でーと・・・4
「なにすん?・・・ん~」
天野の手で口を塞がれた私・・・これって?と驚いていると彼の声がしてきた。
「しっ!!」
しって?どういうことよ・・・驚いて、彼の後ろから通りを覗くとそこには舞が・・・別の男と楽しそうにしていた・・
「やっぱり・・・」
そう呟いた天野は彼女が通り過ぎるのを待っていた。未だに口を塞がれたままの私、思わず塞がれた口で彼の手を噛むと
「イテ・・・」
そう言いいながら彼は私を解放してくれた。そこには、何故かにこやかな笑顔を見せる天野の姿が・・・そんな彼の姿を見て思わず叫んだ。
「何やっているのよ!!」
「まいったね・・」
そう言うと天野は私から目をそらした。けど・・・その表情には悲しみと言うよりなんか安堵をしているような・・・そんな雰囲気をかもし出していた。
「参ったねじゃないでしょう!!早く!!」
私は思わず天野の手を引っ張り彼女の方へ走り出そうとした時だった。彼は私の手を振りほどいて
「いいんだよ。」
そんな彼のほうを振り向いた私思わず叫んだ。
「いいわけないでしょ!!」
・・・そして、通りに出ると二人の姿はどこにもなかった。思わず天野の方を見て
「どうするのよ!!」
「いいよ・・別に・・・」
何言っているのよ!!そう叫んだかどうか思い出せないけど、私は通りに駆け出し二人を探した。
しばらく走り回っているとあるホテルで前に目が止まった・・・そして、その光景に私は愕然とした。それは拓海と見知らぬ女性がまさにホテルに入って行く瞬間だった。信じられない光景・・・中に消えて行く二人の姿に・・・声を出すことも出来ず呆然と立っていると天野が私の肩をポンと叩いてくれた・・・そして、私はその場から逃げた・・・どこをどう走ったかは憶えていないけど・・・気が付くと・・・一人・・・どこかの公園のベンチに座って泣いていた・・・やがて、呆然とベンチに座っていると聞き覚えのある声がしてきた・・・
「大丈夫か?」
その声の主は天野だった・・・
大丈夫なはずない!!
ほっといてよ!!
一人にしといてよ!!
ただひたすら泣き続けていた・・・時折、天野の優しい声を片手で突き返しながら・・・やがて・・・日もどっぷり暮れ、ようやく落ち着いた私は、ボーッと目の前を見ていた・・・そんな私に
「落ち着いたかい?」
「えっ?」
天野の声がしたのに驚いていると俯いままの私の顔を覗き込んできた・・・そして、立ち上がって、私の頭を軽く撫ぜた・・・何も言うことが出来ずただその場に座っている私に
「送るよ・・」
「えっ?一人で帰れるわよ」
「いいから・・・」
「あ・・ありがとう・・・」
ちょっと彼のやさしさに甘えてしまった・・・




