格差にまみれた修学旅行
バスが六芒星を超えると完全に周囲の音が止まった。
なんで俺がそれを理解できているのかもわからない。
体は動かないが見えている。
隣の座席に座っている阪口が全く動いていない。
さっきまでの喧騒が静まり返っている。
藤田はこっちを向いて口を開けたまま固まっている。」
そう、まるでザ・ワール◯が発動している最中の承◯郎。
それがいつまでも続き、バスの外の世界風景はなんだか世界が歪んでいる。まるでドラ◯もんのタイムマシーンに乗っている時のようだなっと思っているとなんか怠くなってきた。やべぇなこれってもしかしてって思ってると急にゲームでよく聞くような音声が聞こえてきた。
「規定経験値獲得につきスキル:時空魔法のレベルが上がります。」
「規定経験値獲得につきスキル:MP回復上昇を取得しました。」
「特定条件解放につき特殊スキル:魔眼を取得しました。」
体の怠さが楽になってきたと思ったら目が急に痛みだした。(いてぇ!)と思ったら「い!」
と声が出たと思ったら急激に怠さが増していつのまにか
意識を失っていた。
「おい浦辻起きろよ大丈夫か?」
阪口に声をかけられて俺は目を覚ました。
体がすごく怠い
そう思いながら顔に手をやる途中俺は自分の手に
文字が見えた。
名前 鳴上 晃
レベル9
ジョブ 無し
HP 42/42
MP10/55
スキル 解析失敗
え、なにこれゲームのステータスまんまじゃね?
しかもMP減ってるし!自分のステータス解析失敗ってどういうこと?
って思いながら
窓から外を見ると霧のような靄に包まれている。
そのせいでバスは急ブレーキをかけて止まったらしい。
前にほのかに前のバスのハザードランプが見える。
「この霧はいったい」「一号車と無線で聞いてますが前が全く見えないそうですよ」
藤田と運転手のおじいさんが喋っている。
「一回一号車に集まって校長と相談しましょう」
「何にも見えないけどこんな霧初めてだね」
また陽キャ達が騒ぎだした。
「パンパン」
手を叩いてマイクで藤田が「先生今からちょっと前のバスに行って校長先生と話ししてくるから、みんな静かに待つように」
と言い残して運転手と共にバスから降りていった。
その時見えたのが
名前 藤田 和也
ジョブ 初級学者/中級学者/物理学者/教師/トレーナー
レベル33
HP 5200/5200
MP 8900/8900
スキル 解析失敗
すげぇな、さすが大人ジョブ持ってるし能力値四桁かよ。
って感心してると見えなくなってしまった。
一号車の方に行ったのかな。
仕方ないので周りのクラスメイトを見ていくことにする。
ん、レベルってもしかして。
みんなはレベルが8か9だ間違いない。
レベルが9のやつは誕生日が確かきてたはず。
ってことは年齢か。
じゃあジョブは仕事に着かなきゃダメなのか。
って思ったらうちのクラスの才女の片岡が藤田と同じ「初級学者」持ってるやん。なぜだ。そういやぁあいつもう中学で習う勉強は塾で全部終わって今は受験勉強だけしてるって言ってたか。中学の勉強終わらせればもしかして「初級学者」のジョブにつけるのか?
あ、ジョブ持ってるだけあって俺よりHPもMPも多いな。
そう思ってさらに周囲を見ると何人かジョブを持ってるやつがいる。
「初級格闘家」「初級剣士」「初級野球家」
確か空手習って黒帯のやつと、去年の昇段審査で初段とったやつとジュニアで野球やってるやつだ。
ジョブが運動系だけあって片岡より断然HP多いな。
知識系ジョブと運動系ジョブがあるんだな。
去年昇段審査を受けず未だ一級の俺にジョブが無くて初段のあいつにジョブがあるってことは初段あたりがジョブがゲットできるかどうかの境目ってことか。
こんなことなら去年頑張ってればよかった。
試合は俺の方が強いのに。
まぁ今更後悔してしてもしょうがないね。
せっかくの異世界転移だけど能力値見る限り俺はモブキャラだな。「ジョブ」持ちのみんなつうか
あの能力値見たら先生頑張ってって感じだな。
なんて思ってるといつのまにか自分のMPが全快していた。