(2)
お待たせさまです、二話目です!
ドキドキハラハラおたのしみください〜
しかし、妻の不義が帝の耳に触れた。
私と一部の小間使いだけが知る秘密と思っていたが、知らぬは我ばかり。実は都中がこの醜聞で持ち切りだったのだ。妻は以前より、淫乱との定評があり「ほら見たことか」と、ことの顛末を意地悪く愉しみにしていた女御たちがあまたいたのである。
帝を怒らせたのは、不義以上に御内帑金の件だった。帝は妻を「孟宗竹の刑」に処することにした。
「むごい、あまりにむごい刑です!
そのような拷問ではなく、なんとかもっと軽い刑でご容赦願えませぬか。
あるいは、妻の代わりに、私がなんでも引き受けます。
たとえ、流刑の身になっても構いませぬ。どうか、どうか我が妻をお赦しくだされ」
自分でもこんな浮気女のためになぜここまで言えるのかわからない。しかし、やはり私が自ら選んだ女だ。だから、自分で責任を取りたい、と私は考えたのだろう。
それでも、私の願いが帝に聞き入れられることはなかった。
◇
「孟宗竹の刑」とは——
脚を広げた女を四方を囲む竹に、着物をはだけて縛りつける。そして三ヵ月余にかけて竹林に放置するという恐ろしい罰だ。
何がそんなに恐ろしいかというと、まず無防備な肌を容赦なくヤブ蚊に噛まれる。それに、身動きの取れないところを烏に襲われる——運が悪く、目玉を抉り取られた罪人もいると宮中では噂になった——虞れもある。
だが、それだけでなく、最も女を苦しめるのは地面から生えてくるたけのこの存在だ。
この林ではそこかしこの地面からたけのこが生えてくる。つまりかなり大きな確率で、地に向かってぱっくりと開げられた女陰に向かって、天へと伸びるたけのこが生えてくるのだ。
日々、じわりじわりと伸びてくるたけのこ。
それがやがて女陰へと侵入する。
「どうぞ助けて」、「お赦しを」と悲鳴をあげてもたけのこの成長がとまることはない。そして、徐々に長く、太くなる。
たけのこは、ゆっくりゆっくり、じわりじわりと成長する。
つまり、女陰が裂けるような苦しみが何日も何日も、朝も夜も続くのだ。
ひと思いに果てることのできぬ、生殺しの刑なのである。
つづきます!
明日か明後日には完結編をお届けします。