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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

残念な恋愛を残念な自覚もなく残念なことに続ける残念な奴ら。

作者: 貴一

恐ろしく読む人を選びますし、こんなの読んでくださるのは、とてもとても心の広い方だろうな、と思います。

経験が浅いので、ご容赦ください。

それと、使い方を把握していないことを自覚しました。少しずつ足していくので、え、これで終わり?と思われた方、終わりません。まだ終わってません、なるべく放棄しないよう頑張ります。



第1話 豚貴族と高嶺の花


自分のこととなると鈍くなる、誤解されやすい通称"豚貴族"に初めて来たお見合いの話は、なんと絶世の美少女と名高い伯爵令嬢。自分を見る惚けた瞳に、いったい何が起きているのか、彼女の本当の望みは何だ、と頭を抱えるも…


____________________



トァルフは悩んでいた。送られてきた、縁談の申し出を前に。父親は不思議そうな顔で、嫌なのかい?と尋ねるが、首を振り傾げた息子に倣うように眉根を下げて、はて?と首を傾げた。こんなにも出来た息子に縁談の申し出がこれしか来ないというのも謎だが、言ってしまえば断ることも出来る代物に、基本穏やかな息子が口を固く閉ざし据わった目でいるのは何故だろうか。相手が悪かったのか?と含んだ視線を息子に送れば、ゆっくりとため息をついてから、伏せられた手紙をひっくり返して送り主の家名を見せた。タスヴァン……と言えば、令嬢が社交界で引っ張りだこだという、あの伯爵家か?確か、自由恋愛主義だったような気がするが……懸念しているのは野心家な親の指図ではないか、とかいう杞憂だったりしないよな?あ、違うんだ。まあ、息子に限って勉強不足なんてことはあるわけないか。察したアーノルドに首を振られたよ、今日の我が家は静かだね。何か問題でもあるのか?と観念して答えを催促してみたら。


「手紙が、同封されていたのです。」


なんだ、そんなことか。今この瞬間を恋に生きる乙女のすることだ、多少の規則破りは目を瞑るのが紳士というものだろう。お父様が何を考えておいでなのか、私には理解のしようがありませんが、と前置きをした息子の返答はと言えば。


「ただ一言、"お慕い申し上げております。"と。」


おぉ、と軽く目を見張る。思っていた以上に御令嬢は大胆な娘御だったようだ。ユリアノーレ嬢御本人の字であることは確認済みです、と、息子は言うけれど。息子よ、何を疑っていたんだお前は。そして、今現在もそのたった一言に悩まされているのか?肩の力を抜け、トァルフ。お前はこの件に関して、もう少し楽観的になった方がいい。


「ユリアノーレ嬢は、いったい何をお望みなのでしょうか……?」


お前だよ。トァルフ、お前なんだよ。いい加減気付きなさい。お前は少々、こういった方面において自分に自信がなさ過ぎる。……と言ってやりたいところだけど、それに気付くのは己の力で無ければならないのだろうね。うーん……何故、よりにもよってアステリアの恋に臆病なところが似てしまったのか。可愛らしいいけれど、当事者からしたらもどかしいよ、トァルフ。愛想を尽かされる前には、ぜひ成長して欲しいものだ。


「昼食の後、タスヴァン伯爵家へ使いをやろう。縁談の日取りを決めるから、アーノルド、調整は頼んだよ」


「承知致しました」








「アーノルド、我儘を言ってもいいかい」


「我儘、と申されますと……?」


「いや、聞くだけで、実行はしなくていいんだ。ただ、聞いて欲しい」


「お任せください」


「明日は一日中客人を招きたくない」


「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか」


「……縁談には、お父様とお母様が立ち会ってくださるのが定型だ。しかし、お父様は明後日の昼過ぎから来月まで、隣国へ叔父様をお訪ねになられるご予定なんだ。……察するに、お父様は明日を指定して使いを送っているに違いない。だから私は我儘を言ったのだ。……明日は、客人を招きたくないと」


「高嶺の花と謳われる御令嬢でございましょう」


「……ねえ、アーノルド。僕は怖くて仕方がないんだ。ユリアノーレ嬢は、僕との婚約で何を得るのだろう?恋愛至上主義のお父様がいらっしゃるようだが、なればこそ、この縁談は望まれたものでは無いはずではないか。それを何故、タスヴァン伯爵はあそこまで丁寧に、ぜひにと年を押すような文章で縁談の申し出などをされたのだろうか。タスヴァン伯爵の政治でのご活躍を疑うつもりはないが、しかし……」


「トァルフ様、少しお眠りになられるべきです。極度の緊張と不安により、軽い錯乱状態にあるのでしょう。極東の島より輸入された、鎮静効果のある香を焚きましょう。さあ、こちらへ…」





普段より饒舌なトァルフを心配して、アーノルドが香を焚いたその翌日。





かくん。間抜けな音を響かせて、頬杖をついていた左肘がデスクから落ちた。家族にあるまじき醜態、口をあんぐりと開けて驚きを表現する父親に目眩がする。父上、と窘めつつ、返事の書かれた書簡を己の方へ向ける。そっと裏返した。向きを直し、目配せでアーノルドを呼ぶ。訝しげな表情を浮かべることもなく側に佇む彼を見上げ、壊れたような笑みを見せてからソファに崩れ落ちた。


「トァルフ様、お気を確かに」


返事には、上位貴族に送るに相応しい口上と、それとは対照的に簡潔な本文が書かれていた。"明後日の朝はいかがでしょうか。"よしわかった明日だな、と思う反面、心の準備がまだ……と顔をしかめる当主。恋愛に強気になれと助言はしたくても、息子に一人前になれとは言いたくない。早くに独り立ちされては、親として子供にもう少し面倒を見させて欲しいという願いが叶わずに生涯を終えることになってしまう。そんなのは嫌だ、と息子を見れば。


「美しい花々に囲まれ、それらの向こう側に、お会いしたことのない曾お祖父様がいらっしゃいました。あと少しで御手を取れるところでしたが…」


う"んんッ、と誤魔化すが、一応言っておこう。死なないでくれよ、頼むから。冷たい目で、








寡黙で優しい現国王の兄は、隣国(と言うけれどきっと出身地は永遠に不明だろう)の青年を保護し、父親になりたいという夢は叶えつつ恋の相手はいない。子供がいてもいいからと、30代にもなって縁談の話が次から次へと舞い込んで来たため…


変人魔法研究家は、いつも手元で何かを創造しては捏ねくり回し、人の話など聞いちゃいない。本人曰く"自分は異世界から転生した転生者"らしいが、考えるのは苦手なので何もしない。そんなナイナイ人間が唯一興味を示す相手、下町のパン屋の未亡人は、今日も今日とて不審者を店から蹴り出して…


なんとなく、をモットーに、雰囲気でなんでも決めてしまう超絶テキトー人間が学園にやってきた。マナーもこんな感じ?でそこそこ上手くやってしまう彼に、A型タイプの公爵令嬢は微笑みながらも「私、貴方のような掴めない方が苦手なんですの」とやんわり拒絶。真面目でお堅い近衞騎士見習いに脈ありだと思われて…

ありがとうございました。

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