表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

03. 殿方はおおきな胸が好き!

※ 2025/7/2 エピソードタイトル変更&修正済

◇ ◇ ◇ ◇




「あ、あの⋯⋯お姉さまたち、いい加減もう止めましょうよ」

 アリッサは、2人の姉の言い争いに終止符を打ちたくて仕方がなかった。


「その胸元の開いたドレスで誘惑して、妹の婚約者に色目つかう姉がどこにいるっていうのよ!」


「まあまあケイティ、最後まで私の話を聞きなさいよ」


「嫌よ、もう何も聞きたくもない!!」


「いいから聞きなさい!逆にこれで良かったのではないかしら?」


 ケイティの拒否などお構いなしにイブリンは楽しそうに話を続ける。


「そもそも、ロイドってアンダー伯爵の次男だけど、あそこの長兄のアレクセイとは、あたし昔からの知り合いなのよ。アレクセイは『弟はおつむが少々悪い』ってよく愚痴ってたわよ。何でもロイドのすぐ下の弟がとてが優秀らしいわ。だから『次男のロイドには分家の小さな領地しか与えないと父上のアンダー伯爵が嘆いてる』とね、わかったでしょう。結婚したらあなたは貧乏子爵の嫁として苦労するだけよ」



「キーッ、キーッ!(うるさ)いわよ。とにかくお姉様が流し目と、その大きな胸をゆするからいけないのよ!」



「ケイティあなたね、そんなにあたしの胸が羨ましかったら、少しはしっかりと食べて太りなさいよ。ダイエットだかなんだか知らないけどあなた痩せすぎなのよ。スレンダーな女性は確かに見栄えはいいけれど、男の本音はガリガリ女は抱きたくないわよ、殿方は女の顔より胸をまっさきに見るものよ」


「キィーッ、イブリン、それでも貴婦人のいう言葉!」


「あら、本当の事よ」


「お姉さまおよしになって、流石にケイティお姉さまに対してお言葉が過ぎますわ」


 アリッサも珍しくイブリンを(とが)めた。


「ま、ちょっと下品だったかしらね。でも私の流し目くらいで婚約解消っておかしくない?本来なら正式にアンダー伯爵家からうちを通して断って来るものでしょう」


「うっ……まだ家同士までいってないわ。ロイド様と私で決めただけですもの」


「あらら、あなたたち付き合ってどのくらいなの?」


「もうすぐ1年よ。確か去年彼が子爵になった時だから」


「はあ? もうとっくに先方の伯爵家から正式に婚約の話が来てないとおかしくない?さすがに1年は長すぎる。もしかして最初からケイティ、ロイドはあなたを浮気の遊び相手くらいだったんじゃないの」


「な、なんですって──!?」


 ケイティはぶるぶると震えだして目を()いた。



「ケイティお姉様落ち着いてくださいな!」


 アリッサが猛り狂ってるケイティを必死で(なだ)めた。


 

 だが、ケイティは真っ赤な顔をしてイキッていたが、急に思い当たる節があるのか、今度は途端に蒼白になった。


「ああ……でも……もしかしたら……そうかもしれない!」


「え?」


 アリッサが驚く。

  


さっきまでイブリンの言い分に、癇癪(かんしゃく)起こしていたケイティが突然、泣き出しそうな顔になっていく。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ