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16話 最強術士の期待(side:水無月栞)

 私の名前は水無月栞。現代最強の術師だ。


 全能力、権能含めて最強とされる『七つの大罪』を冠する能力。その序列一位の『怠惰』を能力にもち普通の人間などとうに超えている魔力量、身体能力を持つ魔術師だ。


 自分で言うのもアレだけれど、多分私は周囲の被害とかを完全に無視して全力の真っ向勝負で戦えば、どんな敵が相手だろうとまず負けないと思う。そんな私だけれど最近の興味の対象はもっぱら「彼」だ。


 桐原伊織。

 彼は私のような魔術組織に組している人間と関わりたがらないので、個人情報が私たちにわたっているのを嫌うので彼のことは”君”という呼び方で呼ばせてもらっている。


 ……いつかは私に心を許してもらって名前で呼ばせてもらいたいものね。


 彼は純粋な戦闘能力で言うならばそこまで強いわけではない。私の足元にも及ばないし、彼に勝てる人なんて探せばいくらでも出てくるだろう。


 けれど、彼は明らかに異常だ。現代の術師ではまずありえない技術を知っており、さらには圧倒的なまでの技量でそれを使いこなしている。


 桐原君の技量はきっと努力によるものだ。あれだけの技量が求められるなにかがあったのかと思えるほどの、あの鬼気迫った技術。


 きっと桐原君は人間としてどこか大切な何かが欠如してしまっている。しかし私はそれを悪いこととは思わない。なんとか藻掻いて、苦しんでそれでも前へと進もうとする姿を私は不覚にもかっこいいと思ってしまったんだもの。


 それに最近は一緒に映画を見に行ったりと仲良くなっている気がする。


 もっと仲良くなりたいというわけで、今でも拒み続けられている師弟関係の話を外堀から埋めてしまえと思い、彼を特等討伐に連れていくことにした。


 何か悲壮な顔をして覚悟を決めている様子から桐原君が勘違いをしていると気づいたが、かわいいのでそのままにしておいた。




 特等討伐当日


 桐原君はかなり強そうな装備を着ていた。いくつか国宝級のまで見受けられたけれど彼の家はどうなっているのだろうか。


 それはそれとして、スーツを模した装備を着た桐原君の姿は、なかなかにいいものであったと言っておこう。


 いざ、戦闘が始まってみると改めて桐原君の力の凄まじさがよく分かった。


 特に強力な能力を使っている訳ではないのだけれど、彼のあの技量は凄いとかの次元をはっきり飛び越えてもはや異常だ。


 影山秀介が能力を使って手助けをしているとか、この取り巻きがこの前のより弱いこととかを加味したとしても、第五等位~第四等位の再生持ちモンスターを一撃で倒していくその技術には舌を巻くしかない。


 きっとモンスターの核を一撃で貫いて倒しているんだろう。とてもじゃないけれど人間業じゃないわね……。


 あっ。


 いきなり桐原君がピンチに陥った。最後の一体に向かって言ったタイミングで、蜘蛛のことを今まで縛っていた能力が解除されたからだ。影山の魔力量ならあの程度の能力を維持するぐらい簡単なはずなのに、どうして……?


 まさか、私が連れてきた彼の実力を図るためにわざと能力の効果時間を短く設定した……?


 やってくれるわね。彼は私が連れてきたのだから、私には彼を無傷で帰す義務があるというのに。

桐原君に蜘蛛が攻撃を当てる……といったところで、――私は能力を発動する。


 途端、蜘蛛の動きは固まり、動かなくなった後、崩れ落ちる。


 呆然としている様子の桐原君を横目に、こちらを見て苦笑いをしている影山のほうへと詰め寄る。


「彼のことを危険にさらすような真似をするなんて、覚悟はできているんですか?影山秀介」


 そう言って、軽く脅しのつもりで右手を影山のほうへとむけると、彼は目に見えて焦りだした。


「い、いや待て水無月。わざとじゃないんだ。確かにお前が連れてきたやつの能力を図ろうとしてた面があったのは認めるけど、まさか三十秒であのレベルと数のモンスター相手に、本気で周囲の奴ら全滅させようとしてるとは思わないだろ!」


 ……まあ、それは分かる。きっと影山は三十秒で何体減らすかを見るつもりで、残った分は影山が自分で処理する気だったのだろう。私も影山の立場で初見なら、同じようなことをしていたと思う。


「こ、今回は見逃してあげますけれど!これは貸し一つですからね!」


 影山秀介はこれでも日本2位の、国内で見るなら私に次ぐ実力者だ。せいぜいこの借りは有用に使わせてもらおうと思ったところで、桐原君がこっちに来た。


 この後、彼に感謝されて友達認定ももらった。思わぬことも起きたが、私にとっていいことづくめだったので良しとしよう。

黄泉屁蜘蛛ヨモツへグモ』……特等のモンスター。本編では名前は結局出てくることがなかったが、本当はこいつ一体で国を滅ぼせるくらいやばいやつ。元々の予定では1章のボスになる予定だったけど水無月さんが強すぎて相手にもならなかった可哀想な子。


能力としては、五等位〜四等位の取り巻きを無限に生み出し、周囲にかかれば数分程度で死に至る病気をばら撒く。どう考えても、水無月さん抜きだったら大変なことになってた。



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