ドキドキ☆インド(?)探検!
(しかし、何故私はインドに来てしまったのだろうか)
少女は記憶を思い返しても、インドへ旅行に来たという記憶はない。つまり
(あの赤い服を着た怪しい人たちに誘拐されたって線がが濃厚ね)
「どうしよう。私、インドのお金なんて持ってないしなぁ……」
少女が持っているのは500円玉1枚のみである。こんなものでは買い物もできない。
(早く日本大使館を探さなきゃ……。)
ふと見上げると、人々がとある店に入っていくのが見える。屈強な男たちばかりが入っていき
少女は近寄りがたく感じた。
「なんかヤバそう……。」
少女は通り抜けようとする。しかし、
「ほほぅ。嬢ちゃん。珍しい召し物を着てるねぇ。」
「はわっ」
店に入ろうとした筋肉質な男が少女に話しかけてきた。
(はわわわ、どうしよう。こんな時おねーちゃんなら……)
ふと、留学経験のある姉のとある言葉を思い出す。異文化コミュニケーションで大事なことは――――勢いだ。
「ヘイ!まいねーむいずナナセミサキ!な、ないすとぅーみーとぅー。うぇあいずに……ジャパニーズたたた…」
(タイシカンって英語でなんて言うの……?)
少女は若干パニックに陥った。すると男は怪訝な表情を浮かべる。
「嬢ちゃん何言ってんだ……なんかギフトでも授かってんのか?」
「は! 日本語が通じる。日本大使館どこですか!?」
「タイシカン……知らねぇな。それより嬢ちゃんはいくらで売ってもらえるんだ?」
「へ……?売る?」
ミサキの頭の中でいくつものクエスチョンマークが浮かびそして……
「そそそそそんなはしたないことするわけないじゃないですか。」
顔が真っ赤になる。
「ふーん。いいのか、そんなこと言って。おれは踏破者だぜ。」
「ななななんですか!?踏破者って。インドってそういえば、性的にヤバイっておねーちゃんいってたような。」
「インドだか、ヒンドゥーだか知らねーが、おまえうまそうだな。こっちに来るんだ」
「い、嫌誰か」
そういったところへ店から一人の少年が現れる。褐色の肌にウェイトレスの装束を纏っている。
金色の目をした美しい少年だ。
「お客様困りますよ。お店の前で騒がては。」
「誰に口を聞いてんだ?泣く子も黙るリーヴェルト様だぞ!?」
「そうですか……。知りませんね。そんな人家の顧客者リストにもありませんし」
「なんだと」
リーヴェルトが懐をまさぐり何かを取り出そうとするしかし……
「あれ!?」
「お客様のお探し物はこれですか?」
少年は朱色のナイフを取り出す
「チビ、そいつを返しやがれ」
リーヴェルトが少年を掴みかかろうとした瞬間、少年は袋をリーヴェルトの顔面にぶつける。
すると、リーヴェルトの目前で胡椒袋が炸裂する。
「いまだ、逃げんぞ!」
「へ、は、あれ。」
少年はミサキの手を引いて裏路地へと駆ける。
「まて、このクソガキー」
入り組んだ裏路地の最奥部へとたどり着く。
そこは表通りとは違い、見たこともない鉱石やや採掘道具が転がる採掘場へとたどり着いた。
「へへへ、巻いたかー,あの馬鹿最近荒れてんの。見苦しいったらないぜ」
「えっとあなたは?ここはどこ?」
「ここは、赤目採掘場さ。真っ赤で綺麗な宝石が取れる採掘場でこの国に住む5級採掘士の仕事場さ。そんでもって俺の名はファイ。いつか踏破者になって世界を股に掛ける男になる者さ」
そういってファイは、ピコっと頭の上にある両耳を広げた。それをみたミサキは気づいたのだ。
インド人は、コスプレ好きであると。