水の声が響く日に
「まだベットでねてんのー?」
から澄んだ元気な声が、窓から飛び込んできた。
僕は目を擦りながら、階段を降りて行き、パジャマのまま玄関のドアを開けた。
「どうしたの...まだ朝早いよ」
欠伸を挟みつつ、彼女の左上の太陽を見ながら言った。
「はやい?もう10時!まだベットでゴロゴロしてるのが悪いんでしょ!」
夏の風と、太陽で彼女の髪の毛は揺れ、外にある木と草が彼女を祝福するように夏の香りを際立てた。
「え?」
急に声が高くなり、玄関にある時計を3度見した。
「え?」
言語を失った気がした。そのあと深呼吸を2、3回した後、廊下に足を向け、動かした。
「とりあえず玄関にいるねー」
玄関に置いてけぼりにした声が遠のいて行き、自分の部屋のドアを開けた時、壁に激突した。
「あーもう、今日遊ぶ予定あるんじゃん!起こしてよ!目覚まし時計!」
無機物に八つ当たりしながら、僕は着替えた。
すると遠くでサイレンの音と、不思議な音が聞こえてきた。
その音は、時が遅くなったように感じ、人々に走馬灯を見せるような音だった。
「はやくー?」
その声で、僕は聴き入っていた音から抜け出してきた。
階段を駆け降りると、彼女は僕の姉、「澪季」に案内され、リビングに居た。
たまにこの3人で遊んでいる。出会いは、あの雨の夜
「あーあー!こんな雨になるとは!」
雨が地面を叩きつけるように降ってきて、落ちた雨は跳ね返り、長靴ですらない、4ヶ月前に買った、スニーカに当たっていく。
「天気予報では、降らないはずなんだけどねぇ」
僕の横を走っているのは、姉、澪季、白に水色を少し入れたような髪の毛は、雨に濡れて肩に滴っている。
僕らは10分ほど走り、もうすぐで家だと言うところで、誰かが、背中をピッタリつけても、つま先が濡れるような、狭いところで、誰かが雨宿りをしている。
「あの、大丈夫ですか?」
気がつけば、足が前に出ていて、話しかけていた。そこで驚いた、その人の髪は、姉よりも少し濃い、水色だった。勿論あまり、髪を染める人が居ないからだし、そもそも姉は地毛だし...そんな関係ないことは置いておこう。
「あ、はい..晴れの予報で行くところがなかったので散歩に来たんですが...この有様で..」
僕らは、とりあえずくるように言って、家の前で止まり、少し、立ち話をした。
彼女は電車でここに来たらしい。だが歩いていたら、迷ってしまい、雨に見舞われ、立ち往生だそうだ。
「ここら辺は終電早いからねぇ、あ、家泊まっていきます?」
姉はもとよりそうするつもりだっただろう。
「いいんですか?!」
暗いが、表情が明るくなった気がする。
「姉は静かに頷いた」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ねぇパパ、私の願い。いつ叶えてくれるの?」
黒髪の少女は、大柄な男に何か問いかけている。ここは暗い、そして変な匂いがする。世界中の甘いものを混ぜたようで、鼻が曲がりそうだ。紫色の変な霧も出ている。誰が見ても悪役だと思うだろう。
「あぁ、そうだな...そろそろ頃合いか...」
大柄にしては妙に優しい声だ。
「閣下、状況報告です」
霧を切り裂き、声が通ってきた、そして、後から男の人が出てきた。霧であまりよく見れない。
「磁気式圧縮次元装置にて、察知電波が消滅しました。これで“すすめられます”」
声が聞こえた瞬間彼は視界から消えた。“やること”があるんだろう。
「それじゃぁ、やることはわかってるね?」
彼は優しく、包み込みながらも、支えるような声で囁く。
「夜瑠璃」