022
「ちい。大丈夫?やめるか?」
≪だ、大丈夫≫
「無理しなくていいから。無理な時は無理って言えよ?」
≪うん。≫
そういって、社長室の扉を開けた。
「失礼します。連れてきました。」
「どうぞ」
ちいを連れて、部屋に入った。
「はじめまして・・・じゃないか(苦笑)2回目だね。ちいちゃん」
≪こ、こんにちわ≫
「来てくれてありがとう。ちいちゃん。そんなに緊張しなくていいから。いつもみんなと接してる感じでね?」
≪はい。あ、あのはるのこと、助けてくれてありがとうございます≫
「あの二人は、当然のことしただけだろ?」
「そうだね(笑)」
しばらくは、震えていたけど落ち着いたのか色々話するようになってきた。
≪はるは、どんな感じですか?≫
「(笑)メンバーに遊ばれてることが多いね。特に枢と澪に」
≪そうなんですか(笑)≫
「ちいちゃんは、どう?」
≪えっ?≫
「ZWEITEのみんなから良くしてもらってる?」
雰囲気からして、分かってはいるけど本人の口から聞いてみたかったんだ。
≪はい。皆が元気なんで、私も元気になりますね(笑)色々気にかけてくれるし。≫
「良かったね。俺らのとこ来てたら、遊ばれてたしね(笑)」
≪(笑)≫
「もし良かったら、他のメンバーにも会ってよ。」
≪でも・・・≫
「現に俺らと会えてるし、大丈夫じゃないかな?どう思う?」
響と俺に聞いてきた。
「ちいなら、もう大丈夫じゃないかなって。はるは、まだまだ分かってないことが多すぎるけど、ちいは分ってるみたいだし、この間、誕生会にお邪魔させてもらったけど。すごい打ち解けてたし、誰でも接することが出来るんじゃないかなって思う」
≪響君≫
「俺も、そう思います。まぁ、最初は大変だと思うけど。」
「ちいちゃんさえ良ければ、今からでも会えるよ?」
≪今から?≫
ちいは、考えていた。
ここで、みんなに会うことが可能になれば、はるもZWEITEのメンバーと会えるようになるんじゃないかと、これからのことを考えると絶対それは必要になってくる。
「ちい」
響は心配そうに見ていた。
≪会ってみます。でも・・・≫
「大丈夫。ねっ?」
そういって、郁は頭を撫でた。
いつも、そうやってはるに理解させてるのかなって思うとなんか
≪ママみたい(苦笑)≫
「えっ?」
≪何かあると、いつも大丈夫って言いながら、頭撫でてくれたんです≫
「そうだったんだ。なんで、ちいに言ってないのにママって分かったんだろうって思ってびっくりした。」
≪蓮くん≫
「うん。」
≪会ってみようと思う≫
「分かった」
そういって、郁の方を向くと
「お願いします。」
と、頭を下げた。
「連れて来るね。」
そう言って、4人を呼びに行った。
「ちいちゃん。決断してくれてありがとね。」
≪会えたことで、はるがZWEITEに会えるようになればいいなって思って≫
「ちい」
蓮には、分かっていた。
きっと、辛い決断だったはず。
≪蓮くん。大丈夫だよ≫
って言いながら、震えてた。
俺は見逃さなかったけど、ここでいうことじゃないと思って言わなかった。
★★
扉の音がすると、ちいは俺の後ろに隠れてしまった(笑)
オーラで、何か感じ取るのかやっぱり震えてた。
俺は、ぎゅっと手をつないだ。
「あれ?ちいちゃんは?」
「俺の後ろに(笑)」
すると、ちいは思い切って顔を出した。
みんな笑顔だった。




