禁忌の力
続きです。早く立ちとる通りの展開になれるようにしたいですね
パチパチパチ、どこからともなくそんな拍手が聞こえた。
真司はその音のする方を見た。そこには仮面をつけた魔術師のようなやつが空中で立っていた。
「誰だ、お前は!?」
「僕の名前はメルリリス。ここの遺跡を管理する者さ。おめでとう、君はここの番人を倒すことができた。褒美として君の好きな願いをなんでも叶えてやろう!」
メルリリスは声は中性ぽい声なので男なのか女なのか分からない声をしているので正直性別はわからない。
(願い事か……といっても1つしかないんだけどな。)
「……じゃあ、ここの遺跡の中にいる人たち全員を外に出してほしい。」
「お安い御用さ、では…。」
メルリリスは魔方陣を展開する。そこで忘れずに真司は答えた。
「あ、そこにいる彼女も一緒だよ。」
「「……………は?」」
そその答えを聞いた真司以外の二人はそんな間抜けなような声が出た。
「……叶えてあげたいのは山々なんだけど、それはできない、彼女は諦めて欲しい。」
「はぁ?なんでだよ、なんでも叶えてくれるんだろ?」
「彼女は神々に反逆し、この世界を破滅に導こうとした大罪人さ。永遠にここから出ることはできない。そもそもこの封印の解除の仕方を僕は知らないかな?」
「はぁ!?なんだよそれ、ふざけてんのか!」
真司は苛立ち、メルリリスを睨む。メルリリスは彼に睨まれて少しビクッとなった。
「そんなに睨まれても無理なものは無理なんだ。残念だけど諦めてほしい。」
「………だったら!自分で何とかしてやる!」
真司はルシファーのところに行き、彼女に絡みついている鎖に向かって折れた剣を叩きつけた。だが、鎖を斬ることはできなかった。
だが真司は諦めずに何度も何度も鎖に斬りつける。
「……無駄だよ、その鎖は神でもその鎖をちぎることはできなかったんだ、君のようなただの人間が破壊することなどできないよ。」
「くそっ、くそっ!ふざけんな!」
何度も何度も斬りつけていたせいか、手が痺れてしまい剣を落としてしまった。
だが真司は次に素手でちぎろうとしてその鎖を触れた。その手からジュウという音をたてながら彼が触れている手を焼いていく。
「っく、だけど、諦めてたまるかあああああああ!!」
「おい、止めるんだ!君の手が保たなくなる!!」
「ぐううううううううううううううう!!」
「やめて!……無理よ……おねがい、私のことは諦めて……」
「ダメだ、そんな願いはきかない!例え神が無理でも俺は諦めない!!うぐああああああああああ!!」
―ミツケタ―
そんな声が聞こえたと思ったその瞬間、鎖は真司の腕に絡みつきその身を包むようにさらに絡みついてきた。
「んな!?どうなってんだ、ぐ、がああああああああああああああああああ!!」
「……そんな、バカな……。」
そう言っている間にもどんどんと鎖は真司に絡みついて全身を覆っていく。部屋中にあった鎖も全て真司に集まり、数分後には鎖の球体ができた。
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「……ここは、どこだ?一体何が起きたんだ?」
黒以外なにもない空間に真司はいた。周りを見渡すがやはり何も見えなければ見当たらない。動こうにも体がいうことが効かなくなっていた。
「くそっ、動けない!……どうなってんだ?この空間は?」
―ミツケタ、ワレラガアルジ―
そんな声が聞こえたと思ったら目の前に白く光る球体が現れた。
「なんだお前?ここはいったい……。」
―アナタハセカイガニクイデスカ?―
「なんだって?世界が憎いかだと?よくわからない質問だな。少なくても考えたことはないな。」
―……デハ、カミヲシンジマスカ?―
「はあ?神だと!ふざけるな、そんなもの、誰が信じるもんか!」
―ニクイデスカ?―
突然その球体は狼のような形に変化しそう訪ねてきた。
「……ああ憎いな。俺は神という奴らに何度も人生をめちゃくちゃにされたんだ!家族も!友人も!」
―フクシュウシタイデスカ?―
―チカラガホシイカ?―
どこからともなく水色に光る狼と紅色に光る狼が現れた。
「……くれるのか?神に復讐することができる力を、もう二度と大切のものを奪われずに済むか?」
―ヤクソクシマショウ―
―ワレラトケイヤクスレバ、アナタノチカラトナリマショウ―
真司はその答えを聞いてニヤっと笑いながら答えた。
「……いいぜ、この際なんでもいい。契約してやるよ……俺に力を寄こせ、神に復讐できる力を!!」
―ケイヤクハセイリツシマシタ、コレヨリワレラハアナタノチカラトナリマショウ―
―ワレラノノゾミハタダヒトツ、アルジニツカイ、カミガミニフクシュウスルコト―
―ワレラガチカラオモウゾンブンオツカイクダサイ、ワガアルジヨ―
狼たちの体から鎖が飛び出し真司の体に巻きついていく。そして再び真司の意識は途切れるのであった。
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ルシファー視線
「…………一体、何が起きてるというの?」
真司を包んだ鎖の球体は部屋の中央に移動しており、鎖から解放されたルシファーはペタンと女の子座りをして、その球体を見ていた。
「……なんてこったい、あの封印の鎖があの少年を包み込むなんてな。」
「ちょっと、これは一体何が起きたっていうの?教えてくれないかしら?」
ルシファーは立ち上がり、メルリリスに向かって手を出し魔法陣を展開する。
「ちょっとまってよ、僕だってこの状況については全く知らないんだ!だから攻撃しようとしないでくれ!」
「……どうかしらね?あなたはここで封印されてから一度も現れたことないじゃない。」
「それは元々あのゴーレムのコアに封印されていたのだから現れたくても出れなかったんだよ!」
「……………ふん!」
メルリリスが言ったことが嘘ではないとわかったルシファーは展開していた魔方陣を解いた。それを見たメルリリスは安堵のため息をした。
「そういえば私は自由になれたけどあなたはどうするのかしら?」
「ん?僕かい?そうだな~特に決まってないんだよね~。強いて言うなら外に出て世界を見てみたいかな?」
「あらそう?だったらすぐに出ていけばいいじゃない?」
「無理言わないでくれよ~私は今この空間にいるけど、依代がないと外を歩くことなんてできないんだ。」
メルリリスは半分に割れたゴーレムのコアを見る。
「あれはある意味依代のようなものだったものだけど、今は真っ二つに割れちゃってるからね~。きみはどうするんだい?」
「私?私はもちろんここに封印した神々に復讐するわよ。」
「デスヨネー。でもそのまま神々に挑んでも同じことの繰り返しにならないかな?」
「うぐっ……だ、大丈夫よ!次こそは油断しないわ!それに1人では行かないわ。」
ルシファーは鎖の球体の方を見た。メルリリスはどういうことなのか分からなかったが彼女が見た方を一緒に見て納得した。
「………なるほどね、面白そうじゃないか。」
そんな2人がその鎖の球体を見てた時、突然鎖の球体から膨大な魔力が発生した。
「な!今度は一体何が起きているの?」
「くっ、何て魔力なんだ!?」
すると鎖の球体から少しずつ光を発し、強烈な光が部屋全体に広がった。光が晴れると部屋の中央に人がいた。
それは先ほど鎖に飲み込まれた真司だった。彼は体から少し光りを発しながらゆっくりと地面に倒れた。
先ほどの光景で惚けていたルシファーたちだが、すぐ気がついて彼の下へと走った。
「ちょ、ちょっと、しっかりしなさい!」
「……特に外傷はないね。どうやら気絶しているだけだね。」
「そうね、よかったわ……ん?これは一体?」
真司に特に外傷がないことに安心したルシファーだが、彼が持っていた物に目がいった。
「ん~なんだろうこれ?武器……なのかな?装飾がかっこいいね!」
「どういった武器なのかしら?刃が付いて無いし、鈍器かしら?」
そう、彼が持っていた物は狼のレリーフがついた黒い銃だった。
息抜きとして書いてたやつを交互に出していこうと思いますので、次の更新はもうちょっとかかります。