表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

水の声が響く日に

「まだベットでねてんのー?」

から澄んだ元気な声が、窓から飛び込んできた。

僕は目を擦りながら、階段を降りて行き、パジャマのまま玄関のドアを開けた。

「どうしたの...まだ朝早いよ」

欠伸を挟みつつ、彼女の左上の太陽を見ながら言った。

「はやい?もう10時!まだベットでゴロゴロしてるのが悪いんでしょ!」

夏の風と、太陽で彼女の髪の毛は揺れ、外にある木と草が彼女を祝福するように夏の香りを際立てた。

「え?」

急に声が高くなり、玄関にある時計を3度見した。

「え?」

言語を失った気がした。そのあと深呼吸を2、3回した後、廊下に足を向け、動かした。

「とりあえず玄関にいるねー」

玄関に置いてけぼりにした声が遠のいて行き、自分の部屋のドアを開けた時、壁に激突した。

「あーもう、今日遊ぶ予定あるんじゃん!起こしてよ!目覚まし時計!」

無機物に八つ当たりしながら、僕は着替えた。

すると遠くでサイレンの音と、不思議な音が聞こえてきた。

その音は、時が遅くなったように感じ、人々に走馬灯を見せるような音だった。

「はやくー?」

その声で、僕は聴き入っていた音から抜け出してきた。

階段を駆け降りると、彼女は僕の姉、「澪季」に案内され、リビングに居た。

たまにこの3人で遊んでいる。出会いは、あの雨の夜



「あーあー!こんな雨になるとは!」

雨が地面を叩きつけるように降ってきて、落ちた雨は跳ね返り、長靴ですらない、4ヶ月前に買った、スニーカに当たっていく。

「天気予報では、降らないはずなんだけどねぇ」

僕の横を走っているのは、姉、澪季、白に水色を少し入れたような髪の毛は、雨に濡れて肩に滴っている。

僕らは10分ほど走り、もうすぐで家だと言うところで、誰かが、背中をピッタリつけても、つま先が濡れるような、狭いところで、誰かが雨宿りをしている。

「あの、大丈夫ですか?」

気がつけば、足が前に出ていて、話しかけていた。そこで驚いた、その人の髪は、姉よりも少し濃い、水色だった。勿論あまり、髪を染める人が居ないからだし、そもそも姉は地毛だし...そんな関係ないことは置いておこう。

「あ、はい..晴れの予報で行くところがなかったので散歩に来たんですが...この有様で..」

僕らは、とりあえずくるように言って、家の前で止まり、少し、立ち話をした。

彼女は電車でここに来たらしい。だが歩いていたら、迷ってしまい、雨に見舞われ、立ち往生だそうだ。

「ここら辺は終電早いからねぇ、あ、家泊まっていきます?」

姉はもとよりそうするつもりだっただろう。

「いいんですか?!」

暗いが、表情が明るくなった気がする。

「姉は静かに頷いた」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ねぇパパ、私の願い。いつ叶えてくれるの?」

黒髪の少女は、大柄な男に何か問いかけている。ここは暗い、そして変な匂いがする。世界中の甘いものを混ぜたようで、鼻が曲がりそうだ。紫色の変な霧も出ている。誰が見ても悪役だと思うだろう。

「あぁ、そうだな...そろそろ頃合いか...」

大柄にしては妙に優しい声だ。

「閣下、状況報告です」

霧を切り裂き、声が通ってきた、そして、後から男の人が出てきた。霧であまりよく見れない。

「磁気式圧縮次元装置にて、察知電波が消滅しました。これで“すすめられます”」

声が聞こえた瞬間彼は視界から消えた。“やること”があるんだろう。

「それじゃぁ、やることはわかってるね?」

彼は優しく、包み込みながらも、支えるような声で囁く。

「夜瑠璃」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ