空模様は心模様
『空模様は心模様』
とはよく言うものだ。雲一つない快晴であれば、なんだか落ち込んでいる気持ちも少し腫れた気持ちになってしまうし、日も差さない、そして雨がざあざあと降っているという状態で喜んでいるのは、雨に興味を持ち始めた幼児ぐらいだと思う。
ここで一句、
雨模様
曇る貴方の
心模様
こんな感じの句ができるだろう。さらに明るい方向でも詠める。
心模様
晴らすは見上げる
空模様
こんな感じである。
または、表現でも空模様が使われている。晴れているところに雲が増える、という表現は、何かが起こる予感を予期させるし、雲が晴れて日が差すという表現をしてみると、いままでの悪かったような流れに突破口が見えたようなそんな感じである。
「先ほどまで雲一つなかった空に雲が差していた。それはここまで流れに乗ってきた僕らに起こる何かを表しているようだった。」
とか
「面接の結果、貴方を採用することに決定しました。」
「その言葉を聞いた途端、胸の中のもやもやがすっと取れた気がした。」
「空は雨が晴れ、雲間から光が差していた。」
こんな感じです。
いろいろと表現を変えることに、何らかのおしゃれさというか、ストレートに伝えないで、情景描写に心模様が現れることが、章表現ではよくある。そういった表現は特殊な例えではなく、身の回りで当たり前に起きていることの何気ない変化が表していることが多い。その中でも空模様は心模様を表すのに長けている、
“日常”に隠れた格好の表現である。