017
「遅くなってすみません。」
「さっき来た所だから(笑)久しぶりだな」
「郁さん、お久しぶりです。今日は、誘っていただいてありがとうございます」
「そんなにかしこまらなくていいから(笑)」
「はい(苦笑)」
「響から、もう聴いてると思うんだけどさ。ちいちゃんだっけ。」
「はい。」
「どんな娘なのか教えて欲しいなと。」
「はい(笑)俺が知ってる限りであればなんでも。でも、その前に・・・」
「うん」
「はるのこと色々教えてください。」
「響とは、報告し合わないの?」
「彼女と会うこともあるし、響とも少し話はしますけど、皆さんがどう思ってるか知りたいんです」
「なるほど。」
二人は、今まであったこと色々話した。
「ありがとうございます。良かった。はるは、みんなに愛されてますね^^」
「郁さんは、はるのパパとママなんだよ(苦笑)」
「えっ?」
「響。それ・・・若干語弊が(苦笑)」
「えっ?」
「あながち間違ってはないけどな。まぁ、俺は・・・年齢的にももう親みたいな感じだし(笑)はるもそういう感じにしか見えないんじゃないかな。まぁ何かあったら、みんなに助け求めてるよ」
「なるほど(笑)良かったです。ちいも心配してましたから」
そういうと、ちいのことを話し始めた。
「色々聴いてると、はるとちいは、性格が全然違うね。まぁ、だからこそいいのかもしれないけど(苦笑)」
「ちいも、ZWEITEのメンバーとうまくやってるみたいで安心したよ。」
「そうですね。はるみたいな感じではないけど、みんなから慕われてますね。」
この間、遊びに行った時のことも話した。
「へぇ~俺らも、この間メンバー全員と遊びに行ったんだ。」
「あの時は、結構大変だったな(笑)」
「何があったんですか(苦笑)」
いろんなエピソードがあったらしく、ちょっと羨ましくもあった。
蓮は、自分のせいでかなりちいに我慢させてるんじゃないかって思った。
「基本的に、はるは放任ですか?」
【えっ?】
「いや、実は急に変わってしまったらっていう思いがあって。ちいやはるを信じれてないわけじゃないんです。二人は、いつ変わってしまうか分からないんで。」
「俺だって、いや響が、一番そう思ってるよね(苦笑)」
「まぁ(苦笑)」
「これは、俺の自分勝手な想いこみかもしれないけど・・・はるは、はるだから」
しばらく、沈黙が・・・・あったが、思い切っていってみることにした。
「ちいは、何も言わないけど・・・ZWEITEと一緒にいる時は、はるにならないように気を使ってるっていうかなんというか。二人は、自分でコントロールして入れ替わる訳ではないので、気を張ってるんです。」
【・・・】
「俺は、あえて気にしないようにしてるんですけどね。もっと、ちいが気を使っちゃうんじゃないかと思って。」
「蓮くんが、そんなに考えてるなんて俺知らなかった。俺が気づけば良かったんだよね。ごめん。」
「いや、誰にも言うつもりなかったから(苦笑)」
「響と蓮のやってることは、間違ってるとは思わないな。それで、彼女らがお前らについてってるんだから。納得してるってことだろ?」
「そうだといいんですが」
「俺が偉そうなこと言える立場ではないけど、今の状況を楽しめているならそのまんまでもいいと思う。蓮と響には、オレらの計り知れない不安がたくさんあると思うけど。」
「ありがとうございます。思い切って話して良かった。」
結論が出たわけではないが、少し前へ進めるんじゃないかと思えた。
「あの・・・良かったら、今度ちいに会ってもらえませんか?」
「蓮くん?」
「実は、さっきちいから言われたんです。はるを見てくれてる人達に会ってみたいと。」
「そうなんだ。ちいがそういうこと言うと思わなかったな。」
蓮は、ちいが言ったことは全部伝えはしなかったけど、何か感じ取ったのか。
「ちいちゃんさえ良かったら、会おうよ。このメンバーでいいんだよね?」
「はい。でも、ひとつだけ。もし会って拒絶反応が出たらって思うと怖いらしくって。俺がそばにいるとは伝えたんですけど」
「大丈夫。そんなことで、嫌ったりしないし動じることもない。むしろ、彼女と会ってみたい気持ちがでかいし(笑)」
「ありがとうございます。じゃぁ、今度ちいにあった時に伝えますね。急に会うことになるかもしれないんですが・・・・」
「分かった。その時は時間あけるし」
「すいません」
蓮は、伝えたかったことは全部伝えた。あのこと以外は。
いい時間になって、お開きになった
「響。今日はありがとな。」
「俺、全然分かってなかったんだな。ごめん。」
「お互いに、あんまり深くは彼女らのこと話なかったからね。俺も悪いんだけど。でも、今日話せて良かったよ。」
「そだね。」
「じゃぁ、ちいの決心がついたら、会うことにするから」
「おっけ。くれぐれも無理しないで?蓮くんもね。」
「おぅ」
そういって、二人は別れた。




