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Epilogue of erased truth

 真っ暗な部屋の中で、缶ビールを開けた。写真立てを持って、ベランダに出る。広場は煌々(こうこう)と明かりがつき、人の声が聞こえる。賑やかは夜になっても衰えてないようだ。

 写真を手摺りに起きながら、ビールを一口飲む。

「今日は疲れたよ」

 榊は写真に語り始める。

「銃弾が飛んでくるわ、車は転がるわ、RPGで狙われるわで大変だったぜ」

 また一口飲む。

「でも、この仕事は続けたいと思ってるよ。君は反対するだろうけどね」

 写真を見ながら笑みを浮かべる。

「愛してるよ」

 ドアがノックされた。

 榊は振り返り、写真立てを元に戻す。ブローニングを持って、ドアの横に行く。

「誰だ」

「俺だよ、大島だ」

 それを聞いてブローニングをスボンの間に挟んで、明かりをつけた。それからチェーンとロックを解いて、ドアを開ける。

「ハッピーバースデー!」

 ドアを開けるなり、大澤と清水がクラッカーを鳴らしながら突撃してきた。その後ろから野村とリンダ、大島に水谷が入って来る。

 そこでようやく今日が自分の誕生日である事を思い出した。

「すっかり忘れてたよ」

「だろうと思ったよ」

 大澤が椅子に座りながら言った。

「ほら、ケーキも用意した」

 野村がケーキが入った箱を持ち上げて見せた。

「ビールも食い物も全部だ。今日は派手にやるぜ」

 清水がテーブルにてきぱきと準備する。

「まあ、汚いけど座って座って」 大澤がリンダを招く。

「お前が言うな!」

 榊が突っ込むと笑いが起きた。

「今日はよくやってくれた」

 大島が腕を回しながらそう言った。

「それでな。今後もお前達に仕事をやってほしいと思うんだが」

 大島が部屋の皆を見渡しながら言うと、清水がリンダに腕を回してこう言った。

「あたしは別にいいよ」

「私も」

 清水とリンダが笑い合う。すっかり打ち付けているようだ。

「俺もいいっすよ」

 大澤が缶ビールを開けながら。

「構いません」

 野村も大澤に続く。

「お前はどうだ?」

 大島が聞くと、榊は苦笑いしながら頬を掻く。

「どうって。俺だけ断るのも変な話ですからね」

「よぉーし! そうと決まれば今日は拓の誕生日であり、チーム結成日だな!」

 清水が缶ビールを榊に投げる。それを受け取ると、それぞれ皆缶ビールを手にして榊の合図を待った。

「よし! 今日から俺達は“クレイジー・バスターズ”だ!」

 缶ビールを高らかに上げて言った。

 “クレイジー・バスターズ”の誕生の瞬間だ。


     *   *   *


 ロールスロイスの中で男は夕刊を見ていた。今日起きた事件が一面を飾っている。それを見た男は太い葉巻をくわえた。すると、横からジッポが出された。

「石田は死にました」

 淡々とした口調で言いながら火をつける。葉巻の香りが車内に充満していく。

「所詮あいつはチンピラだったんですよ」

 ジッポをしまいながら話す。それを聞いた男は鼻で笑った。それから葉巻の香りを堪能しながら、夕刊を畳む。

「奴ら“クレイジー・バスターズ”と言うそうだな。名前通り、本当にいかれた奴らだ」

 すると、男は声を出して笑い出した。

「大島の奴め。なかなか面白い事をしてくれる」

「今すぐ消しますか? 俺なら簡単に……」

「まあ、待て。今は早過ぎる」

 それを聞いた男は舌打ちをした。

「機会をじっくりと見るのだ。その時がきたらお前にやってもらう」

「そうでなかったらあんたを殺す」

 また笑い出した。

「お前は本当に面白い奴だ。安心しろ、期待を裏切るような事はしない」

「だと言いけどな、副総監」

 ここまで読んで下さった方、本当に感謝いたします。

 久しぶりの新作という事で、自分が楽しめる作品を目指しました。結果は大いに楽しめました。それに東日本大震災の事もあって、エンターテイメント性を高くしたいなと思いまして。自分の趣味全開でノリと勢いで書いた作品なので皆さんが楽しめる作品ではないかもしれませんが、楽しめた方がいたら幸いです。それなりに一生懸命書いた作品なので。

 一応続編も考えています。人気がでるとは思いませんが、ひっそりと書いたいきます。その時はまた読んで下さると僕としては凄く嬉しいです。まあ、嬉しくない人はいないと思いますがね。

 では、また次回作でお会いしましょう。あるか分かりませんが(^^;

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