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二年に上がりクラス替えがなされると、順平と慎一は同じ教室に割り当てられた。
「やべー、腰痛いわ」
慎一は顔をしかめながら言う。
「何で?」
「何でかって言うと、昨日の夜も彼女とセックス……」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ」
順平が遮るも、最も重要な単語は封じられなかった。
「下ネタしか言えねーのか」
「まあ腰だって平気だけどな。で、どうなの? 順平は彼女できたの?」
「いるわけねーだろ」
順平はぶっきらぼうに言った。
「別に、いなくてもいいけどな」
「かっくいい! 永遠童貞宣言か!」
順平は手にした、厚めの現代文の教科書を頭に振り下ろした。
「ホントいい加減にしろよ」
「あー怖い怖い」