10話 イベント(日本滅亡の危機)
なんかジャンル別日間30位台まで上がってたので感謝を込めて投稿です。
水無月と映画を観に行った休日明け、月曜日。
俺は高校生なので当然なのだが、誰に言われなくとも学校に行かなくてはいけないので、いつもの通りに学校に来ている。……まぁ、とは言っても俺はいつもの通り教室の自分の席で座って寝ていただけなのだが。
ただ、いつもと違うことがあったとすれば、金曜日に例の肝試しに行った時のメンバーの俺に対しての態度だ。
いつもなら俺の事は別に気にもとめないような、モブとしてぐらいにしか見られていなかったのだが、今日は何故か教室の後ろの方でいつものように顔を伏せて寝ている俺に対して、わざわざ挨拶しに来たり、話しかけに来たりしてきていた。
多分水無月の加入している”組織”とやらの記憶操作のおかげなんだろうが、少しだけいつもよりは退屈しなかった。……ただ、片山だけは他の人とはまた違った感じで、話しかけられはしたものの、やけによそよそしい感じで、いつもの元気な感じでは話しかけてこなかった。
何か嫌なことでもあったのかな?なんて思ったりもしていたらあっという間に放課後になっていた。
俺は、家に帰ったら何をしようかと、少しウキウキしながら考えていると、檜山が俺に話しかけてきた。
「桐原。なんかお前やけに楽しそうじゃないか?」
「お、おう?そ、そうか?」
「おう。と言うより、お前普段寝てばっかだからな。多分今日一日で初めて楽しそうにしているところ見たぞ」
「そ、それはさすがにないと思うが。……まあこの後何しようか考えててな。俺アニメとか結構好きなんだけど最近見れずにたまっているものが多くてな」
「あー確かにアニメとか好きそうだな。まあ最近は模試なんかもあって、観ている余裕なんかあんま無かったわな」
な、なんか偏見を言われた気がするが……。まあいいや。
そんな話をしていると、クラスに入ってきた一人の男子生徒が大きな声でこちらに向かって話した。
「おぉい!檜山!」
「ん?ああ、若林か。どうしたんだ?」
その名前を聞いて思い出す。あ、こいつ肝試しした時に居たな。あの時真っ先に逃げろって声をかけていた奴だ。
あの状況で即座にみんなに逃げろって声をかけれるなんて凄い奴だと思っていたのだけれど……こう……檜山と話してる姿を見ると、なんというか、ものすごくアホっぽい感じがするな……。
「それでよ!今、校門にめっちゃ可愛い子がいるんだよ!」
と、陽キャ特有の謎のスーパーハイテンションで話す若林に檜山も苦笑している。
「へぇ、そうなのな。ウチの高校か?」
「いや、それが違うんよー。他校の制服なんだけどさーここら辺の学校じゃないのか、俺は知らないとこの制服なんだわ」
「へぇ、どれどれ」
そう言いながら檜山は窓の外から校門の方を見る。俺も若林も釣られて見てみるが、確かにうちの学校のでは無い制服を着た女子が校門のそばに立っている。だけど、ちょっと顔まではよく分からない。
「……ん?あれ」
俺が眺めていると隣で檜山が声を上げた。「どした?」と聞くと、檜山は俺に近寄り若林には聞こえないくらいの声で応えた。
「あの子さ……この前、お前と映画館にいた子じゃね?」
「……はい?」
檜山に言われた言葉が、一瞬理解出来ず俺は硬直してしまう。……この前映画館に行っていたと言うと、当然の事ながら示すのは水無月のことなんだが、だからこそ意味が分からない。
そのまま俺が固まっているとポケットの中でスマホが震える。
「ん……。悪いちょっと電話出てくる」
2人にそう断りを入れて、教室から出てスマホの画面を見ればそこには「非通知」の文字。ぶっちゃけこの時点で何となく嫌な予感はしていたが気のせいだと信じて通話ボタンを押す。
『あ、どうも水無月です。……君よね?』
「君」と呼ばれてそういえば名前を教えてなかったなと思い出す。
まぁ、どんな方法を使ったにせよ住所も、電話番号もバレているんだ。とっくにバレているのだろうが、あえて本名で呼ばないのは俺に気を遣ってだろうか。
とりあえず……切るか。
「あ、人違いですね。では」
『え、待っ……』
そう言って通話を切ると即座にスマホがまた震える。
「……もしもし」
『酷いわ、君。私からの電話を話も聞かずに速攻で切るなんて』
よし、ここは人違いで押し通させてもらおう。俺は屈さないぞ!
「いや、だから人違……『そんなこと言ってると学校の校内に今から直接私が乗り込むけれどいいのかしら?』……すみませんでした」
一瞬だった。
……いや、流石に本気で校内に入ってきたりはしないと信じたいが、やられるとどう考えても周りからの目線やらなんやらでダメージを受けるのは俺なのでここは素直に謝っておく。
「んで、なんの用事だよ。わざわざ校門の前まで来たりして」
とりあえずこの話は俺の分が悪いので話題を変えておく。
『あ、そうだった。……もう、君が変なことするから言うのを忘れちゃってたじゃない』
心外だ。俺はただ通話を知らないフリして逃げようとしただけなのに。いったい何が悪かったのかな?(すっとぼけ)
『それで本題なのだけれど、君、今日の夜、暇よね?』
何となくだが猛烈に嫌な予感がする。俺の予感はよく当たるので、なかなかまずい状況だと思う。特に悪い方のことに関してはほぼ100%当たるのだ。
『今日ちょっとしたイベントがあるのだけれど、参加しない?』
「何となくだが嫌な予感がするんだが……それは何のイベントだ?」
『別に普通の術士のイベントよ?特等位の怪異が前々からいたから、それを日本の有力な術士達が集まってサンドバッグにするっていう』
「……は?」
予想の斜め上すぎる回答で俺は固まる。今こいつ特等級って言ったか?
怪異とは、呪霊とか、モンスターとか、時には土地神とか、そういったものをまとめた言い方なんだが、怪異には階級が存在する。一番弱く、一般人でも余裕で勝てるレベルの10等位から始まり、一般的な《・・・・》最上位の怪異の、倒すのに戦車が10台とかのレベルで必要な1等位まで、本当にピンキリだ。
そして、特等位はそれのさらに上。それこそ倒すなら核ミサイルでも撃ち込んでワンチャンとかそういうレベルの化け物揃いだ。間違っても簡単にサンドバッグとか言える代物じゃない。
これは、参加せざるを得ないな。
下手すりゃ日本が滅ぶぞ。
『特等位』……強すぎる、もしくは危険すぎると判断された場合にのみ使用される、例外中の例外にあたる位。なお、水無月さんは当然のように特等の模様。
大体のやつが、概念系の能力とか持ってたりするので「特等を見たらとりあえず逃げろ」(大体逃げれない)と言われている。
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こうなりゃジャンル別日間ベスト10目指して頑張るしかねぇ!




