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「はるとさ、初めて会って。みんなと家族になろうって話したの覚えてる?」


『はるとちいにそれぞれ言ってくれたんだよね。あの時は、本当に嬉しかった。だから、はるにとってみんなは家族だよ。(一人をのぞいては)』

最後は、小声だった響には、なんて言ったか聞き取れなかった。


「なんて?」


『ううん』


「俺は、絶対守ってやるって決めたんだ。愛されない人なんていないから。」


『そうかな』


「はるのお父さんとお母さんだって、はるのこと愛してるんだよ?」


『でも、みんなの幸せを奪った。だから、愛される資格なんて・・・』

全部は言えなかった。


響に、抱きしめられたから。

「でも、ちいが出てきてはるを救った。それって、愛されてる証拠でしょ?」

はるは、黙ってうなづいた。


「はるのご両親だって、心の中では愛してるんだって。でも、ちょっとだけ道を間違っちゃったんだ。」


『道を間違えちゃったの?』


「どうやって今まで歩いてた道に戻るのか、さまよい歩いてる最中なんだと思う。長い長い時間をかけてね。」


『少し分かった気がする(苦笑)』


「良かった」


しばらく沈黙が続いた…

「それから、俺ははるのこと家族と思ってないんだ。」

そう聞いた瞬間、はるは力が抜けそうになった。


『えっ?家族じゃないの?』


「うん」

はるは、響から離れようとした。

でも、離れられなかった響がより強く抱きしめたから。


『離してっ』


「嫌だっ。」


『だって、はると家族じゃないんでしょ?それって愛されてないってことでしょ?』


一瞬、響の目が点になった。

と、同時にクスクス笑い出した。

『なんで笑ってるの?』


「やっぱり、気づいてなかったんだ。鈍感なはるちゃん(笑)」


『??』


「まぁ、ひたすら隠してきたからね。ちいと蓮君がいるし」


『何?』


「はる?まだ、言う時じゃないと思って黙ってた。でも、言うね。ちゃんと聞いてよ?」


『うん』


「俺は、はるのこと家族だとは思えない。いや、思ってないことはないんだ。でも、みんなとは違う。はるのこと、一人の女性として見てるから。」


『えっ?』

ちょっと混乱してるぽい


「やっぱ、こんな時に言うことじゃなかったか(苦笑)」


『ほんとに?』


「ん?こんなこと、嘘つかないよ。本当は、誰とも接して欲しくないぐらい(苦笑)」


『知らなかった』


「そりゃそうだよ。だからはるは、今までどおりでいいんだ。俺が勝手に思ってるだけだからね。忘れて?」


『やだっ』


「えっ?それはどういう意味かな?はる」


『わ、私も同じ気持ちだから』

小さい声だったけど、ちゃんと聞こえた。

でも、聞き返した。


「聞こえなかった。もっかい言って?」


『無理っ』

顔が真っ赤だった(笑)


「お互いに、思いあってたんだね。」


『でも、誰にも言えないね。』


「そうだな。今はね。」

とりあえず、今までどおりしような。

あとは、成り行きでさ、変に隠すのもよくないし。


「蓮君、ひとりにして置きすぎちゃったね。戻ろう。」


『うん。』

そうして、二人は戻った。


「はる。もう遅いから寝な。」


『響ちゃんは?』


「もう少し起きてるよ。」


『分かった。蓮ちゃんのこと心配だから、何かあったら絶対起こして?』


「分かったよ。俺もそばにいるから。おやすみ。」


『おやすみ』

隣のベットに休ませた。



まだ、言うつもりなかったのに言ってしまった。

まぁ、はるの気持ちも分かったから嬉しかったんだけど、状況的に何か複雑(苦笑)

なんにも状況を知らない人達から見れば、はるを蓮君と俺が取り合うって関係だしな。

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