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1-3

当然、3月14日に向けて順平が備えるべきものは何も無い。



しかし順平は、先月チョコを貰った友人の一人、慎一に付き合わされ、デパートの中を巡っていた。



「なあ順平、食い物よりストラップとかの方がいいのかな?」



「知らんわ。勝手にしてくれ」



「食い物ならクッキーとかビスケットだよな。ストラップだと……」



とか何とか独り言を唱えながら慎一は歩く。



「俺、ここに用無いんだけど」



「いいじゃん、彼女がいるわけでもないんだし。部活の無い日は暇だからオナってばっかだろ?」



「声がでかいんだよ、馬鹿」順平は慎一の背中を叩いた。



しかし、暇を見つけては自慰に耽っている現状は否めない。



ちなみに、常に冗談ばかり言う慎一の話だから信憑性に乏しいが、慎一はもう童貞を卒業したらしい。



相手が、そのチョコを渡した女子だ。



「セックス、めちゃくちゃ気持ちよかったぜ」



「だから何なんだよ」



順平は溜め息を漏らした。

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