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神殺しのケルベロス  作者: アナログ牛蒡
第1章
3/6

遺跡の天使

遺跡の中での始まりです。

 飛ばされた俺は最初に目にしたのは小さな光りだった。そして後ろから吹き荒れる風、小さなな光りも少しずつ小さくなっていく。俺はこの感覚を知っている。


「また落ちるのかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


 そう、俺は現在落ちているんだ。下を確認してみる。何も見えねぇ……と思ったら段々と淡い光りが見えてきた。あれは光石という暗いところを照らしてくれる石の光だ。今回は早めに地面とこんにちはできそうだ。


 ……………ってのんびり考えてる暇じゃない!早く何とかしないと!


「そうだ!確かアイテムの中にあれがあったはず!」


 俺はすぐさま無限収納紙箱アイテムボックスを取り出し某狸のごとく中を漁り始めた。


 ガサゴソ、ガサゴソ……こいつは最初来た時の制服だな。これはもし元の世界に戻った時に着るための物。……これはオヤツで食べようとしたりんご。


 ちなみにしまっている間の時間は進んでいないので腐ったり風化することありませんよ奥さん!


 ……違う違う、そうじゃない、真面目に探さないと。


「……ん?なんだこの布?」


 白い布のようなものが入っていたので広げてみると……きれいな三角形の布だな。可愛らしく小さなフリルが付いている。


「ってパンツじゃねーか!なんでこんなものが……あの婆さんだな……。」


 今頃親指を立ててサムズアップをしている姿が目に浮かんだ。


 さて、地面がそろそろ近くなってきた。真面目に探さないと……ってあったわ。探していたものはパンツを広げた時に落ちてきた。とりあえずパンツはしまっておくか……これはそのうち返しておくか。


 真司はそのアイテムを落下地点に投げる。投げた先で大きくスライムみたいのが出現し大きく膨らんでいく。その上に落下し、何度かバウンドして着地した。


 このアイテムは『マジッククッション』設置したところに衝撃吸収をしてくれるスライムを出してくれるアイテム。使い捨てなので数分後には溶けてなくなる。


 環境にやさしく、服だけを溶かすようなものではない!世の中にはあるとアルミンの婆さんから聞いたけど……。


 とにかく、念の為に持っててよかった、俺って落ちることになにか因果関係があるのだろうか?元いた世界でも落ちてたな~。家の近くの田んぼに落ちたり、階段から落ちたり、腐ってた床が抜けて下半身まで落ちたり………。


 もう考えるのはやめよう、自分が虚しくなっていく。


 「さて、ここからどう動くかな?」


 ここがどこなのか全くわからない。周りには所々にある光石と2つにの道があり、後ろは一本道になっている。おそらく出口に戻るルートだろう。


 とりあえず戻りながらルルーを探さなくてはならないだろう。ただ、大量の罠やモンスターが待ち構えているだろう。心していくしかないようだ。


「……よし、戻るか。」


 そう判断し一本道を歩いた。光石のおかけで遺跡の中はある程度視界が確保できる状態だ。そして、しばらくあまり代わり映えのしない通路をあるいた。


 その途中で壁に腰掛けるように座っている白骨死体があった。どうやら前にこの遺跡にいて魔物か罠にやられてなくなったのだろう。


 その白骨死体のところに行くと、そいつが持っていたと思われる道具袋があったので安らかに眠ってもらうようお祈りしつつその道具袋の中身を拝借させてもらった。ナムー………。


 道具袋の中には虫眼鏡のようなアイテムと緑色の液体が入った瓶…おそらく回復薬だと思う。あと閃光石と赤い宝石が3つ入っていた。


 『閃光石』というのは魔力を込めて投げると強い発光を出して相手の目を眩ませることができる。


 物色も終わり、またしばらく代わり映えしない通路を歩いた。しばらく歩いて着いた先は巨大な両開きの扉だった。


 ……………あれー?これボス部屋っぽくね?もしかしてさっきの2つの道が戻る道だったか?


 しょうがない、戻るとするか。……いや、だってまだ俺レベル1だよ?そんな俺がボスとか勝てるわけないじゃん。


 そうして後ろに引き返した。すると8つの赤い光が見える。よく見るとそこにいるのは真司よりでかい蜘蛛がいた。


 ………やばい、こいつは勝てそうにないし、バッチリこっちのこと見てるよ。


「キシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 その巨大蜘蛛は奇声を発しながら真司に向かって襲いかかってきた。


「マジかよ、クソッ!」


 俺は扉の方に戻った。巨大蜘蛛は後ろかカサカサと走って追いかけてくる。


 どうする?扉の先は確実にボスっぽいのがいるはずだし、かと言って後ろにいる巨大蜘蛛と戦って勝てるとは思えない、どうする?どうするんだ?どうすればいいんだ?前門の虎、後門の狼状態。どちらを選んでも死ぬかも知れない。だったら選ぶなら……


「あばよ、とっつあん!!」


 そして俺は扉を開けて中に入った。急いで扉を閉める時、追ってきていた巨大蜘蛛はその場で止まっていた。

 

 扉の先は広い空間で壁には鎖が覆うっていた。天井には幾つか垂れ下がっており、その先には様々な生き物の白骨した姿がぶら下がっていた。もちろん、人の形をしたものもあった。


「………………誰だ?」

「!!な、なんだ!?」


 真司はいきなり声が聞こえビクリッとして慌てて声がした方を向いた。部屋の中央には地面に剣が刺さっており、更にその奥に鎖で巻かれるように繋がれた人の形をしたナニカがいた。


「て、天使?」


 そう、人の姿で背中に6対の白い翼が生えている女の子がいた。見た目は白銀の長い髪に線のように何本も入った赤い髪が混ざっていて、きれいな緑色の眼をしていた。


 ただその眼は虚ろで、すべてを諦めたかのような眼をしていた。歳は俺と同じくらいの年に見えるが天使だから実年齢はそれ以上なのかもしれない。


「……人族の男か、どうやってここに来たかは知らぬがここはおまえのような者が来るような場所ではない、立ち去れ。」


 女の子にいきなり睨まれながら立ち去れと言われてしまった。……そんなこと言われても戻ったら戻ったであの巨大蜘蛛いるしな~。


「その前に自己紹介しないか?俺の名は黒田真司だ、よろしく。君の名前は?」


 とりあえず緊張を解くように彼女に話しかけた。


「……我を知らないだと?ふん、いいだろう。我が名はルシファー、偉大なる天人族の大天使であり、神に反逆し、世界を滅ぼす偉大なる存在だ。」

「へ~ルシファーさんか、よろしく。偉大な存在って言っているけど、それにしては鎖に繋がれて動けないように見えるけどね。」

「うぐっ、だ、黙れ!油断さえしなければ今頃この世界を混沌に陥れることができたのだ!」


 ルシファーと名乗った天使は痛いところを突かれ、顔を真っ赤にしながら子供っぽい言い訳をした。


 起こっているところ悪いが少し可愛いと思ってしまった。しかしこの子……。


「まあいい、ここには金になるようなものはない。これ以上いても貴様の時間が無駄になるだけだ。」

「そこに剣が刺さっているようだけど?」

「その剣に触れれば貴様の命が消えることなる。死にたくなければ触らぬことだな。」


 なるほどな、おそらくあの剣に触れたらそれを守るボスとか出てくるって仕組みかな?さすが罠がわんさかある遺跡だぜ。………ふむ、やはり気になるから聞いてみるか。


「あのルシファーさん、ちょっと聞いていいか?」

「……なんだ?もうこれ以上何もないと言っているのにまだ何かあるのか?」

「まあ、気になるっちゃ気になるんだけど……その喋り方疲れないか?」

「………………………は?」


 ルシファーは何を聞かれたのかわからず、間抜けな声が出た。


「だって無理して偉そうに喋ってる感じたからさ。本当は違うんじゃないの?」

「き、きききききき貴様、何を言っておるのだ!我は元からこの喋り方に決まってるではないか!」

「え~、うそっだ~。ねえ、普通に喋ってみてよ?そうした方が可愛いよ?」

「か、かわ!……………はぁ、わかったわよ、普通に喋るわよ。これでいい?」


 天使の女の子は何度か葛藤したのち諦めて普通の口調に戻った。それに対し俺は笑顔で答えた。


「……それで?あなたはこの後どうするの?」

「うーん、そうだな~。戻ってもでかい蜘蛛いるしな~。」


 さて、このあと何をするか全く決めてなかった。


「そういえば、この鎖って外せないのか?見た目は普通の錆びた鎖のように見えるけど……。」

「ええ、この鎖は神々が私みたいのを封印するために偶然この遺跡にあったからここに封印したのよ。ちなみにこれも触らないほうがいいわよ。触ったら手が焼けるし決してちぎることはできないわ。」

「そうなのか?どれどれ……。」


 そう言われて人差し指で突っついてみたらジュッ!と熱い鉄を触ったかのように熱く、すぐさま指を離した。少しだけ指先が火傷した。


「あっち!フー、フー、……マジで熱いなこれ、どうなってんだ?」

「さあ?封印されている私はなんともないけどね。わかった?わかったのなら大人しく……。」


 するとゴゴゴゴゴ!と地面が揺れ始めた。


「な、なんだ、地震か!?」

「!!危ない避けて!」

「うおっ!」


 一部天井が崩れ、真司の頭上から崩れた複数の天井が落ちてきた。真司は慌ててバックステップなどで回避した。


 だが回避した先に剣があり、彼は運悪く足をくじいた。


「あ、あぶっ!」


 そして人間は倒れそうになったら物を掴んで倒れないように行動してしまう。その結果彼はその先にあった剣を掴んでしまった。ついでに掴んだ拍子に剣がぽきっと折れてしまい結局地面に倒れた。


「いってー、なんだよこの剣、錆びてるのか?折れちまったぞ。」

「『折れちまったぞ』じゃなーい!あんた何やってのよ!バカじゃないの!」


 先ほどの揺れはなくなったが地面に巨大な魔法陣が現れ淡々と光を放っている。


「……なあ、あそこからは何が出てくるんだ?」

「ええ、何人もの人間を葬った相手、そいつは……。」


 巨大な魔法陣はより一層輝くと遂に弾けるように光を放った。咄嗟に腕をかざし目を潰されないようにする。光が収まった時、そこに現れたのは体長三十メートルの岩でできた人型のゴーレムが現れた。



大幅に直すところが多かったのでかなり修正してます。

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