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三十五章 赫聖神顕現、決死の猛攻撃

私が送り込んだ偵察機がラーフィアの所に到着した。

私は偵察機の超高画質カメラからヒルデガルトを見ながら声をかける。

「前を向け、ヒルデガルト」

インカムをつけた梨々香はノートパソコンの画面に映るヒルデガルトを見てそう言った。

「・・・梨々香・・・」

ヒルデガルトは耳についている通信端末に触れてそう言った。

「天照大世はもう戻ってこない。何をしても戻ってはこない」

「どうして・・・どうして僕たちは戦うんだい?故郷へ帰れないなら何のためにこの刀を振るんだ・・・」

ヒルデガルトはそう言いながらうつむいた。

「これ以上大切なものを失わないために戦うんだ。大切なものが詰まったこの世界を護るために刀を振るんだ」

「・・・」

ヒルデガルトはハッとしたように前を向いた。

「この世も誰かの故郷なんだ、ヒルデガルト。私の力を借り続ける限り、この世に生まれて来た者たちを悲しませてはならない」

「・・・」

ヒルデガルトはラーフィアと戦うアイリアたちを見つめる。

「ダイナ・・・」

ヒルデガルトは地面に倒れたダイナを見てそう言うと、ラーフィアに向かって歩み始めた。

「・・・」

ラーフィアは嵐の龍尾でアイリアとミッケを薙ぎ払った。

「動きにくい!!」

冷や汗を垂らすアイリアは大声でそう言いながら起き上がる。

「これ何の術!?死ぬほど厄介なんだけど!!」

ミッケはゆっくりと起き上がりながらそう言った。

「僕の弟子になんてことをしてくれるんだ」

足を止めたヒルデガルトはラーフィアを見てそう言った。

「・・・」

ラーフィアはヒルデガルトを見た。

「・・・」

ヒルデガルトの手から勢いよく離れた最上大業物旭日烈光がヒルデガルトに突き刺さる。

その瞬間、ヒルデガルトは烈光に包まれた。

「ハァッ!!」

ヒルデガルトを包んだ烈光は神気風によって吹き飛び、赫聖神(かくせいしん)と化したヒルデガルトが姿を現した。

「・・・」

赫色眼、白髪ロングヘア。赫色の美しいミニドレスで身を包んだヒルデガルトがラーフィアを見つめる。


烈光乃(れっこうの)赫聖神(かくせいしん)

最上大業物旭日烈光(きょくじつれっこう)の力を一時的に吸収して変化したヒルデガルト。

極めて高い防御力と攻撃力を有するが神核への負荷が高すぎるため長時間姿を維持することはできない。


「・・・」

ラーフィアは降ってくる光の壁を跳ね避けた。

光の壁が地面に激突した瞬間、その部分がガラスのように砕けた。

烈光乃赫聖神はラーフィアを掴んで地面に叩きつけると、思いっきり蹴り飛ばした。

「す、すご・・・」

ミッケは烈光乃赫聖神を見て驚きながらそう言った。

「動きやすくなってる!」

アイリアは両手を見て笑みながらそう言った。

「ダイナを救助する?ヒルデガルトに加勢する?」

アイリアはミッケを見てそう言った。

「どっちもできないだろ・・・今の状況」

ミッケはアイリアを見てそう言うとラーフィアに猛攻撃する烈光乃赫聖神と攻撃を避け続けるラーフィアを見た。

「・・・」

地面に叩きつけられたラーフィアは烈光乃赫聖神の踏みつけ攻撃を回避して神気弾を放った。

神気弾は光の壁に阻まれて烈光乃赫聖神には届かない。

「・・・」

滑りながら止まったラーフィアはふわふわと飛び回り始めた。

烈光乃赫聖神は炎のような神気弾をラーフィアに放つ。

「・・・」

飛び回るラーフィアは神気弾で神気弾を的確に相殺していく。

「逃がさないぞ!ラーフィア!!」

その時、烈光乃赫聖神から光が勢いよく抜け出して最上大業物旭日烈光が地面に突き刺さった。

「はぁ・・・はぁ・・・」

激しく息を切らすヒルデガルトは片膝を地面につけた。

「変身するとは思ってなかった。少し驚いたよ」

ラーフィアはヒルデガルトを見てそう言った。

「・・・」

立ち上がったヒルデガルトは夜空の大翼を広げてラーフィアに向かって飛ぶ。

ヒルデガルトがラーフィアに向かって飛び始めたその時、ヒルデガルトの背中に赫色の雷が落ちた。

すると、夜空の大翼が砕け散ってヒルデガルトが落下した。


次回三十六章 天理照赫の加護が生み出す一撃

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