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黒薔薇の毒婦と言われた悪女イブリンの復讐  作者: 星野 満


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9/9

09. エピローグ 3姉妹の春桜のお茶会

※ 最終話です。

※ 2025/7/1 追加修正済み

◇ ◇ ◇ ◇



 その後イブリンはとっくみあいのケンカをした、ケイティとすぐに和解した。


 ケイティとロイド子爵は結局別れたが、イブリンは傷心の次女のために、お見合いパーティーを屋敷で開催したのだ。

 

 

 何度目かの仮面舞踏会の催しで、ケイティは隣国から来た大学の若い講師と恋に落ちた。

 彼は隣国の公爵家の次男だったので家柄は申し分なかった。

 

 ケイティは22歳。夫になる殿方は28歳。

  

 ケイティにもようやく遅咲きの春が廻ってきたのだった。


 公爵邸の庭の桜たちは堪らなく春を、待ち望んでいたように爛漫に咲き誇っていた。 

 


──ケイティ、あなたちょっと遅かったけど、良いご縁に恵まれたわね。


 イブリンは満足気にケイティと講師が楽しく花見をしている姿を眺めていた。




◇ ◇



 ハートランド公爵本邸。


 穏やかな春の陽光が燦々と降り注ぐサンルーム内。


 窓辺から庭の桜が満開となって、まるで桜花びらの妖精が桜木の周りを漂って見えた。


 

 3姉妹の長女のイブリン、2女のケイティ、3女のアリッサが午後の紅茶を嗜んでいた。



「イブリンお姉様、アンリ様は私の理想とする御方ですわ。あの方の魔法講師は我が国の学生にも評判がいいんですって、ああ、あの方に嫁げるなんて⋯⋯お姉様になんて感謝したらいいかわかりませんわ」


「ふふ、ロイドに婚約解消された時は、あたしの黒髪を数十本抜き取ったくせにね!」


「それは言いっこなしですわ。私だってあのケンカで真珠の耳飾りが壊れて頬を切ったんですから」



「ああ、そうだったわ。ケイティの顔中、凄い血だったから、流石に私も少々やりすぎたと反省したわ、あの時はホントに悪かったわ」


「あら、イブリンお姉様が、私に謝るなんて珍しいこと⋯⋯」


「もう、私だって悪いことしたら謝るわよ」


「うふふ、冗談ですわ。まあ血の割には大した傷ではなかったし、なにせ先に手を出したのは私ですからね、お姉様の大切な髪の毛を抜いて悪うございました!」


「本当、あの時はケイティお姉様が血だらけで⋯⋯ビックリしましたわ。でも頬の傷が残らず治って本当良かったです」

 

 3女のアリッサがにこやかに、ケイティの頬を見つめた。


「あ、イブリンお姉様!まさかあの時、私が抜いた部分は禿にはならなかったわよね?」


 少しからかうようにケイティが言った。


「まあ、失礼な⋯⋯しっかりと生えて来たわよ。見て頂戴、今日のヘアスタイルもとても時間かかったのよ」

 

とイブリンは、豊かな黒髪を高くあげたヘアスタイルを自慢する。


「あははは!」

「ほほはほ!」

 

 今日の3姉妹はとても楽しそうだ。


 彼女たちの楽しい会話が弾んだ春の午後、光の中で和やかに綴られていった。





 その夜、イブリンは息子のユーリに絵本を読んであげていた。


 いつもは乳母が読むのだが、今夜はイブリンは夜会がなかったので、ユーリが眠るまで特別に付き添ったのだ。


 ユーリももうすぐ8歳になる。


 この子も大きくなったわと、イブリンはユーリの頬を撫でた。



「ねえ、お母様。ケイティ叔母様はここからお嫁にいっちゃうの?」


「そうよ、隣国にね」


「僕ケイティ叔母様がいなくなっちゃうと淋しいな」


「そう?」


「うんケイティ叔母様、時々おやつの時間に、僕においしいお菓子をたくさん作ってくれたから」


 ユーリは少しションボリした。


「まあ、ケイティはユーリにお菓子を作ってたの?」


「うん、アップルパイがとてもおいしいの」


「まあ、そうなの」



──驚いた、ケイティったらユーリにお菓子を作ってたなんて⋯⋯あたしに一言も言わなかったわ。



「分かったわユーリ、これからは母がケイティからレシピを教わってアップルパイを作ってあげるわよ」


「ホントに!」


「ええ」


「母様のアップルパイなんて僕、とても嬉しい!」


 ユーリの顔は、ぱあっと明るくなった。


「さ、もう時間よ、眠りなさい」


イブリンはユーリのおでこにキスをした。

「はい、母様、おやすみなさい」


「お休みなさい」





イブリンは子供部屋を出て、自分の寝室のバルコニーから満月を眺めた。


この夜の満月は雲一つなくとても美しかった。





ケイティは来月には隣国の婚約者の所持している屋敷に嫁ぐことが決まった。


一度、隣国を出ると姉妹とはいえ中々会えなくなる。



「ケイティがいなくなると、ケンカ相手がいなくなるから、ちょっと寂しいかもね⋯⋯」


 イブリンは月を見ながら独り言をいった。


 

 末のアリッサも今年で16歳。

 もうすぐデビュタントを迎える。

 

 

──アリッサはケイティと違って、とても気立てがよくて顔立ちも可憐だから、デビュタントでお披露目すればすぐに殿方に囲まれて、彼女が嫁ぐのも時間の問題だろう。



 バルコニーから見える庭園の桜の木々。

 夜ざくらの花びらがヒラヒラと春風に舞っていた。


 

──3姉妹でティータイムで紅茶を嗜むのも、あと何度あるか⋯⋯。



 イブリンは、少しだけしんみりした夜風を感じるのだった。




──完──











※ 最後までお読みくださりありがとうございました。

※ 図々しいお願いですが、最後まで読んでくださった方、「まあ少しだけ面白かったかな」と思ったら★1つでもいいので、ポイントをポチッとして頂けると、今後の励みになります。よろしくお願い致します。


※リアクション、ポイント&ブクマ入れてくださる方、いつもありがとうございます。


※これで「ざまあ」シリーズ5作品共に100ポイントいきました!

やったー(^○^)(^○^)(^○^)!

当初の目標達成しました!

苦手なざまあに挑戦して良かったあああ!


これもひとえにブクマ&評価をわざわざ入れて下さった方のおかげです。

どうもありがとうございました。<(_ _)>

もちろん少しでも読んでくれた方、リアクション入れてくれた方もありがとうございます。


★この作品は新作でなく今年の4月に投稿した短編のリニューアルだったのです。

9000文字→16000文字と大幅に加筆修正しました。

そのおかげでヒロインの描写やざまあするシーンを描けた満足感があります。

悪役をヒロインにとアドバイスしてくれた人に恩返しできたかな(笑)

(短編作品はこの作品とダブルので削除しました)

前よりも倍のポイントになって、ちょっと感激してます。

ありがとうございました。


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