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12話 最強なので防具は不要なんです

 深夜二時。


 いつもの俺なら確実にベッドに入って爆睡しているであろう時間。そんな時間に俺は普段自分の通っている学校へと向かっていた。まぁ正確には待ち合わせ場所の学校の前の門に向かっているんだけどな。


「うお、思ったより肌寒いな。上着持ってこれば良かった。」


 季節は春なのだが、まだこの時間帯になると大分気温が下がるみたいで少々肌寒い。加えて今日は風も強いので上着を持ってこれば良かったと後悔をしている。


 夜中の筈なのに眠気は全くない。……緊張してるもんな。


 門の前まで行くと既に水無月がそこにいた。一応まだ約束の時間の15分ぐらい前なんだけど。


「よ。水無月早いな」


 俺がそう声をかけると、水無月もこちらに気がついたみたいでこちらのほうを見た。水無月の服装はなぜか制服だった。こんな深夜に制服なんかで出歩いて補導されないのかな。と思ったが、わざわざここまで着てくるのだ。きっと何か特別な能力でも付与されているのだろう。


「やっと来たのね……私、一時間も待ったわよ」


 水無月はそんなことを言って、門にもたれている。

 

……というかちょっと待て、一時間ってなんだ。俺だけ間違えた時間でも教えられたのか?

 若干冷や汗が背中を流れるのを感じながら、ひきつった笑みで俺は謝罪する。


「いやすまん。俺の時間、間違えてたか?」


 そう言うと、水無月がクスクスと笑った。


「冗談よ。時間も間違ってないわ」


 どうやら揶揄われたらしい。

 こいつは本当に……クールキャラ風のくせに感情豊かだし、こういうところもあるし、雰囲気とのギャップがすごいな。


「……本当は二時間だけれどね」


 何か水無月がつぶやいていたように聞こえたが、きっと大したことじゃないだろう。


「それで、ここから特等の化け物のとこまで行くにはどうするんだ?」

「ああ、私の組織にいる空間系の能力を持っている子がいるから、その子のワープホールを使って移動するの。まあ私も魔力のごり押しでワープすることができるけれど、流石にめんどくさいもの」


 へえ、魔術組織ってかなり便利な能力を持った術師もいるんだな。本当に羨ましい。


 それと水無月は本当にヤバい。お前…ごり押しでそんなこともできるのかよ。流石は自分で自分のことを最強と言うだけあるな。


「んで?そのワープホールってどこにあるんだよ」

「確か百葉箱の中って言ってたわよ」

「いや、ワープホールつなげる場所適当か!」


 その言葉を聞いて思わず呆れる。

 おいおい、もし誰かが見つけて入っちゃったらどうするんだよ。不用心にも程があるぞ。


「まぁ、流石に私も百葉箱の中はないと思うのだけどね。その子ちょっとズレてる所があるから…」


 水無月といい、優秀な奴は変な奴が多いのだろうか、なんて考えていたら水無月にジト目でこちらを見られた。変に勘がいいのやめてくれ。


「そ、そういえば水無月なんで今日も制服なんだ?なんか特別な能力でもついてるのか?」


 百葉箱に向けて歩きながらも、話題を逸らすことで水無月からのジト目を避けようと、水無月を見た時に思っていた疑問を口にする。


「え……?別に特にないけれど。強いていえば自動修復される能力だけ後付けでつけてもらったわ」


「……はっ?」


 え、能力が自動修復のみ?それじゃただの制服じゃないか。あれ?これ俺の感覚がおかしいのか?特等って装備無しで挑むような奴だったっけ?


「いやいやいや、水無月お前今からでもいいから防具来てこいよ。じゃないと冗談抜きで死ぬぞ」

「必要ないわよ……どうせ特等位怪異の攻撃をもろに食らったら壊れちゃうんだもの。それに君はスーツじゃないの」

「俺のは特別製なんだよ」


 俺の現在の服装はどこかの黒ずくめの組織が来てそうな真っ黒のスーツだが、それは見た目だけでこの服は全て魔法金属ミスリルの糸で作られている、自慢の逸品だ。

 強力な耐靭性、耐久力、防火性、自動修正能力等の最低限の能力はもちろん、魔法に対する耐性や着用者の魔力、生命力の回復力上昇、果ては身体能力の補助まで行ってくれる。


「いいのよ。どうせ攻撃なんて一撃も喰らわないのだから」

「お、おう?」


 なるほど……なるほど??


 ちょっと本気で水無月が何言ってるか分からないが、まぁつまりはそれほどまでに自分の能力に自信があるということなのだろう。……ほんとに大丈夫なんだろうか。


 そう思っていたのが顔に出ていたらしく、水無月は不服そうな顔をしながらいつの間にかたどり着いていた百葉箱の前で足を止めて、箱を開ける。


 うわ、なんか空間が歪んでる……?おそるおそる覗いていると水無月に無言のまま首をつかまれる。


「え、ちょ、まっ……」


 不意のことで反応できず固まる。


「いってらっしゃいませー」


 そのまま本当に女子なのかを疑う力で投げ飛ばされた…あ、そういえばこいつ、見た目によらずマンションの34階までジャンプで飛んでくるような化け物なんだった。



 思いだした瞬間、俺は百葉箱の中の歪んだ空間の中へと吸い込まれていった。


『魔法金属』……魔力操作に長けた者によって作られる最高級品。今回伊織が来ていたスーツは伊織の父親と母親の合作で、もきちんとしたところに売れば、数億から数十億する代物。(なお、本人はそこまでのものとは思っていない)



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