036
「蓮さん。ちい戻ってくるの遅くないですか?」
「戻ってこないかもしれない。でも、何処に行くかはちゃんと伝えろって言ったけど」
「ならいいんですけど、何処にいるか分かるんですか?」
「うん。」
★★
「蓮君。ちょっといい?」
仕事が終わって落ち着いた頃、そろそろちいを迎えに行こうとした時、響が来た。
「何?」
「ちいは?」
「ここにはいないよ。なんで?」
「やっぱりいないんだ。さっきさ、澪君が屋上の方に行ったの見たって言うから気になって」
「知ってる。響、もう仕事終わった?」
「終わったけど何?」
「ちょっと大事な話があるんだ。ちいを迎えに行った後、ちょっと二人で話したい。」
「分かった」
そうして、屋上に迎えに行った。
★★
「ちい?」
『蓮ちゃん?』
「はる?」
『うん』
「いつからそこにいた?」
『ついさっき。気がついたらここにいたの。』
「そっか。戻ろ?」
『あのね。澪君達に会いたい。蓮ちゃんいい?』
「もちろん(笑)行こうか」
★★
「響くん。ちょっといい?」
澪くんに声をかけられた。
「はい?」
「今日は、蓮君とこだよね?」
「そうですね。」
「だよね」
なんだか、納得のいかない顔をしている。
「なんですか?」
「いや、僕の勘違いだったらいいんだけど。ちいちゃんが一人でいたんだよね。」
「一人の時ありますよ?」
「何かね。泣いてるぽかった。」
「えっ?」
「屋上に行くみたいだった。俺なんか、追いかけれなくて」
「分かりました。教えてくれてありがとうございます。後で、蓮君とこ行ってきます」
そういって、ようやく仕事が一段落した所で、蓮君のとこ行ったんだ。
少しだけ話したら、蓮君はちいが屋上へ行ってることは知ってた。
で、話があるって、澪君が泣いてたっていう理由が分かるのかな。
『澪ちゃんっ。』
「はる?」
『遊びに来たよ~お仕事もう終わった?』
「終わったよ(笑)おいで」
『響ちゃん達、後で迎えにきてね♪』
【了解(笑)】
そう言って、はるは部屋に入ろうとしたが一瞬立ち止まって、また響達の所に行ってしまった。
「?」
『蓮ちゃん』
「どした?」
『ちょっと耳かして?』
蓮君は、はるに合わせてしゃがんだ。
そして、はるはこそこそっと何か喋った。
蓮君は表情すら変えなかったが、一瞬ピクリと反応していた。
「分かった。はるにもちゃんと言うから。」
そう言って、頭を撫でた。
すると、また部屋に戻っていった。
「おかえり(笑)」
『たっだいま~』
何事もなかったようにいつものはるだった。
「(気のせいかな)」
『響ちゃんと蓮ちゃんで、お話があるんだって。だから、終わるまで遊んで?』
「いいよ(笑)今日はみんないるしね。」
『(´∀`)わーい』
「おっ、はる~いらっしゃい。」
『朔弥くーん。』
二人は、仲良し~ぎゅーってはぐする(笑)
「あっ。はる~」
『^^』
「はる?無理して、枢んとこ行かなくてもいいよ(苦笑)」
『うん』
「なんで??」
『だって、ぎゅーってやったら、離してくれないから。(´д`)ヤダ』
「ひどっ。俺の愛情なのに。」
「長いんだよ(笑)」
「だって、離したくないもん」
そう言って、はるに近づく枢(笑)
後ずさりしてるはる。
「枢。ほどほどにしなよ(苦笑)」
そう言われて、渋々離れた。
『やっぱ、朔弥くんとこがいい』
そう言うと、隣に座った。
「ちぇっ」
「はる、はい」
『わーい。ありがと。』
「誰も取らないから(笑)ゆっくり食べな」
『(もぐもぐ)』
うなづいた。
「今日は何してたの?」
『今日?なにもしてないよ?だって、さっきまでちい姉だったから』
「そうなんだ」
それっきり、黙ってしまった。
最近は、切り替わった時の感情が分かってたり、お手紙を残しあったりしてるんだって、この間言ってた。
「はる?ごめん」
『ううん。なんで謝るの?(笑)』
「変なこと聞いちゃったかなって」
『全然?』
そういって、笑った。
『響ちゃん達遅いね~』
「何?」
「響君と蓮君が、何か話してるって。」
「そうなんだ。様子見に行く?」
『行かないよ。待ってるって言ったし。今日はなんか疲れた。なんでかな』
目をこすりながらそう言うと
「終わったら、起こしてあげるから寝てな?」
『うーん。でも』
そう言いながら、やっぱり眠いのか目をこすっている(笑)
「あ~はいはい。俺の膝枕で寝なさいって(笑)」
半ば強引に寝かせたら、案の定すぐ寝てしまった。
「はる~?」
と、ほっぺたつついてみたけど反応がない。
「澪。何かあった?」
「えっ?」
「響と蓮で何か話してる時点で、もうおかしいし。澪の様子も変だし。なによりも、はるも変だからな(笑)」
「枢さん」
「嫌でも気づくって(苦笑)はるの手前、言わないけどな。」
「俺の勘違いだといいんですけど」
と、さっき見た光景を全部話した。
「何があったんですかね」
「さぁ。響君か蓮さんから、聞くしかないと思うけどね。」




