028
『蓮ちゃん』
「何?」
『それ難しい?』
「えっ?」
『ダンス』
「まぁ、人前で出来るようになるまで時間はかかるかな。」
『はるもやってみたい』
「あっちでも、やってたの?」
『見てるだけだった。トレーニングとか多いし。はるがやったら、倒れちゃうよ(苦笑)たまーに。ちょっとやるぐらい』
「(苦笑)俺らも同じことしてるんだよ?」
『でも、なんか楽しそうだから』
「じゃぁ。やってみる?」
『うんっ』
なぜ、はるがやりたいと思ったかは分からない。
まぁ、楽しめればいいよね。
俺は、ちいとはるの付き合い方は変える気はなかった。
変えれば、絶対二人は気づくから、ちいと同じように接した。
時々、ちいになりすますけど(笑)バレバレだしねww
メンバーにも口酸っぱくいった。
嫌われても、何したってはるにちいを求めちゃいけないし、ちいにはるを求めちゃいけない。
なんとかうまくいってるけどね。
だから、はるもちゃんと受け入れてる。
これで良かったのか、俺には分からない。
でも、最低限のことはしたいと思ってる。
「はるちゃん。動きいいね。」
「運動とか得意だったの?」
『体動かすの大好き』
「なんか飲み込み早いっすね・・・」
『そうかなぁ?響ちゃん達と会うまでは、何もしてなかったけど。会ってからは、同じことは出来ないけど色々やってたよ。』
「気抜けないな。俺達抜かされるんじゃね?」
『蓮ちゃん。それは無理だよ(笑)』
「いやいや気が抜けないって(笑)自主トレ必要になるなぁ」
【嫌だぁ】
と、メンバーは口々に言ってたが、笑っていた。
『なんか、出来るようになったら、響ちゃん達に自慢しようっと』
そう独り言のように言っていた。
★★
ちいは、響と澪と3人で話してから、もっともっと練習するようになった。
とはいってもほとんどは独学だけど、一緒にやったりするけどね(ちい)
「なんか、最近はすごく楽しそうだね。なんか良い事あった?」
≪そうかな?いつもと一緒だよ?≫
「ならいいけど。何かあったら絶対言えよ?」
≪うん。分け隔てなく接してくれるし。会うのが楽しみになった。≫
「ちい自身が楽しいならいいんだ(笑)」
そう言って、微笑んだ。
≪何かさ。最近。≫
「ん?」
≪体が締まってきた気がする。なんでかな?≫
「あぁ。それは・・・」
と、言いかけた。
≪私は運動が苦手だしね。はるかな?≫
「はるは、運動が得意なの?」
≪ちっちゃい頃は、もう男の子みたいに走り回ってたよ(笑)≫
「なるほど。ちいになら、言ってもいいと思うから言うけど。」
≪うん≫
「なんか、ダンスやりたいって言い出してさ。時々、練習してるんだよ。」
≪そうなんだ。蓮くん達の邪魔してない?≫
「大丈夫だよ。俺達の邪魔にならないように。駄目だって思った時はおとなしく見てるか、マシーンで運動してるかな。」
≪なら良かった。≫
「響達といる時も、動いたりしてるらしいね。でも、ハードすぎるって(笑)」
≪何度か見たことあるけど凄かった。蓮くん達もすごいと思ったけど≫
「だろ?俺らは、その背中を見て追いつこうとしてるんだ。」
≪みんな頑張ってるもん。追いつくよ。絶対っ≫
「ありがとう(照)」
二人の時は、色々話するようになった。
≪蓮くん。≫
「ん?」
≪いつかね。みんなに私の料理食べて欲しいんだ。だから頑張ろうと思って。≫
「ちいは、そっち系に向いてるよね。料理だけじゃなくて、コツコツと何かするの好きだよね(苦笑)」
≪本当は苦手なんだけどね(苦笑)最近は、楽しいんだ。≫
「楽しそうに見えたのは、嘘じゃなかったんだ」
≪驚かせようと思って、黙ってようと思ったけど。蓮くんが目の前にいると、何か言わなきゃって思う(苦笑)≫
「なにそれ(笑)」
≪さぁ?(笑)≫
そう言って、顔を見合わせると二人は笑い出した。
「さて、出来たし食べよっか」
≪うん≫
「≪いただきます♪≫」
食べ終わったら、二人で片付けてそれぞれの時間を過ごす。
とはいっても、つかず離れず(苦笑)お互い見える所にいるんだけどね。
お互いが、好きあってるって分かっても、それ以上に発展することはなかった。
でも、想いは変わらないんだ。
どんな状況でも、二人は好きってことは誰にも文句は言わせない(苦笑)と、思う蓮だった。




