029
≪澪君。響君家は、というか・・・多分誰かの家って駄目なんだ(苦笑)≫
「なんで?」
≪それは・・・≫
「??」
≪あのね。蓮くんが・・・≫
声が小さくなった。
全部言わなくても、ピンと来た(笑)
澪君じゃなくても、バレバレだと思うけど(響)
「分かったよ。すると、あそこしかないね。頼んでみるよ」
≪ありがとう≫
「じゃぁ、また進展あったら言うよ。ZWEITEのとこ行っておいで。」
≪うん。じゃぁ、またね♪≫
そう言って、ZWEITEの所へ行った。
「どした?」
「いえ(苦笑)微笑ましいなと思って。でも、同時に切ないなぁと思ったりで」
「??」
「何でもないです。お願いがあるんですけど」
内容は言わないまま用件だけ伝えた。
「大丈夫(笑)勝手に相談してくれていいよ」
「ありがとうございます。じゃぁ、あとは郁さんだけだな」
郁さんの所へ行った。
★★
1か月が経った頃、ようやく実現した。
≪ぱぱ、まま。我儘言ってごめんなさい。≫
「何言ってるの(笑)娘が出来たみたいで嬉しいよ。お手伝いすることあれば、なんでも言ってね」
≪はい^^。でも、今日は一人で頑張ってみます。こんなチャンスないかもしれないから≫
よくお世話になっているお店のぱぱもままも、ちいのことは澪から聞いて知ってた。
どんなに複雑な状況かも。
だから、何も言わなかった。
≪あっ。そうだ。これ≫
「何?」
≪二人には、叶わないと思うけど(苦笑)どうぞ^^≫
「嬉しいね。あとで、大事にいただくよ。」
大人数で、想像もつかない量だったけど、ぱぱとままに色々教えてもらいながらなんとか作った。
≪出来た!≫
「お疲れ様。よく頑張ったね。」
≪はい^^≫
「みんなが来るまで、もうちょっと時間あるから休んでなさい」
≪うん≫
しかし、疲れていたのかソファで寝てしまった(苦笑)
「こんな小さな体で、健気だね。」
「そうだね。ある意味、すごく強いよ。こんな娘と知り合えて良かったね。もうそんな娘は、彼らにも俺らの前にもあらわれないと思うし」
ちいに、ブランケットをかけながら話していた。
「今日は、全員参加な~。ZWEITEも。」
「何かあるんですか?」
「なんだ?」
「さぁ・・・」
「澪くん。ちいにチャンスくれてありがとうございます。」
「いえいえ。ちいちゃんが言ってくれなかったら、きっと実現しなかったんじゃないかな。」
「俺にも秘密にしたかったみたいですけど。教えてくれました。(苦笑)」
「本当は、メンバーの家にしようと思ったんだけど。ちいちゃんが、駄目だっていうから。今日は、あそこ貸切にしてもらったんだ。定休日だから、誰も来ないしね。」
「そうだったんですかって言うか、俺のせいでしょうね」
「蓮さんの?」
「あ、いやなんでもないです」
「(苦笑)(やっぱりね)」
先に、店に着いた二人。
しかし、ソファにいるちいを見て
「あれ、結構待たせちゃった?」
「全部1人でやったから、疲れちゃったみたいね(笑)」
「えっ?これ、全部1人で?」
「えぇ。私達はほんの少し手伝っただけ」
「今日はありがとうございます。」
「久しぶり(笑)ちいちゃん、いい子だね。頑張ってたよ。お土産までもらっちゃったよ。とても気遣いの出来る子。娘にしたいぐらい」
「ぱぱったら(笑)」
【こんばんわ】
全員到着。
まさか、ちいがいるとも知らず。
「あれ、そこにいるのは、はるかちいちゃんかな」
「何でいるの?そういえば、今日は事務所で見かけなかった」
メンバーが揃うとやはり騒々しいからか
≪んっ。はっ、寝ちゃってた・・・≫
「ちいちゃん。おはよ(苦笑)お疲れ様」
≪(笑)おはよ。澪君。もう来ちゃったんだ?≫
「ついさっきね(笑)」
「ちい。お疲れさすがに、今回は大変だったな(苦笑)」
≪蓮くん。いつもの倍だったけど。楽しかった(笑)≫
「なら良かった。」
「早くおいでよ~。俺、お腹すいた(´・ω・`)」
「だって(笑)行こっか」
★★
「食べる前に一言だけ。」
「今日のは、全部ちいちゃんが作ってますから、心して食べてくださいよ」
「まぢ?全部??」
「俺も、驚いたけど全部だって」
「凄っ」
≪へへっ。ちょっと自信ないけど(笑)≫
「いやいや、ちいの料理は、俺達のお墨付きですから♪」
≪皆は、実験台だよw≫
と、笑っていた。
【いただきま~す♪】
≪ドキドキ≫
「ちい。声に出てるから(笑)」
≪わ、わざとだもんっ≫
「うんまっ。こんな特技があるなんて知らなかった。」
「俺、たまに食べてた♪」
「ずるっ」
「秘密にしておきたかった~゜(゜´Д`゜)゜」
≪残念でした。食べてもらう人がいないと作りがいがないし≫
「ちいちゃん。今度、俺の為に作って欲しい~」
≪それは~駄目っ(苦笑)≫
「振られてやんの~(笑)じゃぁ、俺に作って?」
≪枢さんも駄目~(笑)≫
「俺は?」
≪響君も駄目~。だって誰か一人の為に作ったら不公平になるでしょ?≫
「確かに。」
≪でも≫
【でも?】
≪お手伝いしてくれるならいいかな?≫
【(おぉ~って、いいのか?)するするっ】
≪じゃぁ、いいよ。するならいっぱいしなきゃだね(笑)≫
「なんで?」
≪だって、蒼穹君。するなら全員しないと不公平になっちゃうもん。誰かだけってそれはやなの。≫
「さすが(笑)ちいちゃんが、やりたいならお願いしたいけど。大変だろうから、またこういう機会作るからそこでお願いするよ^^」
「そうだな~気が気じゃない奴もいるだろうし?」
そう言って、蓮の方を見てニヤリッとする。
≪えっ?≫
「(苦笑)(なんかバレてる)」
「まぁ、その時は誰かに手伝ってもらうといい。料理得意な奴いるだろ??邪魔する奴3人ぐらいいるか(笑)それは、却下で」
≪邪魔するの?≫
「いや、手伝うだろうけどなかなか進まないって感じかな(笑)」
≪だったら、一人の方がいいね≫
【(苦笑)】
すごいたくさん作ったのに、あっという間になくなっていく、お酒もすごいペースでなくなってる。
こんなに食べてもらうと作った甲斐があったって事だね。
でも、ちょっとお酒の匂いで酔ったかも。
私も、飲める歳だけどみんなにバレないように、そっと風にあたりに行った。




