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二十五章 死星災害

-大陸南部調査記録-記録者:国外調査隊(こくがいちょうさたい)所属(しょぞく)研究員(けんきゅういん)瀬角(せすみ) 柚奈(ゆずな)-

「すごい・・・本当に真っ白だ・・・」

防護服を着た新人調査員が白砂を手で掬い上げて地面に落とす。

「珍しいのは分かるが、あまり長い間触るなよ?」

防護服を着た調査員は防護服を着た新人調査員を見る。

「本当に何もないんですね」

防護服を着た新人調査員は周りを見渡す。

「総員前進!」

防護服を着た調査隊長は神気計測機を持って歩みを進める。

調査隊が車両から離れて南下していく。

「これって何をすれば元に戻るんだ?」

防護服を着た調査員は防護服を着た新人調査員を見る。

「白梅陛下が術を解けば元に戻ります」

防護服を着た新人調査員は防護服を着た調査員を見る。

「痕跡です!」

防護ヘルメットのつまみを調節してレンズの倍率を上げる防護服を着た調査員は大声でそう言った。

「・・・魅惑魔塊だと良いんだがな・・・」

調査隊は痕跡に近づく。

「瀬角研究員、詳細を」

防護服を着た調査隊長は防護服を着た新人調査員を見てそう言った。

「はい」

防護服を着た新人調査員は痕跡に駆け寄って検査装置で調べ始める。

「これは・・・アティアと・・・」

防護服を着た新人調査員は反応を見て首を傾げる。

その時、神気計測機からピーブーピーブーと警報が鳴り始めた。

「車両へ引き返すぞ。一時退避だ」

調査隊は走って車両へと戻っていく。

-記録時間三十八分二十七秒:車両内-

「アティアとなんだ?」

防護服を着た調査隊長はけたたましくなり続ける神気計測機の電源を切って剣を立てかけた。

「・・・アティア+マガミ・・・」

防護服を着た新人調査員は痕跡を見つめる。

「マガミ?」

防護服を着た調査隊長は防護服を着た新人調査員を見ながら座った。

「マガミは近年御所から公開された権能の名前です。幻獣を生み出した権能らしく」

防護服を着た新人調査員が話していたその時、爆風と間違えるような冷気が車両を襲って強化ガラスが一瞬で砕け散った。

「隊長!!」

防護服を着た新人調査員は伏せたまま大声でそう言った。

「車両を壁にして防ぐぞ!!」

流れるように救助要請ボタンを押した防護服を着た調査隊長は大声でそう言うと、防護服を着た調査員たちの腕を次々と掴んで運転席側に引っ張った。

防護服を着た調査員たちは次々と車両から出て車両を遮蔽物にする。

-記録時間四十分五十八秒:死星災害(しせいさいがい)発生-

「あり得ない・・・氷の龍は死んだはずだ・・・」

防護服を着た調査隊長がそう言った瞬間、地面の白砂が赫色に染まった。

「氷の龍じゃない・・・ラーフィアだ・・・」

防護服を着た新人調査員がそう言った瞬間、轟音と共に空に赫色の(ひょう)が広がった。

「これが・・・これがラーフィア・・・」

立ち上がった防護服を着た調査隊長は赫灰色の雹に貫かれて倒れた。

それを見た調査員たちが四方八方に逃げていく。

「・・・」

防護服を着た新人調査員は震えながら車両の下に逃げ込んだ。

-記録時間四十三分三十九秒:映像に動きあり-

カメラが南方剣士団の剣士によって拾われた。

「記録が続いているカメラを見つけました!」

南方剣士団の剣士はミッケを見て大声でそう言った。

「よし」

ミッケはカメラを見てそう言った。

「車両下に一名発見!生存しています」

-記録映像終了-


宿幼決戦から五年経った六月十一日。

大陸南部で赫灰色の雹が降るという異常気象が発生した。

この死星災害と呼ばれる異常気象はラーフィアが発生させている。

私たち南方剣士団は救助要請を受けてここまで来たのだが遅かったようだ。

「低体温症と凍傷がありますが、神気浸食の症状はありません」

南方剣士団の剣士1はミッケを見てそう言った。

「そうか」

ミッケはそう言うと顔のアクリル板が一部損傷した防護服を見た。

次回二十六章 決戦へ

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