011
隣には広い公園があった。
「天気いいっすね~こんな太陽の下で過ごすの久しぶりかも。」
「確かに。スタジオとかばっかりだしね。」
「なんか、歌いたくなるね~」
≪何か歌って~踊って?≫
「じゃぁ、ちょっとだけね~♪人が集まったらまずいから」
≪うんっ≫
2曲ぐらいだったけど、最近出来た新作を披露してみた。
≪いい~かっこいいっ。いつのまにこんなに!!≫
「ありがと。でも、まだまだだよ(笑)ちいが、応援してくれるからもっと頑張らなきゃね」
「歌ったらお腹すいた~」
≪あっ、お弁当作ったんだよ。みんなで食べよ?≫
【おぉ~】
「いつの間に。」
≪寝てる間に(苦笑)でも、大したことないから~≫
≪【いっただっきまーす】≫
あっというまになくなった(笑)
食欲旺盛だな~。
≪足りた?≫
「うん。これだけ作って大変だったんじゃない?」
≪手伝ってくれたから大丈夫だったよ。ね~。悠眞くん♪≫
「俺は、言われた通りにやっただけだよ。あんまり得意じゃないし。」
「悠眞だったんだ・・・時々、おにぎりとかでかかったり、でこぼこだったりしてたもんね(笑)」
≪手でかいもんね~私の手ちっちゃいし(笑)≫
ほらって、手のひらを見せる。
「女の子はちっちゃい方が可愛いよ。」
そういいながら、手のひらを合わせる。
「うわっ、ほんとちっちゃっ。」
俺も俺も~って、みんな手のひらを合わせていく。
≪みんながでかいんだよ(笑)背もでかいし。いつもみんな見あげないとダメなんだよね。≫
みんなの肩に届くか届かないかぐらいちっちゃいんだ。
囲まれたら埋もれる(笑)
「さて、次いこっか。」
みんなで片付けて、次の場所へ行った。
蓮が、これって決めた所は先に回って、後からちいちゃんにサプライズ~。
昨日、色々考えてたとこ行けるだけ行ったんだ。
近場で、行けるとこばっかだったんもあるしね。
んで、最後は ほんとにサプライズ(笑)
「ちいちゃん。ちょっと付き合って欲しいとこあるんだ。」
≪なーに?≫
「着くまで秘密(笑)」
俺達の行きつけのショップに行ったんだ。
「ここで、俺達がちいに似合う服選ぶからさ。着てみてよ。」
≪う、うん≫
そりゃ急に言われて戸惑うわな。
一人ずつ、ちいのイメージに合う服を決めていった。
≪ねぇ~着てるけど、どうするの?≫
メンバーそれぞれが、イメージする服を見つけると、こっそり買っていた。
「まだ秘密~♪」
≪え~誰か教えてよ~≫
そう言っても、誰も教えてくれなかった。
「ここは、まだ始めの段階だから。次行こう~」
≪えっ?≫
ちいの頭の上には、???ってなってる(笑)
「いいからいいからっ。行こっ」
昨日の夜、みんなで話してたんだ。
ちいと俺達の記念になるもの残そうって、蓮の提案だった。
なぜ、そんなこと言ったのか分からない。
でも、みんな賛成したんだ。
「一番は心に残るものがいいと思うけど。物として残るのもいいと思わない?」
「そうだね。となると何だろう・・・」
「俺、ちいちゃんと写真撮りたいっす。毎日会えるわけじゃないし」
「いいね~」
「折角だからさ。ちいに服もプレゼントしてさ。それ着てもらおうよ。メンバーそれぞれ個性が出るし、それで写真撮りたいな」
「じゃぁ、そうするか。でもちいにバレないようにな(笑)最後の最後で驚かせるっ」
なんだか、一番楽しそうだ(笑)
【了解~】
本当は、事務所にいる専属のカメラマンさんが良かったんだけど、職権乱用だよね。
郁さんにお願いしても良かったんだけど、街の写真屋さんにお願いした。
手作り感があっていいかなって思って、彰が行きつけのカメラ屋さんに頼んで、予約してもらったんだ。
事情話すと、快く引き受けてくれて、俺達が出し合っても十分いけるみたいだった。
「ここだよ。さぁ、どうぞ?」
≪???≫
不思議ながらも、お店に入っていく。
「いらっしゃいませ。お待ちしてましたよ。さぁどうぞ。」
「ちい、安心して?その人達についてって。後で俺らと合流だから」
そう言って、行かせた。
「やっぱり、分かってないよね(苦笑)」
「バレたら駄目だろ・・・」
「誰から行く?」
「蓮は最後だろ?俺から行こうかな。」
凱斗、彰、蒼穹、悠眞、蓮の順番になった。




