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四十二章 日対陽

この武神は天照 輝羅々の神骸を基に錬成された。

しかし、使われている神骸の量は一パーセント未満。

少しの毛束が使われている程度だろう。

だが、この神は武神となった。

「抑制解除」

ラーフィアは見せつけるように出す手を握り込みながらそう言った。

すると、赫陽の天輪が砕け散って辺りに濃霧と間違うような濃密な神気が漂い始めた。

「・・・」

梨々香は神刀華炎を握り込む。

「素晴らしい眼差し・・・見られるだけでゾクゾクする」

大戦斧グレイラを握ったラーフィアは梨々香を見て笑みながらそう言った。

神刀華炎を握った梨々香が静かに歩み始めると、大戦斧グレイラを握ったラーフィアが梨々香に向かって走った。

神刀華炎を握った梨々香は大戦斧グレイラを避けてラーフィアの追撃を神刀華炎で弾き返した。

神刀華炎と大戦斧グレイラは激しく打ち合い弾き合い鍔迫り合いをする。

「この程度じゃないでしょう?剣王、華千﨑 梨々香」

大戦斧グレイラを握ったラーフィアは梨々香を見て笑みながらそう言った。

「長らく戦ってなかったのでね・・・腕が鈍ってしまいました」

神刀華炎を握った梨々香はラーフィアを見て笑みながらそう言った。

「何を企んでいる。華千﨑 梨々香」

大戦斧グレイラを握ったラーフィアは梨々香を見てそう言った。

梨々香とラーフィアは激しい鍔迫り合いの末にお互い離れた。

「・・・」

滑りながら止まる梨々香は既に神刀華炎を下段で構えている。

「・・・」

ラーフィアは空中で静止すると、炎・氷・水・雷・岩・風、様々な神気弾を生成して飛ばす。

「天道、隼炎獄道」

神刀華炎を下段で構えた梨々香はそう言うと、黄金色の炎の隼が降り注ぐ神気弾を打ち消しながらラーフィアに向かって飛んだ。

「照赫」

ラーフィアがそう言うと、照赫する大戦斧グレイラを生成して握った。

赫い。確かに赫い。

私が使う照赫化よりも遥かに強いとは・・・この(おそ)()には本当に驚かされる。

照赫する神刀華炎と照赫する大戦斧グレイラが激突する度途轍もない衝撃波が発生する。

再び凄まじい打ち合いが始まると、白砂が融解し始めた。

日震天創(びしんてんそう)

落陽淵崩(らくようえんほう)

日炎万丈(ひえんばんじょう)

天道剛刃(てんどうごうじん)

激しく打ち合った梨々香とラーフィアは滑りながら離れる。

衝撃で得た勢いを使ってラーフィアは飛び上がりながら神気弾を生成して放った。

「剣技」

照赫する神刀華炎を握った梨々香は降り注ぐ神気弾を斬りながら前進する。

「神技」

照赫する大戦斧グレイラを握ったラーフィアは降り注ぐ神気弾と共に梨々香に向かって急降下する。

天照(あまてらす)!!」

照赫する神刀華炎と照赫する大戦斧グレイラが激突した瞬間、梨々香が吹き飛ばされた。

梨々香は地面を激しく転がって仰向けに倒れた。

ラーフィアが放ったこの攻撃も障壁を貫通して確実にダメージを与えるようだ。

あぁ・・・この子は本当に祖母なのだ。

事実から目をそらせる時間は終わった。

認めなくてはいけない時が来た。

このラーフィアは、死星ラーフィアは、私の祖母である天照 輝羅々の魂を糧にその神核を動かしている。

そう思った時、強烈な悲しみが湧いてきた。

それと同時に遠い故郷の名残を感じて安心してしまった己に怒りが湧く。

「・・・ハハハ・・・まさか守りを無視する攻撃を持ってるなんてね・・・今にも死にそうだよ・・・」

鼻や口から鮮血を流し、目から大粒の涙を流したラーフィアは笑いながらそう言うと、片膝を地面についた。

鮮血がぼたぼたと流れ落ちていく。

「・・・」

梨々香は瞼を閉じたまま黙っている。

その時、界が現れて界から神刀赤閃を握った白梅と白翔が出てきた。

「梨々香!」

白梅は梨々香を見てそう言った。

「待て!!」

白翔は白梅の腕を掴んでそう言った。

「・・・」

白翔を見た白梅はゆっくりと両手を広げるラーフィアを見た。

次回四十三章 明けの死星

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