった・・そして、ポロリと


「ごめん・・」


そう言うと思わず携帯を切ってしまった。そして、次の瞬間、再び携帯が鳴り出した・・・しかも・・・拓海から・・・あれから数度となく、携帯は鳴っては、止まりを繰り返した挙句、あきらめたのか・・・着信は鳴らなくなった・・・私は、憂鬱なまま、眠りに付いた。


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