030
気が付けば、ちいちゃんがいなかった。
お手洗い?でもそれにしてはずいぶん長い間いないような。
みんなは気づいてるのか気づいてないのか分からないけど、俺はこっそり外に出た。
辺りをきょろきょろ見渡すと、見つけた(笑)
「ちいちゃん?」
≪ん?≫
「どした?」
≪郁さん。ちょっと酔っちゃいました(笑)≫
「俺らすごい飲むからね(笑)ごめんね。」
≪大丈夫ですよ。外に出たら、少し良くなったから。≫
「今日はありがとね。みんな喜んでた。」
≪いえ、私に出来るのはこれぐらいしかないし≫
「そんなことないでしょう。誰かそんなこと言った?」
≪ううん。誰も≫
「みんな言わないだろうけどさ、ちいちゃんとはると絡めるようになって喜んでるんだよ(笑)」
≪ほ、ほんとに?≫
「そりゃそうだよ。どっちかにしか会えないのは、寂しいじゃない。俺も、ずっとちいちゃんに会いたかったよ(笑)」
≪ありがとうございます。≫
それから、郁さんはこれまでのはるのことを色々教えてくれた。
≪はるが、大事にされてるのが分かって良かった。郁さん。ありがとう≫
「いーえ(笑)メンバーが勝手に言ってるだけだけど、俺と澪は彼女のパパとママらしいけど(笑)そんなつもりは二人ともないけどね。」
≪でも、そんな存在であって欲しいです。お願いすることじゃないですけど。≫
「だったらはるだけじゃなくて、ちいちゃんもね?」
≪えっ?≫
「はるの為を思ってるのか、ちいちゃん背伸びしてるでしょ(笑)俺達の前ではもっと甘えていいのに」
≪なんで?そんなに皆優しいんですか。今まで会った人そんなこと言ってくれた人いなかったのに。≫
そう言って、泣いた。
郁さんは、黙ってそばにいてくれた。
しばらくして、落ち着いたちいは
≪ごめんなさい≫
そういうと、郁さんは頭をぽんぽんとした。
≪本当に、皆に出会えて良かった。≫
「そだね(笑)俺もそう思うよ。さぁ、そろそろ戻ろっか。心配してるだろうから」
≪はいっ。≫
「俺はもうちょっといるから、先に行ってて?」
そう言って、ちいを先にお店に入らせた。
ちいが、お店に戻るとすぐ
「いるんだろ?」
そう言うと、蓮が二人の死角になる所から出てきた。
「気づいてたんですか」
「まぁね(笑)どこから聞いてた?」
「すいません。聞くつもりじゃ」
「別に怒ってるんじゃないよ(笑)ちいが気になって来たんだろ?」
「はい」
「やっぱり、回避出来ないの?」
「無理したら、はるもどうなるか分からないって。」
「蓮は、どうするつもりなの?」
「え?」
「想いあってるんだろ?」
「ダメだって分かってるんですけど」
「いいじゃない。それでも。そんな感情は、誰も止めれないんだし」
はるの事思うと、それ以上のことはないか。
「俺らには、計り知れない思いがあるんだろうな。出来る事は協力する。なんでも言えよ?」
「ありがとうございます。」
そして、二人はお店に戻った。
少ないですが、連発更新にお付き合いいただいてありがとうございます。
GW開けましたら、通常アップに戻る予定です。
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