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008

「何してたの?」


≪みんなと話してただけだよ(笑)気になるの?≫


「別に」


≪(笑)素直じゃないね~。これ書いてたら、気づかれちゃった≫

そういって、舌を出して笑ってた。


「ノート?」


≪うん。みんなの記録。≫


「へぇ~見せてくれるの?」


≪駄目~(笑)≫


「なんだそれ(笑)さて、どこ行こっか。」


≪蓮くんちがいいな。料理出来るんでしょ?何か作ってよ♪≫


「げっ、それ誰から聞いた?」


≪秘密(笑)かなり上手いんでしょ?食べてみたいな~≫


「手伝えよ?」


≪うんっ。やった~≫

ちいは、手放しで喜んだ。


≪私ね。料理とか苦手だったんだ。だから、色々教えてよ。≫


「それはいいけど、毎回俺んち?」


≪ん~それは、やっぱやだよね?あ、何も考えずに言っちゃったけど。彼女さんいるんじゃない?≫


「大丈夫だよ(笑)残念ながら、今はいないし。あっ」


≪何?≫


「そういえばさ、この間、みんながまた飯食いたいって言ってたよ。」


≪そうなんだ。でも、何時になるか分かんないから下手に約束出来ないし≫

そう言って、黙り込んでしまった。


「別に落ち込ませようとして言ったんじゃねーよ。」


≪別に落ち込んでないもーん。蓮くん。ひっかかった~?≫

そういって、笑った。


「ちい、我慢するなっていつも言ってるだろ?」

そういって、ほらっ。ってちいを引き寄せた。


≪・・・≫

声を上げることはないが、体を震わせて泣いていた。

蓮だけに見せるちいの本当の姿。


しばらくして、顔を上げると涙は止まっていた。

≪へへっ。私もまだまだだね。少しは強くなったと思ったんだけど。≫


「そう簡単に強くなれるわけないし(笑)」


≪もうっ。ほら早く作ろうよ。っていうか、何作ってくれるの?≫


「うちで作るって思ってなかったから、そんなに材料ないなオムライスでいいか?」


≪うんっ。(レシピノート作ろうかな♪色々教えてもらっちゃおう)≫


「ほれ。出来た。食うぞ?」


≪美味しそう~≫


「美味しそうじゃなくて、美味しいの(笑)」


≪自分で言っちゃった(笑)どれどれ。いっただきまーす≫


「どうぞ(笑)」


≪美味しい~(´▽`)あっ、いいこと思いついた!≫


「何?」


≪ふふふっ≫


「気持ちわるっ(苦笑)」


≪皆の家行こう?そこで、ご飯作るっ≫


「俺が?」


≪私が?≫


「作れるの?(笑)」


≪手伝って♪メンバーの家に行くまでにお教えてもらうしっ≫


「きっと、ちいが作る方がいいよ。みんなが喜ぶ。」


≪じゃぁ、助手ってことで。蓮くんに手伝ってもらおう♪≫


「やらねーよ(苦笑)メンバーが喜んで手伝うから(笑)俺は毒味してやる」


≪ひどっ。絶対美味しいって言わせてみせるっ≫


「楽しみにしてるよ(笑)」


★★


それから、1ヶ月ぐらい。

俺は、ちいに時間が許す限り料理を教えた。

本当に、苦手らしく見てて危なっかしかった(苦笑)

まぁ、ちい自身の腕前とはるだからっていうのもあるんだろうけど、でも真剣だった。

メキメキと腕を上げたんだ。


「そろそろ、メンバーに披露する?」


≪どうだろう。まだ自信ないなぁ(苦笑)レパートリーは、お陰様で増えたけど。≫


「俺だけじゃなくて、みんなに食べてもらわないと、本当に美味しいか分かんないじゃん。」


≪そうだね。じゃぁ、今度やっちゃおうかな?≫


「おっけー。じゃぁ、みんなに一応言っとくよ。ちいからは、言いづらいだろ?」


≪大丈夫だけどね。そこまでしてもらうと、これからもっと甘えちゃうよ?≫


「(笑)どんどん甘えればいいんだよ。俺もあいつらもそれを望んでるんだから」

そう言いながら、照れてた。


≪(笑)分かった。ねぇ、蓮くん。色々ありがとう。≫


「何を今さら改まって。」


≪気づいてるんでしょ?なんで料理教えて欲しいって言ったのか。≫


「俺に美味い飯食わせてくれるからだろ?(笑)あ、ノート見せてよ。」


≪ノート?≫


「作った料理、ノートに書いてるんだろ?」


≪うん≫

ちいがノートを渡すと、蓮は今まで作った料理を見ていた。


「結構作ったな~」


≪そうだね。≫


「アレンジとか色々出来るから、レパートリーもっと増えるよ。」

そういって、書き加えた。


≪ありがとっ≫

涙ぐんで言葉が詰まってしまった。

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