2話 「お互いの目的のために」
フォルト・ミーノ、それが私の名前なのでしょうか。聞いてみます。
「私はフォルト・ミーノなのでしょうか?」
「知らんわい。」
やっぱりです、この方は私のことを知らないようです。では私のことを知っている方はいるのでしょうか?
「服はないのか、この娘を作ったのであるならば用意しているだろ。」
大樹のお芽々さんは服?というものを探しているようです、私もお手伝いしたいです。
「私もお手伝いします。」
「いや大丈夫だ、君は朕から離れておくれ。そろそろその木の実が溶けてコンプライアンス的に危なくなるからな。」
大樹のお芽々さんは私をなだめてくれました、優しい方で良かったです。でも…コンプライアンス的にとはいったい何なのでしょうか?
しばらくすると大樹のお芽々さんが戻ってきました、そして
「この手紙の裏側を見せてくれ。」
と言われましたので、私は先ほど見た手紙を裏返しにしました。するとそこにも字が書いてありました。
書き直すのが面倒であるからここに記す、君の服はここをまっすぐ行った先のクローゼットという箱の中に入っている。これを見ないかもしれないが、書いておきます。
これを読み終えると大樹のお芽々さんは運んでくれと頼み、私は持ちながらまっすぐ行きました。そこには箱がありました、私はそれを開けると中から柔らかいものが出てきました。
「これを着てくれ。」
「着てくれとは?」
私は思わず聞いてしまった、着るっていったい何なのですか?
「知らないのか?」
「はい。」
大樹のお芽々さんは一瞬悩んでいましたが、私に面を向かって「朕が説明しよう、それでやっておくれ。」と言われました。私は大樹のお芽々さんの言う通りにこの柔らかいものを着ました。
どれぐらい立ったのでしょうか、大樹のお芽々さんが指示をしてくれましたが私には難しかったです。特に下着というものは着るのに苦労しました。私が着終わると大樹のお芽々さんは「なんで下着はあって靴と靴下はないんだ。」と言いました。
大樹のお芽々さんを外に運んで、私はお芽々さんを植えて、もともと大樹さんがいたところに戻ってきました。
「改めて自己紹介だ、朕の名前はモーリー。この島の最古といわれる大樹だ。そしてそなたはフォルト・ミーノで良いか?」
「そのようです、フォルトともミーノとも呼んでください。」
私が笑顔を見せるとモーリーさんは少し私から目線を外してこう言ってきました。
「ひょっとしたらそなたは朕の仲間にすぐに殺されるやもしれない。」
「どうしてですか?」
私が聞くと説明してくれました、どうやら私に似た人間という生物に同じ仲間に殺されたかららしいです。
「だが、そなたは植物よりの人間だから向き合えば分かるものは分かるが怨念が怨念を呼んでいるから無駄なかもしれない。」
ということは私は死ぬしかないのでしょうか…私が落ち込むとモーリーさんは根っこで私を撫でてくれました。
「問題ない、そなたが皆を信用させるしかあるまい。だからこれといって頼みがある。」
「頼みですか?何をすれば良いのですか?」
私は頼みを細かく聞きました。どうやらこの島では動物の方々が暴走をしているらしいです。それをどうにかすれば私は信頼されるらしいです。
「それにこれには狙いがある、この島の問題を直すということはそなたを作った人間を探すことにも直決する。」
なるほど。確かにそれなら私がやりたいと思っていたこともできますし、モーリーさんも得をしますしね。
「断るか?」
「いいえ、やらせていただきます!」
私とモーリーさんはともに協力することを誓いました。
今回も見てくださり、ありがとうございます。今回で旅立ちの準備ができました、次回からは本格的な冒険が始まります。どうぞ、ご期待ください。




